山崎エリカさんの競馬日記

本日の見所(日曜日)

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2015年 プロキオンS、七夕賞
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●プロキオンS

近年のダート重賞路線は、低迷期にあります。ダートのG1クラスになると、勝ち馬のPP指数は-40を越えてくることもあるというのに、そのレベルの数字を見たのはニホンピロアワーズが勝った2012年のJCダートが最後。そのニホンピロアワーズが急激気味に衰えて、頂点に立ったのがそのJCダートでニホンピロアワーズに完璧に潰されたホッコータルマエであり、次点の馬もそれほど差がないレベルにありながら、なかなか交わせないでいる状況です。

また、戦国時代を戦い抜いた9歳馬ワンダーアキュートも確実に衰えているというのに、次世代を担わなければならないはずのベストウォーリアがかしわ記念でワンダーアキュートに敗れてしまう現状。8歳馬のアドマイヤロイヤルも、年を重ねて現在の一線級と戦えていることからも推測されるように、これは層が厚くレベルが高いと言われた代表コパノリッキー5歳世代が、大きな成長を見せられずにいることを意味するものです。

昨年のこのレースの勝ち馬ベストウォーリアは、ここで能力値ナンバーであることは間違いありません。(最高値ナンバー1はグレープブランデー) しかし、 次点の馬との能力差は、PP指数的にもピン差。トップハンデ59㎏が嫌われてか、意外と人気がありませんが、ベストウォーリアが負けるのであれば、大方が望むように未来ある4歳馬に勝ってもらいたいところです。確かにコーリンベリーもレッドアルヴィスも、ベストウォーリアとは小差で、PP指数の赤色ラインに載ってきてはいます。

しかし、コーリンベリーは、これまでの逃げ戦法から控える競馬をしたコーラルSで圧勝したのが個人的には不安材料。逃げてもまあまあ走りますが、よりベストは先行すること。逃げの形ならオーバーペースよりも、昨年暮れのファイナルSのように、一旦脚を貯めての再加速に持ち込みたいところですが、ダ1400mの重賞のメンバーともなると、なかなかそういう逃げが打てないもの。逃げてペースが速くなり過ぎたときの課題はあるでしょう。先行策ならいい線までこれそうですが、出遅れなければ逃げるのはこの馬と思われ、そのあたりが思案のしどころです。

もう1頭の4歳馬レッドアルヴィスも、3歳時のユニコーンSはレベルがそれほど高くない上に、後続を捻じ伏せたというよりは、後続不発で勝たせてもらったという感じでしたが、その後、その実績に恥じないように力をつけました。休養明けの前走・欅Sでは、厳しい流れを正攻法で後続を突き放す強い内容で、更なる成長力を証明しました。しかし、休養明けで高いパフォーマンスを叩き出すこと(高指数をマークすること)は、非常に二走ボケを起しやすくなります。頭打ちの古馬ならば、バツのローテーションでもありますが、若い馬は疲労回復が早いし、成長力もあるので、アッサリ突破してくる場合も少なくありません。

また、6歳のワイルドバッハやエアハリファは、本質的にこの距離は短いので、前崩れという展開の助けが欲しいところ。対して高齢の有力馬は、距離に融通が利くし、衰えながらも現在のトップクラスとの大きな能力差はないので、当然、穴中の穴は高齢馬ということになるでしょう。競走馬は本来、年齢とともにズブくなることを考慮して、長い距離を使われていくものですが、中距離路線からメンバー質の下がる短距離路線にシフトして再び返り咲けるというのは興行としては問題ありですが、馬券としては魅力です。当然、今回も高齢馬をヒモには加えたいし、今回ダメでも追走が楽な展開になったときに、ハマる可能性が高いので、気になる高齢馬はこっそり馬券に加えることをオススメします!


●七夕賞

夕賞が行われる福島芝2000mは、1コーナーまでの距離が約500mと長く、更にテンから2度の坂を下るために、福島芝1800mよりもテンが速くなることが多いです。当然、逃げ、先行馬が不利なコース形態と言えるでしょう。しかし、七夕賞に出走してくる逃げ、先行馬と言えば、前記を意識したスタミナ自慢(悪く表現すれば「切れ不足」)」の馬ばかり。一昨年もマイネルラクリマが先行策からの早仕掛け、ロングスパートでこのレースを勝ちましたし、昨年はメイショウナルトが緩みないペースでの逃げ切りを決めました。2レースともに雨の影響でけっこう時計が掛かっていたのに・・・です!

確かに展開上は今回1番人気に支持されている差し馬レコンダイトのほうが向くのですが、前走芝2500m戦を後方から競馬をした、ちょっぴりステイヤータイプが、実質芝1800mのテンの速力を要求されると、序盤の追走で無理をして末脚不発に繋がるケースも少なくありません。

特にレコンダイトの場合は、先行して終いが甘くなり、脚を貯めてキレを生かす形で上級条件を突破してきた馬なので、基本的には速い流れは向かないように感じます。これまで前走芝2500m以上組から、ここも突破してきた馬というのは、ミヤビランべリのような先行タイプが多いだけに過信は禁物でしょう。今回もトウケイヘイローの逃げで、緩みないペースになるのは承知の上で、そういうペースでも粘れる先行馬を本命にしたいです。

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