新潟2歳Sは25日、新潟競馬場で16頭によって争われ、藤岡康騎乗で1番人気のウーマンズハートがメンバー最速の上がり3ハロン32秒8で差し切り、無傷の連勝で重賞初制覇。今後は阪神JF(12月8日、阪神、GI、芝1600メートル)が大目標となる。なお、ハーツクライは史上10頭目の産駒JRA全10場重賞制覇となった。
女傑を思い起こさせる極上の切れ味だ。道中8番手を進んだ1番人気のウーマンズハートが真価を発揮。直線で内に切れ込む若さをのぞかせつつ、ラスト3ハロン32秒8の末脚で抜け出した。
「この馬、やばいわ」。引き揚げてきた検量室前で、藤岡康騎手が興奮気味に語った。デビュー2戦目で舞い込んだ騎乗機会。冷静なリードで2週前のエルムS(モズアトラクション)に続く重賞Vに導き「いかにスムーズに外に出せるかだと思っていた。4コーナーの手応えの割にフラフラしてしまったけど、それでしっかり差し切るのだから能力、ポテンシャルは間違いない」と将来性に太鼓判を押した。
衝撃の上がり3ハロン32秒0で差し切った新馬戦から、2戦続けて32秒台をマーク。追われるだけ伸びるその末脚は6年前、ラスト3ハロン32秒5の切れ味で圧巻のしんがりごぼう抜きを演じた、のちの桜花賞馬ハープスターと重なる部分もある。
「本当に切れる。種馬がハーツクライだというのもあるのだろうね」と西浦調教師も感嘆の声をあげた。これまでテイエムオーシャン(2001年桜花賞などGI3勝)、カワカミプリンセス(06年オークスなどGI2勝)と名牝を管理してきた師の元へ、久々に舞い込んだ才媛。再来年の春に定年を迎えるだけに、ともに歩む1年半は蓄積したノウハウを発揮する時間となる。
「放牧に出して阪神JF(12月8日、阪神、GI、芝1600メートル)を目標にやっていきたい」
『女ごころ』というチャーミングな命名と裏腹な、男勝りの破壊力。越後に現れた夏の2歳女王が、令和の桜花賞戦線を引っ張る。 (内海裕介)
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★全10場重賞制覇
ウーマンズハートが新潟2歳Sを勝ち、ハーツクライはグレード制を導入した1984年以降では史上10頭目となる産駒JRA全10場重賞制覇を達成した。それまでの種牡馬9頭はノーザンテースト、サンデーサイレンス、トニービン、フジキセキ、キングカメハメハ、マンハッタンカフェ、クロフネ、ディープインパクト、シンボリクリスエス。
ウーマンズハート 父ハーツクライ、母レディオブパーシャ、母の父シャマーダル。鹿毛の牝2歳。栗東・西浦勝一厩舎所属。北海道日高町・ダーレー・ジャパン・ファーム有限会社の生産馬。馬主はゴドルフィン。戦績2戦2勝。獲得賞金3856万7000円。重賞は初勝利。新潟2歳Sは西浦勝一調教師、藤岡康太騎手ともに初勝利。馬名は「女心」。
【新潟2歳S】ペールエール、33秒1の末脚も2着
©サンケイスポーツ
8月26日(月) 05:05
3番人気のペールエールが2着。好位から上がり3ハロン33秒1の末脚で伸びたが、それを上回る勝ち馬の決め手に屈した。「スタートでいいところにつけられたし、最後もいい脚で伸びている。ただ、勝った馬は信じられないくらい強かった」とM・デムーロ騎手。今後は朝日杯FS(12月15日、阪神、GI、芝1600メートル)が年内の最大目標。
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【新潟2歳S】ビッククインバイオ、見せ場作った3着
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8月26日(月) 05:05
3着は8番人気の
ビッククインバイオ。道中は2番手を進み、一旦は先頭に立って見せ場をつくった。大野騎手は「スムーズに運べましたし、最後もしっかり反応してくれました。上位2頭が強かったのですが、力のあるところを見せてくれました」と振り返った。
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【新潟2歳S】レースを終えて…関係者談話
©サンケイスポーツ
8月26日(月) 05:05
◆松山騎手(
クリアサウンド4着)「内にモタれて外へ出せなかったのですが、力を見せてくれました」
◆内田騎手(
エレナアヴァンティ5着)「内枠でポンと出たので自分からレースをつくった。息も入っていたので、3着には残れると思ったが…」
◆木幡巧騎手(
シコウ6着)「じわじわと伸びてくれました。まだ良くなる余地があります」
◆松岡騎手(
ウインカーネリアン7着)「ゲートが悪かった。気持ちが盛り上がるのをうまくコントロールできれば上まで行ける」
◆福永騎手(
モーベット8着)「3コーナー手前でゴチャつき、すごくかわいそうな競馬になってしまった」
◆木幡初騎手(
トロワマルス9着)「少しハミをかんでいたぶん、伸び切れませんでした」
◆武士沢騎手(
サナチャン10着)「横を向いたときにスタートを切られてしまった」
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【新潟2歳S】ペールエール強烈な決め手に屈し2着 Mデムーロ「勝った馬が信じられないくらい強かった」
©サンケイスポーツ
8月25日(日) 19:12
8月25日の新潟11Rで行われた第39回
新潟2歳ステークス(2歳オープン、GIII、芝・外1600メートル、16頭立て、1着賞金=3100万円)は、
藤岡康太騎手騎乗の1番人気
ウーマンズハート(牝、栗東・
西浦勝一厩舎)が重賞勝ちを果たした。タイムは1分35秒0(良)。
3番人気の
ペールエールは、好位を追走。直線追い出されると一気に加速し、一度は先頭に立つも勝ち馬の強烈な決め手に屈し2着に敗れた。
M.デムーロ騎手「スタートでいいところにつけられたし、最後も脚を使っています。まだ子供ですが、すごく頑張ってくれました。勝った馬が信じられないくらい強かったです」
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