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アメリカジョッキークラブカップ(AJCC)の追い切りが17日、東西トレセンで行われた。メンバー最多タイの重賞3勝を挙げるボッケリーニは、栗東CWコースでパワフルな脚さばきを披露。レース史上初の8歳馬Vへ、好気配を振りまいた。マイネルウィルトスは栗東坂路を活気十分に駆け上がり、サンスポ調教評価で最高の『S』を獲得。美浦ではモリアーナやラーグルフが態勢を整えた。
衰え知らずの充実ぶりをアピールした。明け8歳のボッケリーニが、栗東CWコースをパワフルなフットワークで駆け抜けた。兼武助手が納得の表情で切り出した。
「しまい重点の内容でしたが、しっかりと反応できていたし、動きも良かったです。態勢は整ったと思います」
朝一番に落ち着いたようすで登場し、単走でスタート。序盤はゆったりと入り、徐々にギアを上げていく。ゴール前で仕掛けられるとラスト1ハロン11秒6(6ハロン86秒1)と上々の伸びを披露。1週前の11日に浜中騎手が6ハロン80秒0でびっしり追ったことで、ラストの反応がグンと良化した。「先週、ハードな調教をかけました。しっかり負荷をかけたのが効いていますね」と上昇ぶりを伝える。
カラテと並び、メンバー最多の重賞3勝を挙げる実績馬。一昨年以降、重賞で全11戦してGⅠ3戦をのぞけば、8戦すべて3着以内を確保している。前走のチャレンジCもゴール前の首の上げ下げでハナ差2着に惜敗したが、内容としては勝ちに等しいものだった。
「晩成の血は間違いないでしょう。去年は一番充実していたと思います。立ち回りがうまいし、気持ちの強さは間違いなくあります」
まだ体が完成していない時期に意図的に間隔をあけながら大事にレースを選択し、着実に地力を強化。「この間隔がこの馬にとってベスト」と、体質が強化した今でも同様のスタイルを貫いていることが、息の長い活躍と堅実なパフォーマンスにつながっている。
中山コースは勝ち星こそないが、【0・2・1・1】と安定。週末は雨予報も出ているが、稍重~不良馬場で【1・4・0・1】と好成績を残している。
「明け8歳になりますが、まだまだ元気です。中山は得意なコースで、馬場は重くても大丈夫。メンバーはそろっていますが、実績では上位なので頑張ってほしい」と結んだ。
レース史上初となる8歳馬の勝利、そして父キングカメハメハの17年連続JRA重賞Vへ。古豪が貫禄を示す。(斉藤弘樹)
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