藤沢雄二さんの競馬日記

15時40分の憂鬱~ジャパンC観戦記・前編~

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日曜日のジャパンC。
東京競馬場に着いたのは、ちょうど京都の11Rがゴールした頃。
正門を抜けて、そそくさと物販のテントへ急ぐ。ボールペンだけでも残っていれば…ぐらいにしか思っていなかったのだが、ラブリーデイのTシャツが売っていたので迷わずに購入。そこからスタンドの4階の穴場に向けてダッシュ。パドック脇~1Fエリアはさすがに混んでいるのだが、スタンドを駆け上がりさえすれば、ダービーでも締切直前でもなんとかなるくらいだから、多少はマークカードを見直す余裕はある。

4階に着いて客席を見ると、ラブリーデイのTシャツを早速来ている人がいた。いつからのファンなのか、それともただのミーハーなのかわからないが、3シーズン前のPOGで指名して新馬戦から見守ってきている自分としては、ラブリーデイが物販の対象になるぐらいにまで出世したことの嬉しさと、自分の領域を侵犯されたような寂しさとが入り雑じった感じであった。

関東のGⅠのファンファーレが演奏されて、すっかりお馴染みになった手拍子と、いつから加わったのかわからない合いの手でそれなりの盛り上がり。
自分は“スカした”タイプなので、ファンファーレの時の手拍子を
「馬が驚いたらどうすんだ、この素人達め」
なんて不快に思っていた時期があったのだが、それこそまだ外国馬が強い時代のジャパンCの取材に来たヨーロッパの記者さん達が
「盛り上がっていていいね」
的なことをインタビューで答えていたのを見て、向こうの人がいいと言うのなら…とそこまでに目くじらを立てることもなくなった。
ただ、年々、関東のファンファーレの手拍子が揃わなくなってきているように感じていて、揃える気がないのなら止めちまえ!という気持ちはある。

というのも、私は浦和レッズのサポーターであるのだが、去年の3月に人種差別的な横断幕が掲示されたという件で応援に規制がかかったことがあった。
とにかく旗や鳴り物、ユニフォーム以外の装飾品まで持ち込み禁止で、声と手拍子のみしか“武器”を持てなかったのが、その事件の直後の時期。
で、自分はその規制の最初の試合の神戸とのアウェイでの試合に行ったのだが、横幅30mぐらいの浦和側応援席での声がなかなか揃わなかったのよね。
いきなりコールリーダーもいなくなった(責任を取らされて入場禁止になったので)ことで、何を拠り所にしていいのかわからない。
野球と違ってサッカーは流れの中で攻守が入れ替わるから、チャンスの時のチャント(=応援歌)がいいのか、劣勢の時のチャントがいいのかとかの判断もあるわけで…。
で、自然発生的に出てきたチャントにみんなが合わせようとするわけですよ。もちろんリハーサルや打ち合わせなど一切なし。

その後、ホームの埼玉スタジアムでの試合でも、なるべくサポーターが声を合わせるように努めてはいたのだけど、ホームだとスタジアムのほぼ全域がレッズのサポーターになるわけで、スタンドの両サイドともなると100mから離れているので、なかなか声を揃えるのが難しかったのですね。

だから広い東京競馬場で、それこそ1コーナーの府中本町からの通路に直結している入場門近くの石畳にいるファンと、4コーナー寄りの芝生のエリアで声を合わせにくいという理屈はわからないでもない。
だが、GⅠのファンファーレなんて20年から変わってないのだし、年に1回しかないものでもない。
初めて競馬場でGⅠを見る人もいるかもしれないけど、ある程度は耳に覚えのあるメロディーだとは思うし、それに尺にしても15~20秒ぐらいだろうか。
映像的にもスターターがスタンドカーに歩き出して、生演奏であればウィナーズサークルにいる演奏団が映ってファンファーレって流れもほぼルーティンじゃないか。
なので、その気になれば十分に手拍子を合わせることは出来ると思うんですよ。別に、どれだけ有名な演奏者だか知らないけど、ほとんどマスターベーションのようなソロパートが挿し込まれるわけでもないのだから。

どうせスタンドの大多数が手拍子をするなら、出来るだけ揃えた方がいいと思う。それが出来ない、あるいは単に騒ぎたいだけならば、GⅠの日は一般席でもネクタイ着用、あるいは最低限襟のあるシャツを着るといったドレスコードがあってもいいと思うけど。

以下、後編へ…。

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