第57回
毎日杯(27日、阪神10R、GIII、3歳オープン国際、別定、芝・外1800メートル、1着本賞金3900万円=出走11頭)素質馬が顔を揃えた一戦は、
安藤勝己騎乗で3番人気の
ダノンシャンティがメンバー最速の上がりで完勝した。1分49秒3(良)。
皐月賞には向かわず、
NHKマイルCからダービーの路線を歩む。ダーレージャパンの生産馬がJRA重賞を勝ったのは初めて。2戦2勝で挑んだ
リルダヴァルは3着、1番人気に支持された超良血
ルーラーシップは5着に敗れ、
皐月賞出走は困難な状況となった。
重賞戦線で活躍してきた力は本物だ。ラジオNIKKEI杯2歳S3着、
共同通信杯2着の実力馬
ダノンシャンティが、
ルーラーシップや
リルダヴァルの陰に隠れた3番人気の評価に発奮するように、強豪を一蹴して重賞初勝利を飾った。
馬場入りやゲートで若さを見せるため、今回は中間に入念な練習を積んで挑んだ。その甲斐あってか、スムーズなスタートを切ると道中は5番手を追走。1000メートル通過62秒3というスローな流れになったが、直線では粘り込む先行勢を上がり3ハロン33秒4とメンバー最速の切れ味で差し切る完勝。惜敗続きだったうっぷんを一気に晴らした。
「スタートもそれなりに出てくれたし、いい位置でジッとしていれば良かったんだけど、外に出したら少し行きたがったね。でも、ラストはしっかりしている馬だから」
初騎乗の
安藤勝己騎手は笑顔で振り返った。評判馬が顔を揃えた一戦を快勝して、「これからクラシックで人気になってもおかしくない力がある」と夢は大きくふくらむ。
松田国英調教師は「能力はありますが、器用さがない馬ですから、中山はどうでしょう」と、
皐月賞は使わない考え。当初の予定通り
NHKマイルC(5月9日、東京、GI、芝1600メートル)からダービー(5月30日、東京、GI、芝2400メートル)へ向かうことを明言。かつて管理した04年の変則2冠馬
キングカメハメハと同じ路線を歩む。
ダノンシャンティは
皐月賞には姿を見せないが、東京の直線で再び自慢の末脚が爆発する場面が楽しみだ。(柴田章利)