伊吹雅也
佐藤洋一郎
第62回東京新聞杯(5日、東京11R、GIII、4歳上オープン国際、別定、芝1600メートル、1着本賞金3800万円 =出走16頭)8番人気の伏兵ガルボが3番手追走から直線でコスモセンサーとの競り合いを制して重賞2勝目をあげた。タイムは1分32秒8(良)。安田記念(6月3日、東京、GI、芝1600メートル)に向けて大きな1勝となった。2着は4番人気コスモセンサーで1番人気ダノンシャークは5着に敗れた。 執念でつかんだ大きな3勝目だ。マイル戦線の“善戦マン”ガルボが2010年シンザン記念以来となる2年1カ月ぶりの勝ち星を挙げ、2度目の重賞制覇を飾った。 「いただいたチャンスをうまくモノにすることができました。行ってもいいかなと思いましたが、コスモセンサーが速かったし、ちょうどいいかたちにできましたよ」 昨年11月のキャピタルS以来、2度目のコンビで石橋脩騎手は能力を引き出し、JRA重賞4勝目を決めた。好スタートから3番手のインという絶好の位置をキープ。残り400メートルから追い出し、粘るコスモをクビ差とらえてVゴールへ飛び込んだ。 「過去にコスモに乗って(10年アーリントンC優勝)力があるのはわかっていたし、相手と思っていた。苦しかったですね」と振り返る石橋が直線で入れたステッキは30発強! ムチの使用回数が多すぎたためにJRAから注意勧告を受けたが、それだけ勝ちたい気持ちは強かった。 「(叩いた調教師席の)机が壊れそうでした。2頭速い馬がいたし、3番手に引いたのはいい判断。さすがだよね。最後もよく、あそこまで追ってくれた」 2週間ほど大好きな酒を断ち、この一戦にかけた清水英調教師は興奮さめやらぬ表情。登録の段階では補欠2番手だったが、繰り上がりで出走できたツキもあった。「勝つときはすべてうまくいく。追い切りが重く、前日にやったのもよかった」。土曜に直前追いを敢行。闘魂注入も功を奏した。 東京マイルで復活を果たし、賞金も加算。当然GIも視野に入ってくる。「少し勝利の余韻に浸りたい」とトレーナーは苦笑いしたが、安田記念の声が出ると「行かなきゃならないでしょう」とヤル気満々だ。群雄割拠のマイル界に関東からガルボが雄たけびを上げた。 (森田実)