山崎エリカさんの競馬日記

今週の見所(日曜日)

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2015年 ユニコーンS、函館スプリントS
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●ユニコーンS

日本代表としてUAEダービーにチャレンジしたゴールデンパローズとタップザット。しかし、世界の壁は厚く、3着、5着に敗れました。ダートで行われるUAEダービーはあのフラムドパシオンでも勝利することが出来なかったレース。フラムドパシオンはUAEダービー3着後、重度の屈腱炎に悩まされ、当時、最新の最新治療を施すも、復帰した頃には並みの馬になっていました。

しかし、初ダートの3歳500万下で最後まで減速することなく、2着馬に2.4秒差、3着に3.4秒差もつけてレコード勝ちした内容、そしてヒヤシンスS圧勝の内容は明らかに化け物級でした。まさに日本に敵なしで、目一杯の仕上げて3歳ダートの頂点を目指したものの、世界の壁に跳ね返されました。

その頃からUAEダービーのレベルはどのくらいかと思い、指数を算出するようになったのですが、年によって多少の違いはあるものの、フェブラリーSの決着指数レベルのものがあるという事実を思い知らされました。これまでの歴史の中でも、3歳初頭の時点で、フェブラリーSで勝ち負けできる指数をマークした馬はいません。

日本のクラシックロードはあくまで芝が中心。この時期の3歳馬に古馬G1級の指数で走る完成度を求めるのは、現在の日本の競走体系ではとても難しいと言えます。つまり、ゴールデンパローズもタップザットも負けて当然だし、負けるべくして負けたと言えるでしょう。

また、フラムドパシオンの競走能力の喪失や、近年ではブエナビスタやジェンティルドンナが二度目の遠征後のG1レースで不甲斐ないレースをしたことから、「ドバイ遠征後」は走らないなどという格言のようなものが生まれました。

しかし、そういう経緯で、一昨年のケイアイレオーネが不当に過小評価されて、ユニコーンSでは3着に巻き返しています。なんとなく不安でファンが人気薄にし、馬が順当に巻き返した感じ? フラムドパシオンとケイアイレオーネの差は、ドバイで凡走したか、好走したかによることの違いでしょう。ケイアイレオーネは、UAEダービーで11着でした。

つまり、今回の馬券の肝は、層が厚い3歳世代のリーダー格、ゴールデンパローズが、前走は好走なのか、凡走なのかです。確かに長距離輸送の影響や環境の変化の影響もあると思いますが、馬は人が思うよりも環境の変化に耐えられるし、脚はガラス細工のようでも、なかみはたくましいと思っています。もちろん、個体差によるものもありますが、ファンは遠征後も順調に乗り込まれているなどの要素からしか知る術がないので、予想の要素から外したほうが楽なのではないでしょうか。


●函館スプリントS

ここから始まるサマースプリントシリーズの第一戦、函館スプリントS。函館の馬場(芝)といえば、時計の掛かるイメージがあり、実際にJRAの全競馬場のなかでは一番時計が掛かります。しかし、近年の函館開催前半は意外と時計が速く、良馬場の芝1200m(1000万下)ならば、まず、1分08秒台で決着します。

昨日、土曜日のHTB賞の決着タイムは1分08秒5でした。近年の短距離重賞は、それほどペースが上がらないことがあり、同日の1000万下とたいして変わらない走破タイムで決着することもありますが、レースが平均~ハイペースなら1分7秒台に突入する可能性は十分でしょう。

今回は前走直線1000mでスッとハナを奪えて、今回のメンバーが相手でもハナを主張することが可能のエーシントップに、スタートが決められなくてもハナを奪いに行くアンバルブライベン。また、前がペースを落とせば、競りかけて行くメイショウイザヨイが揃って内枠に入り、ハイペースは免れないのではないかと思わせる枠順形成。前記の3頭が競り合って、ハイペースを演出し、今年の函館スプリントSはテイエムオオタカのレコードを塗り替える可能性もあります。

展開上は、狙うは当然、差し、追い込み馬ですが、しかし、ある程度前に行きたい馬は前走・高松宮記念オーバーペース逃げ、先バテしているという理想的なローテーションです。しかも、アンバルブライベンやローブディサージュ、マジンプロスパーは、内が伸びない馬場状態の中で、失礼ながらアホか(?)と思うほど、内を突いて敗れています。香港のエアロヴェロシティ・パートン騎手は、前半のレースで馬場を探って、そんなの知ってって当然の如く、一番良く伸びる内から5頭目のところに進路を切り替えて行っているのに、情けない結果。

でも、前走で厳しいレースを経験したことで、今回でのスタミナ強化へと繋がることが多いのも確か。ローブディサージュは内枠に先行馬が揃った中での内枠で、場合によっては前バリアでドン詰まりの可能性もある枠順ですが、前が残れるとするならば一緒に上がって行けので悪くない枠順です。

逆に差し、追い込み馬の有力どころは前走で展開が嵌ってPP指数を跳ね上げた馬が多く、今回はこの絶妙なバランスをどう捌くかが求められる一戦となりそうです。ただ、ひとつ言えるのは、土曜日ほど前と内枠が断然有利の競馬にはならないのではないかということ。前や内枠の馬が勝ったとすれば、それは実力による勝利と考えてもいいでしょう。

 ナイス!(9

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