今週は夏の小倉競馬のラストを飾る小倉2歳Sが行われる。今村聖奈騎手とのコンビで、未勝利ながらフェニックス賞を制したミカッテヨンデイイが一気に重賞タイトル取りへ。ユニークな馬名とスーパールーキーの組み合わせでブレークは必至。今年開業した美浦の新人・堀内岳志調教師(48)と関東馬初の小倉2歳S制覇を狙う。
話題の人馬が小倉の夏を締めくくる。重賞1勝を含む32勝を挙げているルーキーの今村聖奈騎手と、一度聞いたら忘れない馬名のミカッテヨンデイイが小倉2歳Sに参戦。管理する堀内調教師も今年開業したばかりのルーキーだ。
「『金八先生』の中のセリフから取ったそうです。馬名候補のストックの中からこの子に合うものを選んだみたいです」
ユニークな馬名の由来を調教師は説明。未勝利馬で格上挑戦だった前走のフェニックス賞は、上がり3ハロン最速(33秒7)の末脚を繰り出して2馬身半差の完勝し、話題だけではない、確かな素質を見せつけた。
関東馬ながらデビュー前から小倉に滞在し、今回が4戦目。「気性が勝っていて滞在のほうがいいと思ったので、思い切ってずっと滞在できる小倉を選びました。環境に慣れて落ち着いてきています。ダメージも疲れもなくいい状態で向かえると思います。(描いていた)青写真以上ですね」と順調そのものだ。
今村騎手が一貫して手綱を取るのも心強い。鞍上には「すごく礼儀正しくて、頭のいい子。18歳とは思えないくらいしっかりしていますね。ジョッキー向きというか、強気なところもあるように感じました」とトレーナーも一目を置いているようで、「(馬と)合っている印象で、続けて乗ってもらえてありがたいです」とうなずく。
小倉の2歳戦ということもあり、勝てばレース史上初の関東馬V。厩舎にとっても重賞初制覇となる。「ミカッテヨンデイイのおかげで厩舎がまとまってきました。初勝利(延べ83頭目)に時間はかかりましたが、やってきたことが間違っていなかったと分かって、改めて頑張っていこうと一丸になっています。まずは無事にと思いますが、前走くらい走ってくれれば…。話題性に負けないように頑張ってほしい」。上昇気流に乗る人馬の走りが、晩夏の小倉を大いに盛り上げる。
◆馬名の由来 ミカッテヨンデイイは、ドラマ『3年B組金八先生』第8シリーズ(2007年10月~08年3月放映)の第3話で、草刈麻有演じる転校生・森月美香が、呼び捨てを嫌がっていた気持ちが変わり金八先生に言った「美香って呼んでいい」というセリフが由来となっている。馬主のニューマレコードは他にナムアミダブツも現役馬で所有。過去にはプリンニシテヤルノなど、ユニークな馬名が多い。
◆31日は名古屋で騎乗 今村騎手はフェニックス賞のミカッテヨンデイイの走りを「テンション面を陣営と相談しながら未勝利でやってきたことが結果として出てくれてよかったです。素晴らしいラストの脚を使ってくれました」と振り返った。追い切りには騎乗せず、31日は名古屋競馬で騎乗の予定。6Rの名古屋CCライム賞でオーシンアズキとコンビを組み、愛知の宮下瞳騎手、木之前葵騎手、JRAの永島まなみ騎手と女性騎手4人の競演が実現する。