グリーンセンスセラさんの競馬日記

ディープインパクト産駒の七転八倒の馬生

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ディープインパクトの血を持つ「遅生まれの強豪」がフランスで種牡馬入り。その七転八倒の馬生━Gambling Journal ギャンブルジャーナル /2017年01月05日 17時00分00秒 http://biz-journal.jp/gj/2017/01/post_2237.html

さまざまな人の手で血統を操作され誕生するサラブレッドは、ある意味人間が作り出した"芸術"と言っても過言でもないかもしれない。ターフ上で勝利を上げるためには血統がすべてではないことは誰しもが承知の上だが、それでも受け継がれた"血脈"でその評価が決まることは否めず、それゆえ数奇な運命をたどることになる馬も幾頭も存在する。

 4日に引退が正式に発表され、フランスで種牡馬生活を送ることが決定したマーティンボロ(牡8)は、まさしくその血ゆえに一風変わった競走馬生活を送ることになった馬だ。

 マーティンボロは父ディープインパクト、母ハルーワソング、後に有馬記念に出走したシュヴァルグランや、ヴィルシーナ、ヴィブロスのおじにあたる。この馬が生まれたのは8月20日。日本ではサラブレッドは2月~5月に誕生することが常だ。それにもかかわらず、マーティンボロが3カ月ほど"遅生まれ"になったのには、もともと日本で走らせる予定ではなく、そのままオーストラリアへ輸出されるためだったという。南半球にあるオーストラリアは日本とは季節が真逆になっており、それに伴い馬の発情期も半年ほどズレ込んでしまう。そんなオーストラリアの季節事情にあわせるために、珍しい夏生まれの馬として誕生したのだ。

 実験的試みで産まれたマーティンボロだったが結局は、検疫の関係などからその計画は頓挫してしまう。そのため海外出向から一転して、マーティンボロは日本で競走馬として歩み始める。デビューは12年3月4日の阪神3歳新馬戦。3番人気に推されるも5着に終わった。その後、順調にキャリアを積み重ねていき、重賞に挑戦したのは5歳の春、中日新聞杯だった。

 マーティンボロは下級条件で上位人気に押されながらも勝ちきれないレースを繰り返したためか、鞍上にダリオ・バルジュー騎手を迎えながらもオッズは10番手。このレースには後に同年のエリザベス女王杯を取るラキシス、翌年の宝塚記念馬であるラブリーデイも参戦していた。

 レースは、サムソンズプライドがハナを奪い始まる。レース中盤では、脚をためるために後方に控えていたマーティンボロだったが、直前を行くラブリーデイが4コーナーで大外から出たのに合わせるかのように一気呵成にしかける。直線でラキシスらがいる先頭集団に追いつき、その後も失速することなく伸び続け、ゴール前でラブリーデイ、ラキシスとの叩き合いを見事にハナ差で制した。

 重賞勝利で勢いに乗った形で、マーティンボロは小倉記念で2着、新潟記念で1着と見事な成績を重ねる。だが、快進撃もそこまで。その後は重賞に挑戦し続けるも、勝利を上げることはできなかった。

 実はマーティンボロは今年の中山金杯に出走予定だったが、「オファーがあったので急きょ決まりました」とは友道康夫調教師の弁。11日には渡仏しグランカン(Grandcamp)牧場で繋養の予定だという。

 自身に流れる偉大なる父の血ゆえに、人間に振り回される競走馬生活を送ったマーティンボロ。その産駒が青いロンシャンの空の下で勝利をあげる日は来るのだろうか?

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