藤沢雄二さんの競馬日記

今週の重賞展望~阪神ジャンプS・ローズS・セントライト記念~

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3日間開催での重賞は各日に1レースずつ。

【阪神ジャンプS】
土曜日に行われる阪神ジャンプSは特別登録の時点で10頭しかいません。
重賞勝ち馬はオースミムーンとメイショウヨウドウの2頭。中でも一昨年のこのレースの勝ち馬で重賞5勝、唯一の増量対象(2013.10 東京ハイジャンプ)のオースミムーンで断然ムード。
前走の小倉サマージャンプで4着(1.4秒差)と崩れたのは気掛かりだが、6歳となった今シーズンも6月に東京ジャンプSを勝っており、年齢的な衰えがあるとは思えない。障害馬の場合、むしろこれから…の部分もあるので、ほぼ自らとの戦いになるでしょう。高田騎手も小倉の同じ轍は踏まないだろうから、素直に相手探しというスタンスでいいのでは?

もう1頭の重賞勝ち馬であるメイショウヨウドウは3月の阪神スプリングジャンプ以来の休み明け。昨年6月の東京ジャンプSで重賞タイトルを得ているのだが、この馬、2度の鼻出血の発症歴があるが故に休み休みの出走になっているので半信半疑ではある。阪神コース【0-1-0-2】と勝ちがないのを考えると、実績上位でもあまり食指は動かない。

今年3月の中山のオープンの平場を勝っているマキオボーラーが実績的には3番手。そのオープン勝ちの後にペガサスジャンプSでも2着になっており力をつけているのは確かなのだが、今回はそれ以来の休み明け。個人的にはメイショウヨウドウよりは上に採りたいし、オースミムーンの相手筆頭で○になるのはおおよそ間違いないが、じゃあオースミムーンから1点でいいかというとさすがに心許ない。

大勢逆転があるなら未知の魅力で3歳馬のダンツメガヒットということになるのだろうが、まあ言っても3歳馬。放っておいても障害戦で今の時期の3歳馬を買いたくないというのに、ましてや重賞である。確かに新潟での未勝利勝ちは悪くはなかった。でも…なのよね。
それなら5戦目での未勝利勝ち直後になるけどワールドマッチ。おそらく5番人気以降はどっこいだろうから、配当的には一考の余地はありそうかと。

いずれにせよ、オースミムーンの相手探し。ただ、馬券は配当的に難しい。

【ローズS】
秋華賞トライアルのローズSは登録が19頭。ただ、抽選対象のマキシマムドパリが自己条件に向かうとのことで、ひょっとするとフルゲート割れになるでしょうね。

重賞勝ち馬は5頭。
ショウナンアデラ(2014.12 阪神JF)
クイーンズリング(2015.3 フィリーズレビュー)
レッツゴードンキ(2015.4 桜花賞)
シングウィズジョイ(2015.4 フローラS)
ミッキークイーン(2015.5 優駿牝馬)

G?勝ち馬が3頭もいて、前哨戦から実に豪華な組み合わせ。
で、データを紐解くと、外回りの1800mになっての過去8回のうち7回までがオークス以来、残る1頭は桜花賞以来だったダイワスカーレットなので、世代毎にレベルは違えど、ことローズSに関しては春の実績馬を信用するのがよさそうだ。
ちなみにオークス直行組の成績は【7-4-1-24】で、そのうちオークスの1~4着馬で【6-3-0-9】という成績。2008年以外はオークスの1~4着から直行の組から連対馬がでていて、今年その条件に該当するのはオークス馬のミッキークイーンのみ。なのでデータからはミッキークイーン中心となるだろう。
ちなみにミッキークイーンの状態は、競馬ブックの週報によれば追い切りが1本足りないようなのだが、春シーズンは満足な状態にないままオークスを勝ったそうなので能力が抜けているんでしょうね。

阪神の外回りで黙っちゃいないのが桜花賞馬のレッツゴードンキなんでしょうけど、陣営はこの期に及んでまだ距離不安を口にしている様子。オークス以外では崩れていないだけに無視はできないけれど、桜花賞はハマり過ぎた感もあるのでミッキークイーンを逆転までは夢見ない方がいいのかも。

大勢逆転なら9ヶ月ぶりでもショウナンアデラの方に可能性がありそうだ。常識的には9月にして年明け初戦というのは厳しいが、ダイワスカーレットに倣えば『オークス不出走の既成勢力』には該当するだろう。阪神JFで負かしたレッツゴードンキが桜花賞馬であるのを考えると軽くは扱えない。
ところで帰厩後の調整で時計になっているのが全て美浦の坂路なのだが、二ノ宮厩舎ってコース追いが中心じゃなかったっけ?とりあえずショウナンアデラの昨秋の3連勝時の最終追いは坂路なんだけど、長欠明けでコース追いの速い時計がないのは(厩舎的に)不安だな。

フィリーズレビュー勝ちのクイーンズリングは、阪神の外回りは向かなそう。
フローラS勝ちのシングウィズジョイも阪神の外回りだとディープ勢にキレ負けしそうに思えて割引。
2頭とも京都の内回りになれば面白そうだけど…。

