夢月
くりーく
第46回CBC賞(13日、京都10R、GIII、3歳上オープン国際、ハンデ、芝・内1200メートル、1着本賞金4000万円=出走18頭)幸英明騎手(34)=栗・フリー=が騎乗した4番人気のヘッドライナーが、雨の中を鮮やかな逃げ切り勝ち。7度目の挑戦で嬉しい重賞初制覇を飾った。1分8秒9(やや重)。7番人気のダッシャーゴーゴーが外から追い込んで2着、3着は3番人気のワンカラット。1番人気のシンボリグランは6着に敗れた。 泥だらけの敗者たちとは対照的に、検量室前に引き上げてきた幸英明騎手の勝負服は、レース前と変わらずきれいなままだった。果敢にハナを奪ったヘッドライナーが、最内を逃げ切り勝ち。雨中の戦いを制し、7度目の挑戦で初の重賞タイトルを手に入れた。 「強かったですね。前回の1400メートルより1200メートルの方がいいかなと、楽しみにしていました。内ラチ沿いをピッタリ通って、スムーズに行けました」 この勝利でヘッドとは4戦2勝、2着2回とパーフェクト連対。相性抜群のジョッキーが、さわやかな笑顔でレースを振り返った。 スタートは少しアオり気味だったが、手綱をしごいてハナを主張。半馬身ほどのリードを保ちながら、1ハロン12秒2-11秒0-11秒1のラップを刻む。最内をロスなく立ち回り、抜群の手応えで直線へ。鞍上が振るう左ムチに馬も素早く反応し、後続との差を一気に広げる。降雨で水分を含んだ馬場にもノメることなく、最後までしっかりとしたフットワークで、ライバルの追撃を封じた。 「雨で後ろから行く馬の切れ味が鈍ったのもあるけど、馬場が良くても勝っていたかも。以前よりも馬が良くなってきましたね」と幸騎手は成長を感じ取る。 管理する西園調教師は東京競馬場で観戦。エプソムCのシルポートはハナ差2着で、“東西同日重賞V”は逃したが、「3角のあたりで勝ち負けになると思った。枠(〔3〕枠(6)番)も、雨も良かったし、馬も力を付けている」とトレーナーは声を弾ませた。 今後は函館スプリントS(7月4日、函館、GIII、芝1200メートル)→UHB杯(8月1日、函館、OP、芝1200メートル)→キーンランドC(8月29日、札幌、GIII、芝1200メートル)のローテを描く。サマースプリントシリーズでも、熱い走りを見せてくれそうだ。(鈴木康之)