グリーンセンスセラさんの競馬日記

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有馬記念(G1)「公開処刑」は今年もアノ男!? 枠順抽選会の"主役"蛯名正義騎手が「4年連続の因縁」に挑む!
─ Gambling Journal ギャンブルジャーナル / 2017年12月20日 10時0分 http://biz-journal.jp/gj/2017/12/post_5377.html


 今年も24日に迫った年末の大一番・有馬記念(G1)は「8枠」が不利なレースである。いや、正確にはフルゲートの場合に大外枠となる「16番」が致命的に不利なレースといえるだろう。

 それは本競走が、中山外回りの第3コーナーの入り口からスタートすること(つまり、すぐにカーブに差し掛かる)や、グレード制が導入されて有馬記念がG1となった1984年以降、馬番16番で馬券に絡んだ馬は「0」という驚愕の歴史にある。

 そこは、まさに有馬記念の死地。あらゆる名馬の挑戦を跳ね返し[0.0.0.16]という悲惨すぎる数字が並んでいる。そればかりか、お隣の15番でさえ[1.0.0.18]と馬券に絡んだのが1989年の勝ち馬イナリワンただ1頭という不毛の地だ。当然ながら、有馬記念に参加するすべての競馬関係者が「そこだけは引くな」と恐れおののく、絶望的な枠である。

 そして、その事実は「ドラフト制」を採用し、史上初の公開枠順抽選会としてテレビ中継が行われた、2014年有馬記念の枠順抽選会が如実に物語っている。

 ゲストとして招かれたメジャーリーガー田中将大投手がくじを引き、選ばれた馬の陣営からドラフト方式で希望の馬番を選択するという、異例の試みが行われた2014年の枠順抽選会。

 最初に選ばれ「2枠4番」を指名したジェンティルドンナ、2番目に「3枠6番」を選んだトゥザワールドがレースでもワン・ツーを決めるなど、有馬記念において枠順が如何に重要であるかを物語った結果となったことを覚えている方も多いのではないだろうか。

 そんな日本競馬史上初の斬新な試みが、まさか「ある男の伝説」の発端となることなど、この時は誰一人想像さえしていなかった。

〇次のページ 盛り上がったドラフト制の枠順抽選会
 大いに盛り上がったドラフト制の枠順抽選会も終盤に差し掛かると、残された関係者は「苦渋の決断」を迫られることになる。述べるまでもなく、最後まで残った死の枠「8枠」を巡って「15番に入るか、16番に入るか」という選択だ。

 15番目に選ばれたジャスタウェイの福永祐一騎手の表情は、苦笑いで引きつっていた。

 選んだのは当然15番。1989年のイナリワンという唯一の希望がある分、完全なる不毛の16番よりはいくらかマシである。福永騎手も「こういう"仕打ち"を受けてしまいましたけど、馬の力に期待します」と、当時世界1位の評価を受けていた相棒に託す他なかった。

 そして、最後に選ばれたのがオーシャンブルーの蛯名正義騎手だ。

 当然ながら笑顔はなく「なんとなく微妙な雰囲気が......」と司会にツッコまれる始末。実際のレースも最下位に大敗しており、むしろ愚痴の1つでも言いたいところだろう。だがこれが後々、蛯名騎手と16番枠の「奇跡的な因縁」を築いてしまうとは......。

 翌2015年有馬記念の公開枠順抽選会で最初に名前を呼ばれたのは、蛯名騎手だった。

 枠もレースも"蚊帳の外"に置かれてしまった昨年のリベンジを果たすべく、マリアライトとのコンビで挑んだこの年。福永騎手の言葉を借りるなら、見事に昨年の"仕打ち"を取り返した格好となったが、あろうことかドラフト制は昨年だけで終了。つまり、最初に選ばれても特にメリットはなかったのである。

「(昨年のこともあり)一番最初に呼ばれそうだな、という気はしていました」と壇上に上がった蛯名騎手。少なくとも今年は「選択の余地」がある分、リベンジの機会は残されている。中に枠番が書かれたアルファベット順のカプセルの中から選んだのは、マリアライトの「M」だった。

 しかし、なんということか。ゲストとして呼ばれたメジャーリーガー青木宣親選手が拡げた用紙には「16」の文字が......。

 会場からは何とも言えないどよめきが上がり、事情を知る青木選手も苦笑い。さすがの蛯名騎手も、2年連続の16番には一瞬引きつった笑みを浮かべる他なかった。12番人気という低評価を覆し、マリアライトを4着に好走させたのは名手の意地の反抗だったか。

〇次のページ 蛯名騎手の"悲劇"はこれで終わりではなかった

 だが、蛯名騎手の"悲劇"はこれで終わりではなかった。

 翌2016年有馬記念の公開枠順抽選会。蛯名騎手にとっては3度目の正直である。ゲストの田中将大投手の抽選によって名前を呼ばれたのは、"やはり"大トリの16番目だった。

 しかし、最後は15番目の吉田隼人騎手との同時抽選。これまた"やはり"というか、おあつらえ向きに8枠16番が残っていたが、まだ希望が完全に潰えたわけではなかった。もう1つ残ったのは1枠2番という絶好枠。まさに「天国と地獄」の2択である。

 それにしても、なんという運命のいたずらだろうか。

 この時、すでに抽選会を見守るネット上のファンも大盛り上がり。「蛯名公開処刑」の号令から始まり、「蛯名さんのために(16番を)温めおきました!」「お約束待ってました」「蛯名のための抽選会」と3年連続の"偉業"を期待する声が続々......1枠1番を引いたキタサンブラックの武豊騎手を差し置いての"主役"扱いだ。

 このファンの"期待"に応える辺りは、さすが千両役者の蛯名騎手なのだろうか。「なんかあれですね......そういったもの(16番との運命)を感じます」と語った本人自らが選んだ(最後なので1つしか残っていなかったのだが)カプセルの中には、"やはり"「16」の文字が......。

 会場、そしてネット上のファンが捧腹絶倒だったのは、述べるまでもないだろう。

 あれから1年。今年も有馬記念の公開枠順抽選会が21日に迫ってきた。競馬界一持っていないのか......いや、ここまで来れば「持っている男」蛯名騎手が騎乗するのはサクラアンプルール。中山の芝コースで[3.1.1.0]の好相性を誇り、今年の漢字が「北」ということからも縁を感じる札幌記念の勝ち馬だ。

 とはいえ前走の天皇賞・秋で8着に惨敗しているように、実力的には伏兵の1頭。上位進出には展開、そしてやはり「枠順」のアドバンテージは喉から手が出るほど欲しいところだ。

 果たして、公開処刑......ならぬ公開枠順抽選会に"挑む"蛯名騎手は、今年こそ因縁に終止符が打つことができるのだろうか。今年もそれとも3度あることは、4度あるのだろうか。

 いずれにせよ、今年もキタサンブラックの武豊騎手を差し置いて「主役」の座を掴むのは、同期の蛯名騎手なのかもしれない。

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