伊吹雅也のPOG分析室
第9回 ワールド別上位者レビュー
早いもので、2023年も師走に突入しました。今週以降は12月10日の
阪神ジュベナイルフィリーズ(2歳G1・阪神芝1600m外)、12月17日の
朝日杯フューチュリティステークス(2歳G1・阪神芝1600m外)、12月28日の
ホープフルステークス(2歳G1・中山芝2000m内)と、2歳G1が立て続けに施行されます。当然ながら、この前後で「ウマニティPOG 2023」のランキングは大きく変動するはず。今シーズン最初の山場と言えるでしょう。
ちなみに、今後も入札は毎週行われますが、仮想オーナー募集枠の解放は今週12月4日が最後。主役級と目されているような実績馬や素質馬の獲得を目指すならば、現在行われている第28回入札にすべてを懸けるしかありません。ただし、あえて枠を空けておき、年明け以降に台頭してきた大物を狙うというのもひとつの手。今のうちにシーズン後半の立ち回りをイメージしておきたいところです。
今回は、12月3日終了時点における各ワールドの上位プレイヤーと、その指名馬をひと通りチェックしてみました。指名戦略の見直しを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
なお、2023年の、JRAの、2歳のレースにおける競走馬ごとの本賞金額(12月3日終了時点)トップ20は下記の通りとなっています。
【1位】
コラソンビート(ルシェルドールの2021) 6130万円
【2位】
シュトラウス(
ブルーメンブラットの2021) 5350万円
【3位】
ジャンタルマンタル(インディアマントゥアナの2021) 4520万円
【4位】
シンエンペラー(Starlet's Sisterの2021) 4020万円
【4位】
ゴンバデカーブース(アッフィラートの2021) 4020万円
【6位】
アスクワンタイム(ディープインアスクの2021) 3940万円
【6位】
セットアップ(スリーアローの2021) 3940万円
【8位】
ゼルトザーム(ロザリウムの2021) 3820万円
【8位】
アスコリピチェーノ(アスコルティの2021) 3820万円
【10位】
チェルヴィニア(
チェッキーノの2021) 3740万円
【11位】
ドナベティ(ドナルチアの2021) 3680万円
【12位】
ナナオ(バイザディンプルの2021) 3640万円
【13位】
カルチャーデイ(ラルティスタの2021) 3620万円
【14位】
オーキッドロマンス(エキナシアの2021) 3335万円
【15位】
シカゴスティング(マルチスクリーンの2021) 3060万円
【16位】
コスモディナー(コスモミールの2021) 2960万円
【16位】
エトヴプレ(Nahoodhの2021) 2660万円
【18位】
シリウスコルト(オールドフレイムの2021) 2630万円
【19位】
アマンテビアンコ(ユキチャンの2021) 2590万円
【20位】
ルシフェル(アルアリングスターの2021) 2540万円
複数の産駒がランクインしている種牡馬は、ヘニーヒューズと
ロードカナロア(各2頭)だけ。どちらの代表産駒も短距離やダートのレースを主戦場としている馬でしたから、来春のクラシック戦線を席巻しそうな種牡馬は今のところ見当たらない――と言って良いでしょう。
キングカメハメハや
ディープインパクトの直仔が完全にいなくなった分、指名馬選びの難度は急激に上がっている印象です。
1頭1オーナー制のスペシャルワールドでトップに立っているのは、3億2712万円を獲得している
バンコクの夜は熱い、昼も暑いさん。
ダノンエアズロック(モシーンの2021)が10月21日のアイビーステークス(2歳オープン・東京芝1800m)を、
シュトラウスが11月18日の東京スポーツ杯2歳ステークス(2歳G2・東京芝1800m)を制しました。この2頭はいずれも第1回入札で獲得に成功した馬。
シュトラウスは
朝日杯フューチュリティステークスでも人気を集めそうですし、今後もしばらくは首位争いの中心となるのではないでしょうか。
425万円差の2位につけているのは
中(ナカ)さん。こちらは
コラソンビートが11月4日の京王杯2歳ステークス(2歳G2・東京芝1400m)を、
チェルヴィニアが10月28日の
アルテミスステークス(2歳G3・東京芝1600m)を勝っています。ちなみに、
コラソンビートを獲得したのはデビュー戦後の第4回入札。そこから3連勝で重賞ウイナーの座に上り詰めたわけですから、お見事というほかありません。
G1ワールドは2億9318万円を獲得している
長澤まさみさんがトップ。出世頭は10月7日の
サウジアラビアロイヤルカップ(2歳G3・東京芝1600m)を制した
ゴンバデカーブースです。既に指名した20頭すべてがデビューを果たしており、うち13頭が勝ち上がっているという層の厚さも見逃せないところ。年末にかけてさらに獲得ポイントを伸ばしてきそうな印象を受けました。
G2ワールドは2億9067万円を獲得している
HALLさんがトップ。
コラソンビートを第1回入札で指名し、獲得賞金が1.5倍となる筆頭オーナーの立場を手に入れています。筆頭オーナーになれるのは、各ワールドで最初の仮想オーナーとなったプレイヤーであり、複数いる場合は落札額が高い順、それも同じ場合は入札時間が早い順で決定。優勝争いにおいては大きなアドバンテージとなりますから、チャンスがあったら積極的に狙っていきましょう。
G3ワールドは2億4873万円を獲得している
サイレントナイト翔さんがトップ。こちらも筆頭オーナーである
ジャンタルマンタルが11月11日のデイリー杯2歳ステークス(2歳G2・京都芝1600m外)を制しました。第2回以降もこまめに入札を続け、少しずつ指名馬のラインナップを増やしている点も特徴的。最終的な結果が楽しみです。
オープンワールドは1億8883万円を獲得している
ゴッドキングさんがトップ。筆頭オーナーとなった
イーグルノワール(
アルティマブラッドの2021)は11月22日の
兵庫ジュニアグランプリ(2歳Jpn2・園田ダ1400m)を勝っています。さまざまなパターンで獲得ポイントを伸ばしたプレイヤーが各ワールドの首位に君臨していることからも、今シーズンの序盤はやや波乱の展開だったと言えそう。まだ多くのプレイヤーに優勝の目が残っていると見て良いのではないでしょうか。
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、競馬評論家。JRAホームページ内『今週の注目レース』において「データ分析」のコーナーを担当しているほか、JRAのレーシングプログラム、TCKホームページ、グリーンチャンネル、ニコニコチャンネルなどさまざまなメディアを舞台に活動している。近著に
『ウルトラ回収率 2023-2024』(ガイドワークス)、
『WIN5攻略全書 回収率150%超! "ミスターWIN5"のマインドセット』(ガイドワークス)など。2023年03月28日には最新刊
『血統&ジョッキー偏差値2023-2024 ~儲かる種牡馬・騎手ランキング~』(ガイドワークス)をリリース。