阪神の新馬戦V以来2カ月半ぶりのダノンパッションは、札幌芝コースで終い1ハロン11秒4と絶好の動きを見せ、併せた僚馬に半馬身先着した。引き続きコンビを組む
武豊騎手は「良すぎるぐらいの反応」と称賛。管理する
池江泰郎調教師とは
ディープインパクトで05年の牡馬3冠を無敗で制覇したが、鞍上はディープの甥という血統馬にもクラシック優勝の期待をかけている。
今年のダービー馬
ロジユニヴァースと同じく阪神の新馬戦を
武豊騎手で快勝したダノンパッションが、札幌競馬場で抜群の瞬発力を見せつけた。
朝日がまぶしい午前5時30分過ぎ、僚馬シーキングカフェ(牡2未勝利)と角馬場入りしたダノンは、準備運動中にユタカを振り落とすほど元気いっぱい。芝コースに移動すると、じっくりと常歩(なみあし)で洋芝に慣らす。追い切りは1~2コーナー中間からスタートし、道中は1ハロン15秒1→13秒9→13秒9と平均的なラップを刻み直線へ。残り200メートルでGO
サインが出ると俊敏な反応を見せて、6ハロン79秒2、3ハロン36秒3-11秒4で半馬身先着。道中は少し行きたがる素振りを見せながらも、ラストでもうひと伸びする辺りが潜在能力の高さだろう。
「終いを伸ばす程度だったが、良すぎるぐらいの反応でいい動きだった。池江(郎)先生とはディープでクラシック(3冠)を勝ったが、もう1回勝ちたい気持ちはある」とユタカ。2年後の2月に定年を迎える池江郎師にとって、クラシック挑戦は今の2歳世代が最後だけに、ジョッキーも気合が入る。
追い切りを見守ったトレーナーも動きの良さに笑みが浮かぶ。「先週、ダートでしっかりやっているので、きょうはユタカに感触をつかんでもらう程度にやった。その気になれば6ハロン77秒台で楽に走ってくる馬だよ。前走はブレーキをかけっぱなしでアクセルを踏めたのは最後の1ハロン過ぎてから。それでもあの勝ち方だったしね。札幌滞在で体の張りは出てきたし、ここを狙って連れてきた。素質のある馬だし、自信と期待を持って臨みたい」と強気に構える。
ディープインパクトの甥という超良血のダノンパッション。来春のクラシックに向けて、重賞タイトルを獲得したい。(片岡良典)