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2015年 ジャパンC、京阪杯
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●ジャパンC
日本で行われる、世界最高峰のジャパンC。国際競走が少なく、インターネットが普及していなかった時代のジャパンCは、黒船襲来のようなものでした。日本は各国の代表馬と戦うことが滅多になかった上に、外国馬の情報もあまりなかったからです。
逆にシリウスシンボリの凱旋門賞14着以降の日本馬の情報がほぼ途絶えた外国馬にとっては、ジャパンCは賞金を荒稼ぎする絶好の場でもありました。よって、外国の一流馬が来日し、序盤から激しい攻防が繰り広げられ、レースは消耗戦へ。当然、ここを大目標にした真に強い馬(総合能力の高い馬)しか、勝つことができませんでした。
しかし、近年のジャパンCはというと、国際化社会、ボーダレスを象徴するかのように、日本の陣営も外国馬のことを良く知っているし、来日する外国馬陣営も、日本馬のことをよく知っています。相手の脚質や能力を知るゆえに、有力馬をマークする馬が存在し、スローペースが出現するようになりました。
ジャパンCのレースの質を変えたのは、東京の高速馬場と世界にその名を知らしめた一番の存在は、ディープインパクトの存在。昨年こそ、ノーザンFのラビット役のサトノシュレンが前半からぶっ飛ばして、それなりに速いペースで流れたものの、ディープインパクトが出走した2006年以降、見事なほどスローペース化しているのです。
しかし、前半5Fが60秒を越えるスローペースだったとしても、前がラスト4~5F(3~4コーナー)あたりで後続とのリードを広げに行く、いわゆるスローからの早仕掛け戦になるので、完全なスローペースはありません。近年の凱旋門賞もスローペース症候群で、かつてはタブーとされていたフォルスストレートからじわじわ動いて行くのがトレンドになりましたが、同じスローペースであっても下級条件との違いは、前が早仕掛けをすることです。
ゆえに前に行った馬が楽々粘り込めるようなことはなく、結局、真の実力馬しか勝てないレースになっています。今年も展開の鍵を握る独・イトウを管理するカルヴァーリョ調教師に独自取材を行ったところ、「ラブリーデイなど後続勢が強いので、カレンミロティックのセカンドポジションを狙いたい」とおっしゃっていたので、前半のスローは確定的でしょう。前半のスローで内々を立ち回れる馬優勢にはなりますが、それでも真の実力馬が勝つレースになるでしょう。
また、ジャパンCは、凱旋門賞の勝ち馬がジャパンCを勝った例がないように、ここへ向けての余力も重要になります。一昨年の年のジェンティルドンナ、昨年のエピファネイアのように、もともとG1でトップクラスのPP指数がありながら、前走で敗戦を記したタイプ(敗戦せずとも、PP指数を下げる形であれば可)やG1を使わずに力を溜めたタイプ。3歳馬なら前走G1で勝っていても成長力で浮上というパターンもありますが、基本的にはジャパンCで狙うべき馬は、「もともと強くて、おつりがある馬」です。
●京阪杯
年内最後のスプリント重賞となる京阪杯。このレースは、例年、前走のスプリンターズSで掲示板入りを果たした実績馬が上位人気に支持される傾向があります。しかし、前走スプリンターズS3着のビービーガルダン、前走スプリンターズS5着のアルトゥマトゥーレ、前走スプリンターズS2着降着のダッシャーゴーゴー、前走スプリンターズS3着のマヤノリュウジンが、このレースで惨敗を喫しました。昨年もスプリンターズSで3着のレッドオーヴァルが1番人気に支持されましたが、出負けして全く見せ場のない9着でした。
スプリンターズS組は、相手が格下だから「あわよくば本賞金を加算」とばかりに出走してくるのでしょうが、スプリンターズSを大目標にした馬にはおつりがなく、基本的には上がり馬優勢のレースとなっています。確かにスプリンターズSで凡走した馬には巻き返しのチャンスはあるのでしょうが、あまり凡走し過ぎていると単なる調子落ちの可能性もあるので、過信は出来ないでしょう。
また、京阪杯が行われる京都芝1200mの舞台は、スタートしてすぐに坂があるために物理的にペースが上がりづらく、京都は2連続開催の最終日でも馬場が持ちこたえて、水準よりも高速馬場で行われるために、前々、内々有利の傾向があります。昨年のこのレースで2着のサドンストームのように、後方に下げられるだけ下げて内々にこだわった騎乗をすれば話は別ですが、外枠から中途半端に出していくと、どうしてもロスが生じます。つまり、連軸にすべき馬は、なるべく前、なるべく内で立ち回れる上がり馬ということになるでしょう。
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