美浦の高橋義博調教師(69)が20日付で勇退したのを受け、きょう21日から伊坂重信調教師(43)が、新たに厩舎を開業する。
当初は来年3月の予定だったが、引き継ぎの関係で前倒しとなり、夏場でしかもコロナ禍という異例の状況下でのスタート。「毎日、ホームセンターで厩舎の備品を買い足ししています」と開業準備に追われつつ、「人の輪を大事にして、携わる人間みんなが幸せになれる厩舎を目指したい」と抱負を語る。
調教助手時代には、美浦・久保田貴士厩舎で2015年エリザベス女王杯、翌16年の宝塚記念を制したマリアライトを担当。調教師試験の勉強と並行しながらの日々だったが、見事にGI2勝馬へと大成させた。「最初の頃は全然カイバを食べてくれなくて、一番、手がかかった馬かもしれません」と振り返る。
初陣は、日曜新潟10R阿賀野川特別(2勝、芝2200メートル)のロゼフェニックス。これまでの経験を糧に、まずは1勝を目指す。 (内海裕介)
■伊坂重信(いさか・しげのぶ) 1977(昭和52)年1月1日生まれ、43歳。北海道出身。2002年JRA競馬学校厩務員課程に入学。翌03年から美浦・中尾銑治厩舎で厩務員に。その後、伊藤正徳、久保田貴士、大和田成厩舎で調教助手を務め、昨年12月、9回目の受験で調教師試験に合格した。