伊吹雅也
くりーく
スガダイ
第45回京都大賞典(10日、京都11R、GII、3歳上オープン国際、別定、芝・外2400メートル、1着本賞金6500万円=出走10頭)好きです、京都! 池添謙一騎乗で2番人気のメイショウベルーガが、中団追走から直線で力強く伸びて快勝。京都コースはダートも含め全7勝中5勝目で、今春の日経新春杯以来の重賞2勝目を挙げた。2分25秒0(良)。今後は京都が舞台のエリザベス女王杯でGI初制覇を狙う。半馬身差2着が1番人気オウケンブルースリ、3着は4番人気プロヴィナージュと平穏な決着だった。 今春の日経新春杯を再現するかように、力強い末脚で突き抜けた。芦毛の牝馬メイショウベルーガが、強豪ライバルを一蹴。実りの秋へ向けて、大きく前進した。 「強かったですね。直線はしっかり伸びてくれました。このメンバーで結果を出せて良かったです」 牝馬の同レース制覇は、06年のスイープトウショウ以来。同馬の主戦も務めていた池添謙一騎手は、一線級の牡馬を撃破した内容を評価した。 ドリームフライトが前半5ハロン57秒7のペースで飛ばして単騎逃げ。ざわめく場内とは対照的に、鞍上は冷静だった。 「逃げ馬を見ても仕方ない。近くの馬を見ながら進めて行こう」 大きく離れた3番手集団の中団から、リズムよく追走。下り坂を利用して、徐々に前との差を縮めていく。直線はグイグイと脚を伸ばして先頭に立つと、最後は昨年の勝ち馬オウケンブルースリの追撃を振り切った。 「京都は(3、4角に)下り坂があるので、乗りやすいですね。末脚がしっかりしているし、きょうはズブさも見せなかった」とジョッキーは満足げに振り返る。京都コースはこれで5勝目(ダート1勝)。今春、重賞初制覇を飾った日経新春杯と同じ舞台で、2つ目のタイトルを手に入れた。 次走はエリザベス女王杯(11月14日、京都、GI、芝2200メートル)。牡馬相手にGII2勝の実績は、牝馬同士なら胸を張れる。「きょうはプラス体重(前走比10キロ増)だったし、まだ余裕があった」と池添兼雄調教師はさらなる上積みを見込む。父の管理馬で挑む池添騎手も「(父とのコンビで)GIを獲れたらいいですね」と意欲満々。堅実な末脚を武器と、父子の絆で、牝馬の頂点を目指す。(鈴木康之)