霧
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第11回アイビスサマーダッシュ(17日、新潟11R、GIII、3歳上オープン国際、別定、芝・直1000メートル、1着本賞金4000万円、サマースプリントシリーズ第2戦=出走15頭)福永祐一騎乗、1番人気のエーシンヴァーゴウが好位追走から、スピードの違いを見せつけて圧勝した。タイム53秒8(良)。1600万下特別、オープン特別に続く3連勝で、重賞初制覇を達成した。2着に5番人気のエーブダッチマン、3着には11番人気の伏兵アポロフェニックスが入った。 連勝中の勢いに任せ、電撃戦を突き抜けた。新潟名物の“直千”重賞を制したのは7年連続で牝馬。1番人気エーシンヴァーゴウが、レコードにコンマ1秒差に迫る53秒8の好タイムで圧勝だ。 「この馬のペースでついていって、残り2ハロンくらいからスパートしました。馬の状態も非常によかったですね」 会心の勝利をつかんだ福永祐一騎手は、満面の笑みだ。直線コースでは不利とされる内めの(3)番枠だったが、「芝の状態がいいので、あまり気にせずに乗った」と関係なし。開幕週の絶好馬場で持ち前のスピードをフルに生かしきった。この夏の主戦場と決めている新潟で、これ以上ないスタートだ。 この一戦に賭ける意気込みも相当だった。ヴァーゴウとのコンビは昨秋に1000万下を勝って以来だが、当時から「いいエンジンを持っていたけど、気性的に難しいところがあった」という。すぐに気分を損ねるお嬢様気質で、馬具の装着を嫌がったり、競馬でもコーナーで逃げたりするなど、スタッフは苦労の連続。その努力を知っているだけに、「ここは何としても勝たなければならない」と固い決意で臨んでいた。 管理する小崎憲調教師は、これが区切りのJRA通算100勝目と二重の喜び。「本当に手が掛かる馬ですけど、日々の積み重ねですね。だいぶお姉ちゃんになってきたと思います」。6月の帝王賞を圧勝したダート界の雄スマートファルコンと並ぶ厩舎の看板馬の誕生に目を細めた。 サマースプリントシリーズの第2戦を制したとあって、「せっかくのチャンス。狙っていけたら」と小崎師は王座獲得に意欲を燃やす。次走は北九州記念(8月14日、小倉、GIII、芝1200メートル)が有力。大人の階段を上っているヤンチャ娘が、真夏の電撃戦をまだまだ盛り上げる。(越智健一)