グリーンセンスセラさんの競馬日記

イラプト侮ることなかれ

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ジャパンC(G1)は外国馬イラプトを侮ることなかれ「ディーマジェスティと互角」と判断した英大手ブックメーカーが見せる「不気味な動き」とは━Gambling Journal ギャンブルジャーナル/ 2016年11月22日 9時48分


 27日に東京競馬場で開催される国内最大の国際レースとなるジャパンC(G1、芝2400m)。

 今年は天皇賞馬キタサンブラックや有馬記念馬ゴールドアクター、皐月賞馬ディーマジェスティなど、特に豪華なメンバーが顔を揃えたため"添え物"のように、わずか3頭だけ出走してくる外国馬に対しては早くも「眼中になし」という声も聞かれる。

 それも、そのはずだ。前回、外国馬がジャパンCの馬券に絡んだのは、10年前のウィジャボードの3着が最後。馬券とは関係のない4着でさえ、ここ10年で2009年のコンデュイットしか入線していない。

 それもコンデュイットは同年のキングジョージ6世&QES(G1)とブリーダーズCターフ(G1)の勝ち馬であり、ウィジャボードも同年のブリーダーズCフィリー&メアターフ(G1)を勝つなど「世界屈指の女傑」といわれていた。

 ちなみに両者の人気はともに3番人気であり、ホームの日本の競馬ファンも認める「世界的な強豪馬」でなければ、善戦さえ難しい状況である。

 そんな中でも、昨年のイラプト(仏・F.グラファール厩舎)のジャパンC・6着という実績は間違いなく「善戦」といえるのではないだろうか。

 それも昨年のジャパンCで、むしろイラプトは不完全燃焼だった。

 道中5番手の好位を進んでいたイラプトだったが、第4コーナーから直線入り口の勝負所で、すぐ前を走っていたイトウが早々に"逆噴射"。馬群が凝縮している中で身動きが取れなかった同馬は、それに巻き込まれて大きくポジションを落とすと、内に殺到してきたライバルたちにあっという間に馬群の壁を作られてしまった。

 ただ、イラプトはそこで終わらなかった。最後の直線で馬群を縫いながらしぶとく脚を伸ばした6着は、勝ったショウナンパンドラと0.3秒差しかない。実は、これは0.4秒差だったコンデュイットとウィジャボードを超える近年最高の「惜しい結果」である。

 あれから1年。今年はエイシンヒカリが勝ったイスパーン賞(G1)で最下位になるなど散々なスタートだった。だが、こと「2400m戦」に限ってはキングジョージ6世&QESこそ5着に敗れたが、サンクルー大賞(G1)で2着、カナディアン国際S(G1)で1着としっかりと結果を残している。

 その中でも特筆すべきが、前走のカナディアン国際Sだ。

 1馬身差の2着に退けたダートマスは、今年のキングジョージ6世&QESの3着馬という強豪。アントニ・ダヴィ調教助手の「昨年より力をつけているので楽しみ」という言葉もまんざらではなさそうだ。

「重い芝に遅い時計が主流のフランス調教馬だけに、日本の馬場に対応できるのかが最大の課題でしたが、昨年のジャパンCの内容で一気に評価を高めています。

 今年は日本馬がタレント揃いなだけに外国馬は"蚊帳の外"のような状態ですが、何よりも気になるのが週末の雨予報。ジャパンC当日も雨が予測されていますし、馬場が重くなって時計が掛かれば、イラプトにとって大きな追い風になることは間違いないでしょう」(競馬記者)

 さらにもう一つ気になるのが世界主要ブックメーカーの内、イギリスの大手ウィリアムヒルの「不気味な動き」だ。

 冒頭で触れた通り、今年のジャパンCにおける外国馬は完全に「お客さん」。オッズ的にも日本はもちろん、海外の多くのブックメーカーもその扱いは変わらない。

 日本の『netkeiba.com』の予想オッズで、イラプトは95.8倍の10番人気。さすがにそこまで大穴になるかは定かではないが、欧州を中心とした他のブックメーカーでも、だいたい25~30倍程度の穴馬扱いを受けている。

 ところが、英ウィリアムヒルだけはイラプトのオッズを10倍という人気サイドに設定。これはレインボーライン(13倍)やルージュバック(15倍)以上の評価であり、シュヴァルグラン(8倍)やディーマジェスティ(8.5倍)に次ぐ人気となる。

「昨年の英プレミアリーグで岡崎慎司選手所属のレスターが優勝した際、大手ブックメーカー3社だけでも払い戻しに約12億円の損失があったように、ブックメーカーは大きなオッズを付けた"穴"が勝ってしまうと損をする仕組みになっています。

 つまり、本来穴馬の一頭に過ぎないイラプトの設定オッズをあえて下げたということは、ウィリアムヒルは本馬がジャパンCで好走する『何らかの根拠』を把握している可能性が高いということです」(同)

 イギリスの大手ウィリアムヒル社は、日本でも最も有名なブックメーカーの一つであり、世界的な評価も極めて高い老舗だ。それだけに、欧州馬における情報網は日本のマスメディアよりも遥かに精通していて当然だろう。

 そんなウィリアムヒル社が、皐月賞馬のディーマジェスティとほぼ同等の評価を与えたイラプト。昨年のリベンジを果たせるだけの条件も揃っており、今年は久々に外国馬の強いところが見られるのかもしれない。

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