京都の土曜メーンは、2歳牝馬限定のGIII
ファンタジーS。年末のGI
阪神JFへ向けてのステップレースだ。
函館2歳S優勝馬
ファインチョイスは出走メンバー中、唯一の重賞ウイナー。末脚のキレるタイプで、京都コースならばより持ち味が生かせそう。3連勝を決めて、無敗の2歳女王君臨へ王手をかける。
北の大地で放った輝きを、淀のターフでも見せつける。
函館2歳Sで世代最初の重賞ウイナーとなった
ファインチョイスが、3カ月の充電を経て戦列復帰。無敗の2歳女王へ、休養明け初戦から全開でアタックする。
「休ませている間に体高が伸びて、ひとまわり大きくなったね。しっかり食べるから調整もしやすいし、体も450キロ(前走時436キロ)くらいまで増えているのは、いい傾向だと思うよ」
ひと夏越して順調に成長した愛馬の姿に、領家調教師は目を細める。
7月23日の函館でのデビュー戦(芝1200メートル)は、2着に3馬身差の完勝。続く
函館2歳Sは3番手から抜け出すと、ビッシリ追われることなく1馬身半差の快勝劇を演じた。センスのよさもさることながら、2歳牝馬にとって過酷な中1週のローテを克服したように、精神的なタフさも兼ね備えている。
「短期間で2回も使ったらカリカリしそうなものだけど、2走目も全然そういうところがなかった。栗東にきても落ち着いて調教できているし、精神的な強さがあるね」
指揮官がアピールする2歳馬らしからぬ堂々とした振る舞いは、調教にもあらわれている。栗東入厩後は3週連続でCWコースで併せ馬を行い、ここ2週は古馬をアオるほどの好調教。環境の変化に動じることなく、レースに向けて着々と足場を固めている。
「切れ味で勝負するタイプだから(函館の)洋芝より、むしろ京都の高速馬場の方がいい。血統的にもマイルまでなら大丈夫だし、精神的な強さがあるから輸送競馬も心配してない」と領家師は力を込める。
あくまで目標は
阪神JF(12月11日、阪神、GI、芝1600メートル)だが、牝馬同士なら負けられない。距離延長、初の輸送競馬の課題を克服すれば、無敗の2歳女王が見えてくる。(瀬戸聡)