スイートピーS勝ちを含んで3戦3勝のディープジュエリーは相手強化と初めての遠征がカギ。ただ、正直あんまり食指は動かん。
小倉で古馬相手に1000万下を突破したトーセンビクトリーも、レース傾向を考えると手を出しにくい。
これなら横山典を迎えるアンドリエッテを狙った方が面白そう。


【セントライト記念】
春の二冠馬のドゥラメンテが骨折により戦線離脱。残された菊花賞をどの馬が制すのか?これが3歳牡馬のこの秋のテーマ。

で、セントライト記念はフルゲート18頭に対して特別登録は17頭で全馬出走可能。どうやらロジダーリングは自己条件に向かうようで、明確な逃げ馬がいないことが展開のアヤを生み出しそうです。

重賞勝ち馬は5頭。
ブライトエンブレム(2014.9 札幌2歳S)
ベルーフ(2015.1 京成杯)
キタサンブラック(2015.3 スプリングS)
ミュゼエイリアン(2015.3 毎日杯)
サトノラーゼン(2015.5 京都新聞杯)

ローズSほどではないけれど、それなりに実績馬は揃った印象。とりわけダービー2着のサトノラーゼンの参戦が目を引く。

………が、なぜダービー2着のディープインパクト産駒の関西馬がセントライト記念を使うのか理解に苦しむ。そのプロフィールでなぜ王道の神戸新聞杯を使わないの?
セントライト記念の過去10年で関西馬が勝ったのは2006年のトーセンシャナオーだけ。基本的に『関東馬のため』のレースだ。遡れば1992年のレガシーワールドまでに5頭、関西馬も勝っているのだけど菊花賞には結びついていない。
それを承知で使う理由を推測してみる。
普通に考えれば『神戸新聞杯に岩田が乗れない』。同日のオールカマーでヌーヴォレコルトに乗るための措置なのだろう。でもサトノラーゼンと岩田のコンビというのはダービーが初めてで、そりゃ優先度でいけばヌーヴォレコルトに譲るのはともかくとして、乗り替わって神戸新聞杯を使うことは問題なかろう。そもそもサトノラーゼンがそこまで岩田にこだわるような馬か?
じゃあ『池江厩舎に他に神戸新聞杯を使う馬がいる』。池江厩舎はセントライト記念にブルーフとの2頭使いである。京成杯を勝っているブルーフが中山を使うことに違和感はないとして、サトノラーゼンまでも中山に回すのは『神戸新聞杯に使いたい馬がいる』からではないかと思って調べてみたら、いた。キロハナか。なるほど。春は故障さえなければ…という素材を確実に神戸新聞杯に使うには“身内”がスペースを作るということか。
まあサトノラーゼンの戦績を見てみると、王道の使い方ではないことは確か。もっともオープン馬を数多く揃える池江厩舎の場合、ラブリーデイのように傍流から王道に向かう馬もいるので一概には言えないところはあるけど、それにしてもダービー2着で王道の権利を得ている馬が、およそ菊花賞から逆算すると疑問の残る臨戦過程を選択したあたりに波乱の目はありそう。

前述の通り、関西馬が不振と言っていい成績。レガシーワールドまで遡って、勝ち切った関西馬は夏場に使っていた馬(注:1993年のラガーチャンピオンは京王杯AHからの中1週)なので、ダービー14着以来のキタサンブラックも買いにくい。
その点、小倉記念2着のベルーフは“夏場を使っている”だけに切れない、いやむしろ中心視してもいい。

関東の実績馬からはダービー10着以来のミュゼエイリアンだが、『ミュゼ』の経営問題で馬主が代わっているだけにそっちの理由で手を出しにくい。
そして皐月賞4着以来のブライトエンブレム。崩れたのは大箱で直線の長い朝日杯FSだけなので、中山なら無視はできないのだろうが、私情を大いに挟むと小島茂之調教師がぶっちゃけ嫌いなので、あまり重い印を打ちたくないw
ブライトエンブレムに関してはいいところ△まで。

実績馬で頭を取れそうなのはベルーフぐらい。これなら新興勢力にもチャンスあり。
データ的にも新潟の1800~2200mを使っていた馬に良績があるので、ルメールを確保したロッカフェスタと、ディープインパクト産駒ということでスモークフリーにも注意は必要かと。個人的にはスモークフリーにヤマを張りたい。なんと言っても過去5年で縦縞(社台RH)は4勝してますからね。ここまで書いておいてウイングチップが勝ったら泣くけどw

この日記へのコメント

藤沢雄二 藤沢雄二|2015年9月17日 12:18 ナイス! (1)

>まねきねこのひげさん
いつもありがとうございます(^^)

鋭いかどうかは結果が出てみないとわかりませんが(^^;
(↑まあ、大体なまくらですけど/殴)
何か引っかかるところがあれば幸いです。

まねきねこのひげ まねきねこのひげ|2015年9月17日 8:14 ナイス! (2)

おはようございます!

鋭い分析をありがとうございます!

参考にさせていただきます!

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