第49回
きさらぎ賞(15日、京都11R、GIII、3歳オープン国際、別定、芝・外1800メートル、1着本賞金4000万円=出走10頭)クラシックへ王手だ。
武豊騎乗で1番人気の
リーチザクラウンが快勝。後続に3馬身半差をつける“圧逃ショー”で重賞初V(通算3勝目)を飾った。1分48秒9(良)。
武豊騎手は3週連続重賞制覇。2着は2番人気の
リクエストソングだったが、3着に最低人気のエンブリオが入り、3連単は3万1180円の好配当となった。
1カ月半前に阪神で味わった悔しさを、京都で一気に晴らした。世代屈指の能力を秘める
リーチザクラウンがクラシックへの登竜門を制覇。春の主役に名乗りを上げた。
「(道中の)ポジションはスタートしてから決めようと思っていた。素材を殺してまで味を変えることはないし、ベストの選択だったと思うよ」
武豊騎手が独特の言い回しで胸の内を明かした。逃げて失速した前走のラジオN杯2歳S。これを教訓に、今回は控える競馬も考えていたが、結果は…。スタート直後こそ、他馬の出方を伺っていたが、ユタカに迷いはなし。押し出されるようにハナに立つと無理に控えることはせず、マイペースに主導権を握った。楽な手応えで直線に向き、終わってみれば2着に3馬身半差をつける“ワンマンショー”。改めて搭載エンジンの違いを見せ付けた。
「本当にいい勝ち方だった。タイプは違うけど、これから父みたいになってくれればいいね。きょうみたいに前半をゆっくり走ってくれればいいし、これで堂々と胸を張って東に行ける」
スペシャルウィークはユタカ自身が手綱を取り、98年にこのレースを勝利。その後、
日本ダービー馬となった偉大な父に、その姿をダブらせた。これでユタカは3週連続重賞V。今週のGI・
フェブラリーS(
ヴァーミリアン)へ弾みをつけた。
ただ、完勝のレースとは対照的に今後への課題が浮き彫りとなったのも事実。「また馬体が細化していたし、レースを使うごとにテンションも上がっている」とレース後の
橋口弘次郎調教師に笑顔はなかった。この日も馬体は4キロ減。520キロでデビューした馬体は、500キロまで落ちてしまった。
「(レースを)間にはさまず、心身ともに鍛え直す」と橋口師は
皐月賞(4月19日、中山、GI、芝2000メートル)直行プランを示唆。第一関門を突破した
リーチザクラウンが、もうひと回り成長した姿でクラシック制覇へ挑む。(瀬戸聡)