グリーンセンスセラさんの競馬日記

ミスエルテの朝日杯

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異例の決断はやはり「使い分け」なのか......怪物の娘ミスエルテの朝日杯フューチュリティS(G1)参戦の裏側に見え隠れする「大人の事情」━ Gambling Journal ギャンブルジャーナル/2016年11月19日 10時30分00秒
http://biz-journal.jp/gj/2016/11/post_1849.html

 G1競走10戦を含む、14戦無敗を誇った英国の怪物フランケルの初年度産駒として大きな注目を集めているミスエルテ(牝2歳、栗東・池江泰寿厩舎)が、今年の目標として朝日杯フューチュリティS(G1)に参戦することがわかった。

 すでに5日のファンタジーS(G3)を単勝1.4倍の圧倒的な人気で制して、デビュー2戦2勝としていた同馬。本来であれば、目標は12月11日に開催される2歳牝馬限定戦の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)に定められることが普通だが、あえて1週後の牡馬混合戦に挑むこととなった。

 このニュースが大きく取り扱われているのは、ミスエルテがこれまで「世代No.1」と評されるような圧倒的なパフォーマンスを見せているからに他ならない。

 特に前走のファンタジーSの最後の直線で見せた豪快な末脚は、出走メンバーの中では完全に頭一つ以上抜けた驚異的なものだった。ほぼ強めに追われることなく、後方10番手から上がり最速となる33.6秒の末脚で差し切った内容は、底知れぬスケールを感じさせている。

 ただ、それでもあえて朝日杯FSに参戦するメリットはあまりない。

 以前は朝日杯FSが関東の中山で行なわれていたため、阪神JFとはコ-ス的な違いがあった。しかし、一昨年からどちらも阪神の外回りコースで行われるようになり、今やその差は性別と、わずか500万円の賞金の差だけだ。

 オーナーのサンデーレーシングによると、ファンタジーS後の馬体の回復に時間を要しているため、阪神JFに間に合わないとされている。

 管理する池江泰寿調教師もサンデーレーシングのHPを通じて「牡馬が相手となるものの、能力的にけっして見劣らないと思います」とコメントを発表。史上初の快挙に自信を見せているようだ。

 だが、一方でそのリスクは決して低くはない。阪神JFが今の2歳牝馬限定戦として開催されるようになった1991年以降、あえて朝日杯FSで牡馬の壁に挑戦した牝馬はわずか3頭ながら、いずれも着外。

 特に2013年のベルカントは、本馬と同じくファンタジーS を制して3番人気に支持されたが、10着に大敗している。無論、馬の状態が間に合わないのであれば仕方がないが、来年1月8日には牝馬限定戦のフェアリーS(G3)が開催されるように、慎重を期すならば朝日杯FS以外の選択肢もあったはずなのだが......。

「この決断は、サンデーレーシング内での『使い分け』の可能性は否めませんね。今回の決定がサンデーレーシングと池江調教師とで協議されたことはもちろんですが、先週のデイリー杯2歳S(G2)を同じサンデーレーシング所有の2歳牝馬ジューヌエコールが勝ちました。

 これにより、このままだと阪神JFはジューヌエコールとミスエルテが人気を分け合う形になります。無論、"ワン・ツー"でも構いませんが『ならば、翌週の朝日杯もいただきましょう』と考えたのではないでしょうか。今のところ牡馬は小粒な印象がありますし、サンデーレーシング所有馬の目立った参戦もありません。

 表向きはノーザンファームしがらきへ短期放牧中に馬体の回復に時間を要しているとありますが、ノーザンファームしがらきとサンデーレーシングは同じ社台グループ。乱暴な言い方をすれば、何とでも言える状況にあるわけです」(競馬記者)

 今や日本の競馬界を牛耳っていると述べても何ら過言ではない社台グループは、数多くの有力馬を抱えているため"ブッキング"を避ける使い分けは常套手段になりつつある。特にサンデーレーシングは会員制の一口馬主でオーナーが構成されるため、優先されるのは「如何に効率的に稼げるか」ということになる。

 無論、こういったことが表に出ることはないが、今回のミスエルテの朝日杯FS参戦の背景にも、そんな"大人の事情"が複雑に絡み合っている可能性はあるというわけだ。

 果たして、怪物フランケルの娘は史上初の快挙をやってのけるのか。陣営の異例の決断がどういった結果を招くのか、非常に注目されるところだ。

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