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日刊スポーツより。
69歳の誕生日を迎えた今も米国アリゾナ州の州都フェニックスで現役を続けている日本人ジョッキーが、全米騎手組合が選ぶ名誉ある「ジョッキーオブザウィーク」に選ばれました。
大阪出身で10代で米国に渡った加藤昭文騎手です。1月7日の誕生日に現在の主戦場であるターフパラダイス競馬場で勝ち星を挙げて、これで米国でライセンスを得てから50年間連続して勝ち星(1勝以上)を挙げる大記録を樹立しました。
加藤騎手は誕生日までに1万9983回騎乗して、2034勝。通算獲得賞金は630万ドル(約6億6150万円)に達しています。
徒手空拳で米国に渡った加藤騎手は、言葉の壁や人種的な偏見に苦しみながらもひとつずつチャンスをものにしてきました。1972年に北カリフォルニアで最初の勝ち星を飾って地区の見習騎手チャンピオンとなるや、キャリアアップを求めてワシントン州に移動。プレイフェア競馬場をメイントラックにして活躍、この競馬場だけで1100勝以上を挙げています。
騎手だけで食べていけない時期には日本から馬具を輸入して騎手仲間に売ってしのぎ、40代半ばには、その相馬眼を生かしてエージェント業も兼業。1992年のジャパンCで1番人気になった名牝ユーザーフレンドリーが引退後に上場された繁殖牝馬セールでは、日本の中村和夫氏の依頼を受けて同馬を250万ドル(当時の交換レートで約2億円)で落札しました。
騎手を辞めなかったのは「家族や周りの仲間に喜んでもらうことが好き、馬に乗ることが好きだったから」。
現在は調教師となった娘のケイリン・カトーの管理馬への騎乗が中心で、バースデー勝利となったシーズアレディーグリズも娘の調教馬でした。
米国騎手の最高齢勝利記録は75歳まで休み休み現役を続けたフランク・アモント騎手が69歳11カ月の時に挙げたものとされています。
【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)
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