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上半期の総決算であるグランプリレース・宝塚記念。前走ローテに関しては、2008年以降、4勝を含む7連対の天皇賞(春)が最有力ステップ。ただし、天皇賞(春)の1~2着馬は【0.1.2.11】という低調な成績に終わっている。3200m→2200mと距離が大きく短縮されることに加え、京都外回り→阪神内回りとコース形態も様変わりするため、天皇賞(春)と宝塚記念を続けて好走するのは至難の業なのだ。むしろ同組では、3着以下に敗れた実力馬の巻き返しのほうに期待が持てる。舞台となる阪神2200mは最初のコーナーまでの距離が約520mと長く、枠順による有利不利は小さめ。それよりも急坂を2回上ることによるスタミナ消費や、内回り適性の有無などが重要となるコースである。(各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります)
【人気】
荒れるイメージの強い宝塚記念だが、1998年以降の優勝馬の6割強を3番人気以内で占めているように、基本的には人気サイドの信頼度が高いレースである。一方、4~5番人気は不振で、1998年以降の優勝馬は2008年のエイシンデピュティ1頭のみ。2着連対も3頭に過ぎない。ここを狙うくらいならば、ターゲットをさらに人気薄へと寄せたほうがベターだ。具体的には、6~9番人気のゾーンがオススメ。勝ち馬6頭を含む11頭の連対馬を送り出し、単勝&複勝回収率も申し分のない数値をマークしている。対照的に2桁人気は低調で、2頭が馬券に絡んだ2015年や2018年はレアケースと言えよう。超大穴に本命を打って、ビッグな配当を狙うのに向くレースではない。
◆人気別成績(過去20年)
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 6-6-2-6 | 30.0% | 60.0% | 70.0% | 74.0% | 88.5% |
2番人気 | 4-2-2-12 | 20.0% | 30.0% | 40.0% | 81.0% | 58.5% |
3番人気 | 2-2-4-12 | 10.0% | 20.0% | 40.0% | 78.5% | 104.0% |
4番人気 | 0-1-3-16 | 0.0% | 5.0% | 20.0% | 0.0% | 57.5% |
5番人気 | 1-2-0-17 | 5.0% | 15.0% | 15.0% | 56.5% | 61.0% |
6~9番人気 | 6-4-6-64 | 7.5% | 12.5% | 20.0% | 150.1% | 102.5% |
10番人気以下 | 1-3-3-98 | 1.0% | 3.8% | 6.7% | 36.7% | 52.7% |
◆単勝オッズ別成績(過去20年)
単勝オッズ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1.9倍以下 | 2-3-1-3 | 22.2% | 55.6% | 66.7% | 33.3% | 72.2% |
2.0~2.9倍 | 4-3-1-3 | 36.4% | 63.6% | 72.7% | 98.2% | 94.5% |
3.0~4.9倍 | 3-2-1-8 | 21.4% | 35.7% | 42.9% | 72.1% | 67.1% |
5.0~7.9倍 | 2-0-5-11 | 11.1% | 11.1% | 38.9% | 76.7% | 68.3% |
8.0~14.9倍 | 5-5-4-33 | 10.6% | 21.3% | 29.8% | 130.2% | 105.1% |
15.0~19.9倍 | 1-1-0-14 | 6.3% | 12.5% | 12.5% | 101.9% | 65.0% |
20.0~49.9倍 | 3-4-5-60 | 4.2% | 9.7% | 16.7% | 140.8% | 92.2% |
50.0倍以上 | 0-2-3-93 | 0.0% | 2.0% | 5.1% | 0.0% | 47.3% |
◆配当(過去10年)
馬券種 | 最高配当 | 最低配当 | 平均配当 |
---|---|---|---|
単勝 | 3,780円 | 270円 | 1,287円 |
複勝 | 1,630円 | 110円 | 385円 |
枠連 | 2,560円 | 660円 | 1,135円 |
馬連 | 12,900円 | 1,010円 | 5,438円 |
ワイド | 11,080円 | 210円 | 2,330円 |
馬単 | 19,630円 | 1,760円 | 10,286円 |
3連複 | 157,770円 | 720円 | 33,936円 |
3連単 | 528,510円 | 10,630円 | 150,942円 |
【脚質】
先行勢が圧倒的に優勢で、その事実は逃げ馬の勝率と複勝率の高さからも見てとれる。少頭数で行われることも多いとはいえ、4角を5番手以内で通過した馬が2008年以降の3着以内馬の半数以上を占めており、イメージ以上に前有利。ただし、最速上がり馬が【6.6.0.0】のパーフェクト連対中である点を覚えておかねばならない。問題は最速上がり馬の特定方法であるが、このレースは例年それほど速い上がりにはならないので、その特徴をいかに踏まえるかがカギ。前走で速い上がりをマークかつ上がり順位上位の馬は信用に値せず、むしろ前走上がり順位3~6位あたりでキレ負けした馬が好走を重ねているのだ。この傾向はぜひとも押さえておきたい。
