導師嵐山
第15回アンタレスS(25日、京都10R、GIII、4歳上オープン国際、別定、ダ1800メートル、1着本賞金3800万円=出走15頭)4番人気ダイシンオレンジが直線で力強く抜け出して完勝。前走のGIII平安Sは2着惜敗だったが、同じ舞台で重賞初勝利を手にした。タイム1分49秒7(良)。これで京都ダートは8戦4勝2着2回3着2回。強力メンバー相手に京都巧者ぶりを見せつけた。断然の1番人気トランセンドは4コーナー3番手から失速。8着に大敗した。 新緑の京都で末脚がサク裂した。ダイシンオレンジが2度目の挑戦で重賞初制覇。地道に力を蓄えてきた素質馬がいよいよ“完熟期”に入った。 「前走(平安S2着)は馬の力を信じてあげらず負けてしまったので、今回は信じて乗りました。本当にいい内容で、いい勝ち方をしてくれましたし、このメンバーでよく頑張ってくれました」 会心の勝利に川田将雅騎手が笑顔を浮かべる。3歳時から手綱を任され、これで全6勝をマークした名コンビ。ウォータクティクスで制した昨年に続く連覇に、川田の喜びもひとしおだ。 中団のインでじっくり待機。4コーナーでは人気のトランセンドとフサイチセブンを見る絶好のポジションだ。抜群の手応えで直線を向くと、一気に先行勢を飲み込んでラスト100メートルで先頭に立ち、ナニハトモアレの追撃を1馬身1/4封じた。 「昨秋からというわけでなく、2年前の未勝利戦から1戦ごとに力をつけてくれている。以前ほど競馬の疲れも残らないし、強い調教にもへこたれることもないからね」 庄野調教師も、着実に成長する愛馬の躍進に目を細める。次走は未定だが、賞金加算できたことで、交流競走を含め選択肢は広がった。前評判が高かった4歳勢を完封した力は本物。同期のダート王・エスポワールシチーの背中が見えてきた。(瀬戸聡)