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「ステイゴールドの牝馬は大物になれない」力尽きたレッドリヴェールからサトノダイヤモンド妹に継承されたステイ牝馬のジンクス「最後の大物」は常識を覆せるか━Gambling Journal ギャンブルジャーナル / 2016年8月31日 6時0分 http://biz-journal.jp/gj/2016/08/post_1173.html
30日、2013年の阪神ジュベナイルF(G1)を制したレッドリヴェール(牝5歳、栗東・須貝厩舎)が左前腱周囲炎のため、現役引退することとなった。
3歳時は日本ダービーに挑戦するなど、早くからトップ戦線で活躍したレッドリヴェールだが、勝利は2歳の阪神ジュベナイルFが最後。結局、完全復活することなくターフを去ることとなった。
関係者やファンにとっても残念な結果であるが、レッドリヴェールは「ある方面」で非常に重要な存在だっただけに引退が惜しまれる。
現在、日本の競馬界を牽引している種牡馬といえばディープインパクトとキングカメハメハの「2強」が真っ先に挙げられるだろうが、こと「大物」の輩出でいえば、ステイゴールドはこの「2強」と肩を並べる存在といえる。
三冠馬で凱旋門賞でも2年連続2着するなど、近代史に残る名馬となった金色の暴君・オルフェーヴル。その兄でG1を3勝したドリームジャーニー。21世紀の葦毛の怪物といわれたゴールドシップ。春の天皇賞を連覇したフェノーメノ。宝塚記念を制して凱旋門賞でも2着したナカヤマフェスタなど、層々たる大物を輩出したステイゴールド。
しかし、実は上記した名馬たちを始め、大きな活躍をしたステイゴールド産駒はすべて「牡馬」なのだ。
当たり前の話だが、牡馬と牝馬の生まれる可能性は大雑把に述べれば半々だ。ステイゴールドに限って、牡馬ばかりが生まれているわけではない。しかし、大活躍するステイゴールド産駒は決まって牡馬だ。
次のページ▶▶▶ 異様な「偏り」
例えば、ディープインパクト産駒にはジェンティルドンナ、キングカメハメハ産駒にはアパパネという牝馬三冠馬がいるように、トップサイアーの多くは牝牡分け隔てなく活躍馬を送り出している
しかし、このステイゴールドに限っては、何故か異様な偏りが起きているのだ。
そして、そういった中、今回引退となったレッドリヴェールはステイゴールド牝馬で唯一のG1馬だった。
「牡馬ばかりに大物が出る種牡馬は、スタミナ型である場合が多い傾向にあります。識者の間では、相対的に牡馬よりスタミナ面で劣る牝馬では、スタミナ型種牡馬の良い面が出にくいからと考えられているようです。また、そういったケースの多くは牡馬の活躍馬がスタミナに優れる一方、牝馬の活躍馬がスピードに寄っている場合がほとんど。ステイゴールドも該当しますし、同じサンデー系種牡馬でいえば、ダンスインザダークがそうですね」(競馬記者)
確かにダンスインザダークも菊花賞馬のザッツザプレンティやデルタブルースといった牡馬の名ステイヤーを何頭も輩出したことに対し、牝馬の活躍馬はジョリーダンスやサレマなどマイラーばかりで、その数も牡馬に比べて圧倒的に少ない。
一体なぜ、このような偏りが起きるのかはっきりとした答えはない。だが、そういった状況だからこそ今年の2歳に一頭、気になる牝馬がいる。
次のページ▶▶▶ あのサトノダイヤモンドの妹は?
今年の日本ダービーで2着したサトノダイヤモンドの半妹にあたるリナーテ(栗東・須貝厩舎)だ。
すでにゲート試験に合格しており、この秋のデビューが予定されているリナーテ。史上最強世代を牽引するBIG5の一角サトノダイヤモンドの半妹だけに、関係者の期待も極めて高いが、あろうことかこのリナーテが「ステイゴールドの牝馬」なのだ。
育成を行なったノーザンファームの関係者からは「バランスのとれた好馬体で、スラっとした印象を受けます。調教をしてみると動きは柔らかく、跳びが大きいです。綺麗な走りをしますし、いい動きです」と絶賛されている。
ただ、その一方で「(ディープインパクト産駒の兄)サトノダイヤモンドに比べると、ステイゴールド産駒らしい気の強さがありますよね。そこを考えながら、調教を進められればと思います」と、やはり兄とは異なる特徴があるようだ。
サトノダイヤモンドの兄弟といえば、今年のセレクトセールでも全弟の当歳馬が2億8000万円の最高落札額を記録するほどの超良血。当然ながらG1級の期待が懸かるリナーテが、まるで"先輩" レッドリヴェールと入れ替わるように、同じ須貝厩舎へ入厩したのも何かの「運命」か。
果たして、リナーテは「大物が出ない」といわれているステイゴールド牝馬の常識を覆せるのだろうか。父ステイゴールドが昨年に亡くなっているため、もしかしたら彼女が「最後の大物牝馬」になるかもしれない。血統を含め、要注目の存在だ。
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