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【訃報】ゴールドアリュール死す。偉大なるダート王の「弔い」を懸け頂上決戦に挑むゴールドドリームとコパノリッキーに訪れた「神の御業」とは━Gambling Journal ギャンブルジャーナル/2017年02月18日 21時00分00秒 http://biz-journal.jp/gj/2017/02/post_2624.html
18日の京都4Rで13番人気の低評価を覆して勝ったアスターゴールドは、何かを感じ取っていたのかもしれない。いや、もしかしたら偉大なる父に背中を押されたのかもしれない。
奇しくも自身が制したダートの頂上決戦フェブラリーS(G1)が明日に控えた18日、日本最高のダート種牡馬ゴールドアリュールが、心臓疾患によりこの世を去った。
繁殖シーズンへ今年もすでに5頭の種付けを済ませており、サンデーサイレンス系を代表するダート種牡馬として確かな存在感を放っていたゴールドアリュール。
繋養先の社台スタリオンステーションの三輪圭祐氏はJRAのHPを通じて「種牡馬らしい我の強い性格でプライドも高く、現在、当牧場の柱となっているスタッフたちが若い頃には、苦労しながら種牡馬の扱い方をこの馬から学んだようです。そういう意味で人を育ててくれた馬でもありました。ご冥福をお祈りいたします」とコメントを発表している。
今や交流重賞で圧倒的な実績を誇っている主戦の武豊騎手に、初めて大井競馬場の重賞の勝ち方をレクチャーしたジャパンダートダービー(G1)を始め、史上唯一中山で行なわれたフェブラリーS(G1)を制するなど印象的なレースを彩ったゴールドアリュール。
G1通算4勝を上げ国内で無敵を誇っていた頃、本来であればその強さを世界に知らしめる立場にあったが、イラク戦争の勃発によりドバイワールドカップ(G1)挑戦を断念せざるを得なかった悲運の名馬でもある。
また、種牡馬入りしてからも2005年にスマートファルコンとエスポワールシチー、オーロマイスターという3頭のG1馬を同世代に輩出するなど、その驚異的な能力を惜しみなく産駒に伝えた名種牡馬だった。
その輝きは今なお失われず、19日のフェブラリーSにもゴールドドリームとコパノリッキーの2頭が出走。さらに今年の3歳馬にも「10年に1頭の逸材」と噂される大物エピカリスが同日のヒヤシンスSで、キタサンブラックの妹として大きな注目を浴びているテーオーメーテルもデビュー戦が控えており、亡き父の"弔い"を懸けて走ることとなった。
往々にして様々な「奇跡的な偶然」が起こるのが競馬だが、明日のフェブラリーSにスタンバイするゴールドドリームとコパノリッキーの2頭は共に「黒帽」の2枠で登場する。
何たる偶然、これも競馬の神様の導きなのか......その姿はまるで父の死を嘆く「喪章」のようにも感じられる。
競馬には「死んだ種牡馬の仔は走る」という格言があるが、近年でも2011年4月にサクラバクシンオーが亡くなった際、その数日後のNHKマイルC(G1)をグランプリボスが制覇している。
今回、突如として偉大なる父ゴールドアリュールを弔うこととなった産駒たちは、結果を残すことができるのだろうか。
いつもは己の利益ばかりに注視して馬券を握りしめている筆者だが、今回ばかりは草葉の陰から見守る父の期待に応えようとする子供たちを応援してみたい。
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