松山騎乗で4番人気の
ロンドンプランが、出遅れながらも目の覚めるような末脚で差し切った。デビュー2連勝を飾り、新種牡馬
グレーターロンドンの産駒としても重賞初勝利を挙げた。2着に9番人気の
バレリーナ、3着に11番人気の
シルフィードレーヴが入り、1番人気の
プロトポロスは4着だった。
アクシデントをものともせず、圧巻のパフォーマンスで小倉のファンを魅了した。
ロンドンプランが大きく出遅れながらも、直線で矢のように伸びて差し切り。松山騎手は汗をぬぐいながら、冷静に切り出した。
「精神面の弱さがまだある馬ですけど、力があるのでそれを覆すようなしっかりとした末脚でした。非常に強かったなと思います」
発走前に左前の蹄鉄(ていてつ)が外れて打ち直し、ゲート内でも落ち着かずに飛び上がるようにスタート。道中は最後方でポツンと置かれる形になり、腹をくくって脚をためた。直線半ばでは進路がなくなる場面があったが、こじ開けるようにVロードを切り開く。メンバー最速の上がり3ハロン33秒1の豪脚で前を行く12頭をまとめて差し切った。父譲りの切れ味を発揮し、新種牡馬
グレーターロンドンの産駒での重賞初出走勝利だ。
Vに導いた松山騎手は今夏の小倉開催で22勝。2年連続で〝ナツコク〟リーディングに輝いた。3月の落馬負傷で約1カ月半休養したが、今年のJRA重賞6勝目はトップタイ。全開モードの鞍上は「(4日は10Rまで)未勝利だったので、しっかりメインは勝ちたいと思っていました。たくさんの関係者に恵まれて、感謝したいです。秋競馬も続くので、大きいレースでも頑張りたいです」と力を込めた。
松山騎手が「距離が延びても大丈夫だと思います」と語れば、宮本調教師も「意外な展開だったけど、しまいはいい脚を使ってくれました。スピード一辺倒というタイプじゃない。距離を延ばしていこうかと思います」と先を見据えた。粗削りながら、底知れないポテンシャルを感じさせた
ロンドンプラン。次走は未定ながら、実りの秋に向けて選択肢は広がった。(長田良三)
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ロンドンプラン 父
グレーターロンドン、母パッションローズ、母の父アフリート。鹿毛の牡2歳。栗東・
宮本博厩舎所属。北海道日高町・下河辺牧場の生産馬。馬主は下河辺隆行氏。戦績2戦2勝。獲得賞金3847万6000円。重賞は初勝利。
小倉2歳Sは
宮本博調教師が2008年デグラーティアに次いで2勝目、
松山弘平騎手は初勝利。馬名は「ロンドンの都市計画」。