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JRA牡馬クラシックに「異常事態」発生!? 競馬の常識を覆す「第2のキタサンブラック」怪物オウケンムーンが皐月賞(G1)に"内定"!─ Gambling Journal ギャンブルジャーナル/ 2018年2月12日 8時26分 http://biz-journal.jp/gj/2018/02/post_5813.html
昨年の2歳王者ダノンプレミアムを筆頭に、ワグネリアン、オブセッションなど早くもハイレベル世代と評される3歳牡馬クラシック戦線に「異彩」を放つ大物が名乗りを上げた。
11日に東京競馬場で行われた共同通信杯(G3)の最後の直線。単勝1.8倍に支持された武豊騎手のグレイルが伸びあぐねる中、中団から鋭く突き抜けたのが6番人気のオウケンムーン(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)だった。
デビュー戦こそ4着に敗れたものの、未勝利と500万下を連勝中だったオウケンムーン。特に未勝利戦は2歳のコースレコードを更新する6馬身差の圧勝だったが、それでも12頭中の6番人気に留まったのは、何よりその「地味な血統」のせいだろう。
父は2008年の菊花賞馬オウケンブルースリ。2012年の有馬記念を最後に種牡馬入りしたが、通算27戦5勝。G1勝ちは菊花賞のみと、当然ながら厳しい種牡馬生活のスタートとなった。
初年度産駒はわずか13頭。その内JRAに登録された産駒は9頭に過ぎず、新種牡馬としてデビューを迎えた一昨年は、結局未勝利に終わってしまった。現在でもJRAの産駒勝利は、わずか5勝。その内、3勝が本馬オウケンムーンであり、今回の共同通信杯はブルースリ産駒の重賞初出走、初勝利というオマケまで付いた。
父が菊花賞馬で、母の父も凱旋門賞馬で重厚なエリシオということで、果たしてスピードが要求される東京1800mで通用するのかという、いわば「競馬の常識」がもたらす懸念もあった。だが、いざフタを開けてみれば、上がり3ハロン33.5秒の末脚で突き抜ける見事なレースぶり。想像以上の対応力に、度肝を抜かれた関係者も少なくなかったようだ。
🏇次のページ 思い出されるのが3歳時のキタサンブラック
「レース後、元JRA騎手の安藤勝己さんも『連勝中やったとはいえ、重賞でも勝ち切ったことに驚いた』とツイートされていましたが、競馬に詳しい人ほど今回の驚きは強かったでしょうね。まさに規格外の走りではないでしょうか。
血統面だけでなく、レースの走りもまだまだ幼いですし、調教も"もっさり"したタイプで、如何にも『長距離向き』といった感じでしたが、それであれだけ走るんですから将来が楽しみ。今年のクラシックの中でも面白い存在になりそうです」(競馬ライター)
地味な血統を跳ね返す力強い走り、そして何よりも主戦が北村宏司騎手といえば、思い出されるのが3歳時のキタサンブラックだ。
武豊騎手とのコンビで競馬界を席巻し、昨年引退した歴史的スターホースだが、実はデビュー当初はオウケンムーンと同じく地味な血統が邪魔をして、結果を残しても残しても注目されない「目立たない存在」だった。
実際にキタサンブラックが初めて1番人気に推されたのは、4歳秋の京都大賞典(G2)。デビューから12戦目のことであり、すでに菊花賞と天皇賞・春を勝っていた。
そんな偉大な先輩と比較すれば、すでに2度の1番人気があるオウケンムーンは、まだ"恵まれた"存在なのかもしれない。しかし、冒頭で挙げたダノンプレミアム、ワグネリアン、オブセッションといった同世代の大物は、いずれもディープインパクト産駒。そういった中でのオウケンブルースリ産駒は、やはり異色の存在だ。
そして、何よりもオウケンムーンが制した共同通信杯は、ここ6年間で3頭の皐月賞馬を輩出している出世レースだ。それも2012年のゴールドシップ、2014年のイスラボニータ、2016年のディーマジェスティと、いずれも偶数年に皐月賞を勝利。法則的に今年は「皐月賞内定」の年である。
🏇次のページ 今度こそ、その手綱を離すつもりはないはず
2015年、北村宏騎手はキタサンブラックとのコンビで菊花賞を制覇。しかし、そこから自身の落馬負傷なども重なり、相棒は競馬界を代表するレジェンド武豊騎手と共にスターダムへ。その手綱が戻ってくることはなかった。
あれから3年。キタサンブラックはターフを去り、北村宏騎手の手には、またも「地味な」オウケンムーンの手綱が握られている。かつての相棒が届かなかったクラシック春2冠を前に「あとは順調に行ってくれれば......」と前を向いた主戦騎手。
今度こそ、その手綱を離すつもりはないはずだ。
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