にしのけいご
シムーン
くりーく
第45回函館2歳ステークス(21日、函館11R、GIII、2歳オープン国際(特指)、馬齢、芝1200メートル、1着本賞金3000万円=出走16頭)丸山元気騎乗の1番人気クリスマスが、2番手から抜け出して完勝。デビューから連勝で、JRA2歳世代の最初の重賞ウイナーに輝いた。タイム1分9秒6(良)は、2009年ステラリード(札幌開催)のタイムを0秒1更新するレースレコード。2着にプラチナティアラ、3着にトーセンシルエットが入り、レース史上初となる牝馬が3着まで独占した。 真夏の函館に季節はずれの風が抜き抜けた。1番人気クリスマスが、直線入り口で先頭に並びかけるとそのまま独走V。デビュー戦を7馬身差のレコードで逃げ切った実力は本物だった。 「自信がありました。持ち味のスタートとスピード。それを生かす競馬をするだけだった」 一昨年5月の新潟大賞典(セイクリッドバレー)以来となるJRA重賞2勝目を挙げた丸山元気騎手が、パートナーをたたえて胸を張る。 レースは、内からテルミドールがハナを主張してきたため、鞍上は冷静に2番手の外へ。ライバルの手が動くのを尻目に馬なりで4コーナーを回ると、ゴーサインとともに一気にはじけた。2番手から上がり3ハロン最速タイの35秒8。後続はなすすべがなかった。 2007年12月の朝日杯FS(ゴスホークケン)以来の重賞Vとなった斎藤誠調教師は「(強さを)証明できましたね。体もフックラしていたし、控える競馬でもスピード能力を見せられました」と収穫を語る。 今年4月のJRAブリーズアップセール出身。か細い馬体だったが、調教の動きが森田謙一オーナーの目にとまり、367万5000円(税込み)で取引された。この日の馬体重は前走からプラス8キロながら426キロ。「どうしてこれだけのスピードが出せるのか」とトレーナーは驚く。父がバゴで母の父がステイゴールド。菊花賞馬を出している父同士の配合から、とてつもないスピード馬が生まれたこともまた血統の奥深さだ。 「クリスマスの時期に向けて。このおとなしさだったら距離も大丈夫でしょう」と指揮官。この後は休養に入り、阪神JF(12月8日、阪神、GI、芝1600メートル)が目標になる。 天才少女クリスマスが、冬にもたくさんのプレゼントを届けてくれそうだ。 (板津雄志)★21日函館11R「函館2歳S」の着順・払戻金はこちら