グリーンセンスセラさんの競馬日記

7 ディープインパクト産駒の「進化」

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今年の競馬に見たディープインパクト産駒の「進化」 数々の弱点克服の裏に「人」と「馬」が織り成す『人馬一体』の理念が─Gambling Journal ギャンブルジャーナル/2016.07.19
http://biz-journal.jp/gj/2016/07/post_872.html

 日本を代表する種牡馬が、いよいよ偉大なる父と同じ"完全無欠の領域"に達しつつあるのか。
 先週11、12日の2日間にわたって開催されたセレクトセール2016。落札価格が1億円を上回った14頭の内、実に10頭が現在の日本競馬の中核を成しているディープインパクト産駒だった。
 そういった事実からも、今の競馬は「ディープ産駒か、そうでないか」と述べても過言ではないほど、ディープインパクト産駒が幅を利かせている。この圧倒的な支配力は、ディープインパクトの父である大種牡馬サンデーサイレンスを彷彿とさせるものだ。
 だが、これまでの種牡馬ディープインパクトが、かつて日本競馬に革命を起こしたサンデーサイレンスの域に達しているかと比較すると「そうでもない」という印象がある。
 無論、ディープインパクトが数字的にサンデーサイレンスを上回っているデータは多々あり、あくまで印象の問題だ。だが、ディープインパクト産駒の名馬は、父から圧倒的なスピードと瞬発力を受け継いでいる反面、ややパワーに劣る印象があるのだ。
 実際に、父ディープインパクトも三冠の中で最も苦戦したのが、最後のゴール前に急坂がある中山コースの皐月賞(G1)であり、国内唯一の土を付けられたのも中山の有馬記念(G1)。
 産駒も父の傾向を受け継いでいるのか、データ的には雨や急坂といったパワーを要する状況で軒並みパフォーマンスを落としている。おそらくそういった点が、これといった弱点が見当たらなかった完全無欠の種牡馬サンデーサイレンスに劣る印象を受ける点なのだろう。
 しかし、ここ1、2年のディープインパクト産駒は、明らかに「これまでとは異なる傾向」が出ている。

次のページ▶▶▶ 皐月賞、宝塚記念を克服?

 例えば、これまで【0.2.1.10】と「ディープインパクト産駒の苦戦データ」がはっきりとしていた皐月賞は、その典型だろう。
 先述した通りディープインパクト自身も苦手とした中山コースだったが、ご存知の通り、今年4月の皐月賞はディープインパクト産駒のワン・ツー・スリーと馬券圏内を独占。"苦手"克服どころか、完全に手の内に入れたとさえ思える圧巻の結果だった。
 もちろん、これだけではない。それから約1カ月後、今度はフランスのイスパーン賞(G1)で父が苦戦した欧州の馬場、それも雨が降ってさらにパワー要する状況で産駒のエイシンヒカリが、レーティングで世界一に評価される異次元のパフォーマンスで圧勝。
 さらには春競馬を締めくくる宝塚記念(G1)もこれまでディープインパクト産駒が勝利したことはなかったが、昨年に2、3着すると、今年はマリアライトが強豪を押し退けて勝利。このレースも雨の影響で稍重と、いつも以上にパワーを要する馬場だった。
 これまでのディープインパクトは鋭い切れを身上とする分、雨や急坂といったパワーを要する条件に脆い。これは以前までの確かな「結果」の蓄積であり、データ派にとって有用な馬券戦術の一つだったはずだ。
 しかし、この夏競馬になっても、ディープインパクト産駒の"進化"の傾向は止まらない。今度は【0.2.0.6】と、これまたディープ産駒と縁のなかった七夕賞(G3)でワン・ツーを決めると、苦手だった先週の函館記念(G3)でも2頭しかいなかったディープ産駒の内、13番人気のケイティープライドがあっさりと2着を確保。大波乱の立役者となっている。
 ここまで結果が出ると、もうディープインパクト産駒の弱点といわれていた「パワーのなさ」を気にする必要はないのかもしれない。それにしても何故、ここにきて大きな進化を遂げることができたのだろうか。
 どうやら、その答えは「馬」ではなく「人」にあるようだ。

次のページ▶▶▶ 「人」がディープ産駒を「つかんだ」

「2010年にディープインパクト初年度産駒が走り始めてから今年で6年。日々研磨を重ねている生産者の方々も、ようやくディープインパクト産駒の傾向を把握し、馴致の仕方を確立しつつあるようです。簡単に言えば、幼少期からパワーを付けるために普段より坂路を増やしたり、ディープインパクト産駒という"一つの傾向"に沿ったベストの調整方法が見つかったということでしょう。また、それは生産側だけでなく各調教師にもディープインパクト産駒の扱い方といった面では、数年前よりも明らかに進化の跡が見られます。いつ頃、牧場から降ろせばいいのか、どういった調整が合うのか、どのようなレースに使うのが最も適しているのか。そういった指針が明確化されつつあるようです」(競馬記者)
 つまり、ここにきてのディープインパクト産駒の"進化"は、血統など馬質はもちろん、それ以上に競馬へ携わる人間がディープインパクト産駒の扱い方を確立したということなのだろう。
 競馬ではよく騎手と競走馬で「人馬一体」という言葉が用いられるが、競馬に関わる人々が馬によって進化することもまた「人馬一体」といえるのかもしれない。


あれからもうはや10年になるが、ディープインパクトみたいな超最強馬はまだ出現してないな~。

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