圭太くんさんの競馬日記

優勝劣敗

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水泳の池江さんがオリンピックを一年後に控えて闘病することになった。世界一を目指すアスリートにとっては目標を金メダルとしているだけに無念だろうと思うが本人は越えられない試練はないと言う。心が強い子だと感服するばかり。
アスリートは勝てば名声を得、広告塔となりあるいはタレントを駆使して収入を得る方が多い。敗者がそうではないとは言わないが、やはり勝者のそれには及ばない。まさしく優勝劣敗の法則である。
これは競馬界も同じことで格のあるレースを勝てば名前が知れ渡り、ファンがつきグッズも作られる。負ければ勝者のような待遇にはたどり着かないのは当たり前だが競走馬、特に牡馬は自分の血が残るか否かということにもかかってくる。
競馬界の三大根幹血脈はお分かりかと思うがダーレーアラビアン、ゴドルフィンアラビアン、バイアリータークの三頭で、100ほどの名前が並ぶ血統表の中で現代に生き残っているのがこの三頭だけなのだ。
しかし今の時代はそれも怪しくなりつつある。全世界の競走馬の9割超がダーレーの子孫となっているのである
かつては日本の競馬は軍馬召上を目的としていたので速くて力強い馬こそが名馬だったから帝室御賞典(今の天皇賞)は春も秋も3200mだった。その時代には日本にはマンノウォー(バイアリー系)産駒の月友がおり一血脈を築いていた。もちろんダーレーもセントライトのような名馬もいたにはいたが、ダート長距離戦に長けた血は重宝されたのだろう。
時代はその後輸入馬パーソロン(ゴドルフィン系)によって一時代を迎える事になる。サクラショウリや親子三代春天皇賞制覇の祖メジロアサマ、皇帝シンボリルドルフらが時代を築くことになるがここでもシンザンなどでダーレーの末裔たちは活躍はしていた。
だが今の時代はどうだろう。中央の勝ち上がり馬は大半がサンデーサイレンスとミスタープロスペクターの血が突出している。輸入馬のノーザンテーストが走る産駒を量産した事、メアサイアーとして優秀だった為にロベルトあるいはヘイルトゥリズンの馬を交配した結果、更に速くなり、中でも非ノーザンダンサーの血を持つサンデーサイレンスが血の濃さを消しながら相性も抜群なためどんどん良い肌馬につけられた結果である。
ミスプロ系はネアルコとは別の流れのネイティヴダンサー系だが、そのスピードと父ネイティヴダンサーに見られる気性の悪さが緩和しているため今や世界的ブランドとなっている。日本もその潮流に乗って、キングカメハメハの成功も相まって勢力を拡大している現状である。
しかし元を辿ればどちらもダーレーまて行く事無く、ファラリスという種牡馬に行き着いている。つまり日本の競馬は概ねファラリスの子孫で重賞競走をしていることになる。
「ブームはブームとしてもこのままじゃ奇跡の血量どころじゃなくなる。血が偏り過ぎちゃうね。」とはある大手の牧場に勤める後輩の独り言だが、世界の競馬が一頭の種牡馬に席巻され、種の衰退に繋がらない事を願うばかり。人の力で交配し生み出されたファミリーでも立派な種であるなら絶滅危惧種としてもいいのかもしれない。
あくまで主観なので賛否両論あるでしょうが一オヤジの戯言として。

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