◆脚質別成績(過去20年)
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 2-0-5-14 | 9.5% | 9.5% | 33.3% | 70.5% | 139.5% |
先行 | 8-10-7-56 | 9.9% | 22.2% | 30.9% | 68.0% | 85.8% |
差し | 8-2-6-74 | 8.9% | 11.1% | 17.8% | 151.6% | 77.8% |
追込 | 2-8-2-81 | 2.2% | 10.8% | 12.9% | 11.1% | 45.6% |
【枠順】
枠順別データでは、これといった傾向が見受けられない。以前は外枠である7~8枠がやや不利という印象もあったが、2013年から2017年にかけて8枠が5連勝したこともあるように、決して軽んじることのできない枠番と化してしまった。ゆえに、基本的には枠順不問。あとは出走メンバーの組み合わせと展開次第と考え、過度に枠順を意識する必要はない。強いて狙いどころを挙げるならば「内回りコース=外枠不利」が、過剰に意識されやすい多頭数のケース。外枠だけを理由に人気を落とすような実力馬がいれば、逆に「買い」ということになる。いずれにしても、枠順の内外による有利不利は少ないと考えたほうがいい。それよりも、舞台適性の有無を重視すべきだ。
◆枠順別成績(過去20年)
枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 2-1-7-18 | 7.1% | 10.7% | 35.7% | 55.4% | 167.1% |
2枠 | 1-2-2-25 | 3.3% | 10.0% | 16.7% | 43.7% | 46.0% |
3枠 | 3-2-2-25 | 9.4% | 15.6% | 21.9% | 39.1% | 77.8% |
4枠 | 0-6-1-26 | 0.0% | 18.2% | 21.2% | 0.0% | 43.0% |
5枠 | 2-5-2-28 | 5.4% | 18.9% | 24.3% | 51.6% | 97.6% |
6枠 | 5-0-0-35 | 12.5% | 12.5% | 12.5% | 153.0% | 35.8% |
7枠 | 0-3-2-36 | 0.0% | 7.3% | 12.2% | 0.0% | 35.4% |
8枠 | 7-1-4-32 | 15.9% | 18.2% | 27.3% | 216.4% | 105.9% |
【血統】
2008年以降の好走馬の父と母父を検証する限り、大きな偏りは見受けられない。従って、ここでは比較的好走率の高いディープインパクト産駒とステイゴールド産駒の傾向分析に特化する。まずは、ディープインパクト。1勝を含む3連対の成績は平凡そのものだが、注目すべきは牝馬の強さだ。トータル【1.1.4.6】という抜群の安定感を見せつけ、2013~2017年は5年連続で馬券に絡んだ。3着以内馬6頭のうち4頭は8番人気以下の伏兵で、破壊力も十分すぎるほど。該当馬すべてを押さえておいても損はない。続いてはステイゴールド。計5勝を挙げており、勝率だけなら断然の存在だが、勝ち星以外はすべて4着以下という、ピンかパーの極端な結果。安定度という点では見劣りすると言わざるを得ない。ただでさえ「グランプリ血統」と喧伝されがちで、妙味は年々薄くなってきている。ゆえに、人気のステイゴールド産駒から入るのであれば、1着固定の勝負に絞ったほうがいいだろう。
◆同コース種牡馬別成績(阪神競馬場/芝/2200m/過去5年)集計期間:2014/04/14~2019/04/14
位 | 種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ディープインパクト | 10-5-5-50 | 14.3% | 21.4% | 28.6% | 78.3% | 89.4% |
2 | キングカメハメハ | 8-5-7-41 | 13.1% | 21.3% | 32.8% | 135.7% | 76.4% |
3 | マンハッタンカフェ | 4-6-3-17 | 13.3% | 33.3% | 43.3% | 29.3% | 308.3% |
4 | ステイゴールド | 4-2-2-30 | 10.5% | 15.8% | 21.1% | 24.7% | 36.8% |
5 | シンボリクリスエス | 3-3-0-15 | 14.3% | 28.6% | 28.6% | 91.4% | 58.6% |
6 | ルーラーシップ | 2-2-3-10 | 11.8% | 23.5% | 41.2% | 58.8% | 97.6% |
7 | チチカステナンゴ | 2-2-1-9 | 14.3% | 28.6% | 35.7% | 152.9% | 144.3% |
8 | ネオユニヴァース | 2-2-0-7 | 18.2% | 36.4% | 36.4% | 69.1% | 64.5% |
9 | タニノギムレット | 2-1-0-10 | 15.4% | 23.1% | 23.1% | 63.8% | 31.5% |
10 | ジャングルポケット | 2-0-3-12 | 11.8% | 11.8% | 29.4% | 28.8% | 98.2% |
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