ウマニティ重賞攻略チームが、毎週末の重賞をあらゆる切り口で考察!今回はスプリンターズS・馬場の有利不利、教えます! をお届けします!
土曜日の中山芝のレース結果、近年のスプリンターズSの結果をもとに、馬場や血統のバイアスを考察していきます。予想の際にお役立てください。
この中間は木曜日から金曜日にかけて105ミリの雨量を記録したが、土曜日の天気に恵まれたことや気温の上昇も重なり、開催直前の芝コースは重(JRA発表)まで回復。その後の乾きも早く、2R終了後に稍重(JRA発表)、7R終了後には良(JRA発表)へと推移した。
最終週ということもあって、コーナー部分および直線の内寄りに多少傷みが目につくようになってきたものの、それを除けばおおむね良好。スプリンターズSと同じ芝1200mで行われた10R・勝浦特別(2勝クラス)の決着タイムは1分8秒4と、開催終盤とすれば悪くない水準の時計が出ている。
土曜日施行の芝平地競走6鞍における勝ち馬の4角通過順位は3、2、1、5、2、3番手。これだけを見ると先行有利のように思えるが、前半3ハロンよりも後半3ハロンのほうが速い後傾ラップになるレースが多いため、展開面によるところが大きい。ゆえに全幅の信頼を寄せるまでには至らないだろう。
枠順についても同様で、一見すると内枠の好走が多いように映るが、1~3枠馬が1~3着を独占した5R・新馬戦(芝1600m)は前半3ハロンが37秒6のスローペース。1~4枠馬で掲示板内5頭を占めた10R・勝浦特別は前後半3ハロンが34秒3-34秒1の後傾ラップ。その点を踏まえると、過度の信頼は危険のように思える。
日曜日開催中の天気は晴れ。前日夜、ゲリラ的な豪雨に一時見舞われたこともあって、開催直前の芝コースは稍重(JRA発表)となっている。だが、日曜日朝におけるJRA測定のクッション値は9.3。土曜日早朝の測定値が8.3だから、前日よりも馬場は硬い方向に変化している。それゆえ、豪雨によるダメージは皆無に等しい。
開催中の降雨がなければ、早々に良へ回復し、土曜日の傾向を踏襲する可能性もある。その一方、馬場の乾きが進んで時計が速くなれば、内めに進路を取りたい馬が増えて、詰まるなどの不利を被るケースも多くなるはず。そのぶん、外めから内を見る形で運ぶ馬の優位性が増すことも考えられる。
たたでさえ、スプリンターズSは騎手心理や陣営の思惑が強く働きがちなG1競走。他のレースはともかく、少なくともメインレースに関しては、土曜日の傾向をそのままスライドするのは、得策ではないように思える。判断に悩ましいが、脚質や枠順に固執せず、構えを広くして柔軟に対応するのが正解ではないか。
血統的には中山競馬場の馬場改修後に施行された、2015年以降のスプリンターズSを参考にすると、良(JRA発表)で1分8秒台の勝ち時計だった、2015年と2020年は父サンデーサイレンス系が3着以内6頭中5頭を占める活躍。1分7秒台もしくは稍重(JRA発表)ながら1分8秒3で決着した、2016~2019年は父ミスプロ系が3着以内12頭のうち9頭を占めている。
つまり、高速決着が想定される場合は「父ミスプロ系優勢」、そうでなければ「父サンデーサイレンス系有利」と捉えることができる。従って、1分8秒0未満の決着が予想される今年は前者を高く評価してしかるべきだろう。そのなかでも、過去6年の3着以内全馬に共通する、前走G1出走馬または前走5着以内の馬に的を絞りたい。
今回の出走メンバーで要点を満たしているのは、⑤ファストフォース、⑭ダノンスマッシュ、⑯モズスーパーフレア。よって当欄では、この3頭を注目株として推奨する。
【馬場予想からの注目馬】
⑤ファストフォース ⑭ダノンスマッシュ ⑯モズスーパーフレア