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田中剛騎手が引退、今後は調教師を目指す

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 ハードル界における第一人者で“鉄人”の異名もある田中剛騎手(48)=美・フリー=が現役を退くことが30日、分かった。

 79年にデビューした田中剛騎手は、これまで脊髄の損傷や股関節などの骨折で19度の手術を受けたが、不死鳥のごとく甦り、とくにハードル界において闘志あふれる騎乗でファンを魅了してきた。しかし、今年5月、落馬による負傷も癒えて障害復帰を決意したその日の精密検査の結果、頸椎に異状が判明。主治医から「(障害)騎手として限界にきている。生命の危険もある」と強く断念を促され、引退を決意するに至った。

 「肉体的に限界にきて危険率の高い障害での騎乗を諦めざるを得なくなったが、悔いはない。19歳の時、師匠の管理馬カチウマタローで中山大障害(80年)を勝った(初重賞)のが一番思い出として残る」と語った。

 今後は中学生時代から騎手になるまでの間、親代わりで指導してくれた柄崎義信調教師の子息の孝調教師の厩舎で主に調教を手伝いながら、10月の調教師試験に向けて準備を進める。

 JRA通算5253戦364勝(うち障害207勝)。中山大障害4勝を含む重賞13勝(うち平地の重賞1勝・東京新聞杯)。最多勝利障害騎手3回、優秀障害騎手賞5回受賞の輝かしい戦歴を残している。

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