ゴンザレス・権蔵さんの競馬日記

ゴンザレスオススメ第165回天皇賞(春)の興味深い東スポ理論&回顧①

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[GⅠ天皇賞・春=2022年5月1日(日曜)4歳上、阪神競馬場・芝外→内3200メートル]

 ディープボンドの悲願GⅠ獲得の野望はタイトルホルダーの迷いなき逃げの前になすすべもなく打ち砕かれてしまった。「あまり勝ち馬の自由にはさせたくなかったんですが、スタートでアクシデントもあったので…」と悔しさを隠し切れない様子だった大久保調教師。長丁場のレースでありながらも勝負の明暗がくっきりと分かれた裏には、予想外の〝事故〟が介在していた。

 開催が進み前日からの降雨があっても、内を回った馬が有利にレースを進めていたこの日の馬場状況。ただ、タイトルホルダーが逃げるしか策がないとみられる一方、ディープボンドはこれまで積み上げたキャリアの中で戦法の選択肢を増やした分、有利にレースを進められるというのが大方の見方だった。だからこその1番人気。まさかこの2頭の間にいた17番枠のシルヴァーソニックがスタートでつまずいて落馬してしまうことを、いったい誰が予測できただろうか。

「自身としてはいいスタートが切れたから、いろいろと考えるところはあったんですけどね。リズムを崩さないように走らせようと内へ行きました。カラ馬もいたので、なるべくリズムは崩したくないなと。ロスなくいい位置にはつけられたんですが、向正面での手応えはちょっとしんどい感じでした。前を追いかけに行きたいところで内から張られたりもありましたが、直線では差し返そうと脚を使ったことで、力は示してくれました。ただ、勝ち馬にあの競馬をされては…。仕方ないところもあります」とレースを振り返った和田竜。その表情からは、プラン通りに運べなかった悔いが垣間見えた。

 長丁場のレースほど騎手の微妙な駆け引きが重要になるもの。カラ馬が勝負どころで好位から仕掛けようとする各馬を動きづらくしたことで、逃げたタイトルホルダーのアシストとなったことも展開のアヤと言えばそれまでだが…。

 ひとつ言えることは、勝ち馬が予想以上にいい形で運べた一方で、予想通り運べなかったにも関わらず2着に食い込んだディープボンドの底力は健在だということ。いずれ勝利の女神が微笑む日は訪れるに違いない。

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