22日の東京11Rで行われた
富士ステークス(GⅡ、芝1600メートル)は、1番人気で
藤岡佑介騎手(36)=栗東・フリー=とコンビを組んだ
セリフォスがゴール前で3頭の競り合いを制し、重賞3勝目を挙げた。2着は3番人気
ソウルラッシュ。3着に2番人気の
ダノンスコーピオンが入った。上位3頭はいずれも
マイルCS(11月20日、阪神、GⅠ、芝1600メートル)に向かう予定。
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大舞台へ夢が膨らむ快勝劇だ。3歳の実力派
セリフォスが
デイリー杯2歳S以来となる重賞3勝目をマーク。中団からメンバー最速の3ハロン33秒2の末脚を繰り出し、強豪
ソウルラッシュ、同世代のマイル王
ダノンスコーピオンをゴール前できっちり捕らえた。
「春から成長していましたし、以前より随分と落ち着いていました。ゴール前で甘くなるところがあるので、ギリギリまで追い出しを待つ作戦で。うまくいきました」
1番人気に応えた藤岡佑騎手は、ひと夏越しての成長を実感していた。馬体重の増減はなくとも、後肢に力がついて「返し馬の一歩目から良かった」と明かす。レースでも緩急がついた流れに対応し、直線で進路ができたときには「負けないだろうと思うくらい」の手応え。その言葉通り、ライバルと見定めた2頭をノーステッキで差し切った。
中内田調教師も「いい内容でしたね」と笑顔。今回は2、3着馬よりも負担重量が軽かったが、「次も同じ脚が使えれば本物だと思います」と、定量戦の
マイルCSを見据える。
これまでGⅠでは
安田記念4着など善戦止まりだが、「GⅠ馬になる資格はあると思います」と鞍上。スケールアップした今の
セリフォスなら、大きな壁を打ち破れそうだ。(板津雄志)
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セリフォス 父
ダイワメジャー、母シーフロント、母の父ルアーヴル。栗毛の牡3歳。栗東・
中内田充正厩舎所属。北海道安平町・追分ファームの生産馬。馬主は(株)G1レーシング。戦績7戦4勝。獲得賞金2億1213万6000円。重賞は2021年GⅢ
新潟2歳S、GⅡ
デイリー杯2歳Sに次いで3勝目。
富士Sは
中内田充正調教師、
藤岡佑介騎手ともに初勝利。馬名は「エーゲ海にある島名。母名より連想」。