春の歌さんの競馬日記

エルムS全頭診断

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アイオライト
逃げてなんぼの馬が一変したのが前走。スタートから3番手に控える形を選択し、外から被されるストレスの掛かる競馬にも動じず、最後はロードエクレールを捕えて1着。中身の濃いレースを見せました。5走前のペテルギウスSでは後のかしわ記念勝ち馬ショウナンナデシコを逃げて完封。その後、「逃げ一手」の策で頭打ちを食らっていましたが、ここに来ての番手競馬は「レースの幅」を広げる意味で大きかったと思います。この馬の特徴をしっかり掴んでいる菱田騎手の継続騎乗。内からでも外からでもレースが出来る強み。前走大沼Sは展開に恵まれた面はありましたが、私には「たまたま」には見えませんでした。なぜ一変したのかについて掴み切れていませんが、前走の走りが偶然ではないと見るなら有力候補の一頭と言えるでしょう。

アメリカンシード
自分のペースで行けるかどうか。とにかくピンかパーのタイプで、メンタル面は脆弱。中距離向きのスピードを持っている反面、気性的な難しさが依然として解消されていないとの認識です。嫌気をさすとレースを止める悪癖があるので、そこが改善されていればですが、重賞のプッシャー競馬で逃げて残すイメージはあまりないですね。軽視予定です。

ウェルドーン
距離持つパワータイプの大跳び馬。馬群でじっと構えてというレースをしておらず、これまで先行して外に回すパターンのみ。レース対応力は決して高くないと見ていましたが、+18㎏でのぞんだマリーンSで走り一変。出足の鈍さが目立ったそれまでと違い、非常に前向きな形で先行して見せました。馬体重が増したことでさらにパワーアップしており、またスピードも身に付けていたのにはただただ驚くばかり。一方でやっていることはこれまでと同じ。ストライドの大きい馬なので内枠で包まれる競馬は合わないと見ているのか、常に外回し。ゆえに枠順は重要で、のぞむのは外でしょう。またギアチェンジに課題があって、絶対的なスピード勝負になると不利。他にも、前走は勝ち競馬で最後差されており、「決め手」の部分に不満があります。急成長を見せたのと「型」を持っている点を評価しつつ、「1着はないのでは」として馬券は考えたいです。

オメガレインボー
D1200m~D1800mまで幅広くカバーできる器用タイプ。主戦の横山和騎手は「溜めて外回し」の作戦をとっていますが、毎回のように「ワンパンチ不足」の内容。中距離になるとそれが顕著で「好走すれども頭なし」を連発しています。一方、2走前の栗東Sで見せたパフォーマンスは圧巻。一見すると無謀な位置から追い込んできました。ただ、あの脚が使えるのは典型的な1400m適性馬だから。昨年のエルムS2着の実績はありますが、1400mの方が良さが出ると見ています。最近はずっと外回し競馬ですが、実は5走前のカペラS(中山D1200m)ではイン突きを敢行(3着)。馬群を縫って来れるところも見せました。ただし鞍上は岩田康騎手。普通に走れば大崩れはなさそうですが、決め手不足の頭なしの可能性十分。それをクリアするには1、2枠を引いての馬群突っ込み、それを鞍上が出来るかでしょう。ただこれまでの競馬を考えると外に回してきそうです…。ウェルドーンと同様で評価はすべきだが1着はないの認識でいきたいです。

スワーヴアラミス
昨年の勝ち馬であり、メンバー最上位の実績馬。ただ今年は斤量58㎏と昨年から+2㎏となります。フェブラリーS、帝王賞と比べると圧倒的にメンバーレベルは下がりますし、相対的に見て力上位は必至。前走帝王賞で見せた積極競馬がここで生きてくる可能性はあります。ただ、この馬は「気分屋」。並ばれたら差させないという根性は裏を返せばやる気がなければ走らないというウィークポイントにもなります。それが一時の低迷に繋がっていたとの認識。東海Sで見せた「あの位置から届くの?」という競馬もあれば、「あれ!?」という惨敗もあり。すべては心身の状態次第といった感じですね。「条件は合う。ただ安定感はない。」、これが私の当馬の評価です。

ダノンファラオ
スタミナの問われるレース質になれば台頭の余地もありますが、いかんせん能力不足。この馬が好走するイメージは持てませんでした。

ダンツキャッスル
オープン特別レベルの追い込み馬。コース適性は高いと思いますが、トップスピードが重賞で通用するレベルにあるとは思えず。また「展開頼み」の部分もあり、よほどはまらないと厳しいとの見立てです。前走マリーンSは展開向かずの競馬で上がり最速をマークしての6着。まだ枯れていないところは見せましたがレース対応力は低く、「自分の形に徹しての展開待ち」、ここに託すようのでは積極的には…という感じですね。

バティスティーニ
形は「溜め差し」のみ。ダンツキャッスル同様、完全な「展開待ちタイプ」です。ただ脚力に関してはこちらが上と見ており、またスピード対応力もあるとの見解。マリーンSでは二桁着順ながら上がり2位をマークしており9歳馬ながら衰え知らず。マリーンSの勝ち馬フルデプスリーダーには二度先着するなど能力で見劣ることはないです。「最後必ず伸びてくる」「馬群が割れる」「人気の盲点」「ダート厩舎A評価」「鮫島克騎手の継続騎乗」と買いの要素は満載。二度目のD1700mへの対応と展開の二つをクリアできれば、穴をあける可能性は十分あるでしょう。以上のことから、今回の最大の惑星は当馬ではないかと思っています。

ヒストリーメーカー
3走前は鞍上(内田博騎手)と息が合わずに直線はバランスを崩す走り、2走前は中京で大外ぶん回しと全くレースに参加できない状況。そこからブリンカーを外しての前走プロキオンS、5走ぶりに外した訳ですが、その効果なのか、走りが一変。実に集中して最後まで走っていたように思います。もっと状態が良いときは脚の回転数も素晴らしかったのですが、前走に関しては経験も含めた総合力でカバーした感じでしたね。突出したものはないのですが、気持ちの面も含めて非常にバランスの取れた万能型であり、心身共に戻ってきたと見れば当然印は回すべき。池添騎手に乗り替わってどんな作戦で来るのかは見ものですが、特にああしなきゃいけないというタイプではないので、普通に外に回してどうかでしょうね。印を回したい一頭です。

ブラックアーメット
とにかくスタート下手というより二の足効かずで最後方のレースが続いている馬。吾妻小富士Sの走りを見ると「見所あり」とは思うのですが、レース対応力が低く、自分の形でしかレースが出来ないのは痛いです。かと言って強烈な決め手がある訳でもなく。ずっと不利を受ける競馬が続いているので、それがないときにどれだけ走れるかは見たいですが、このタイミングでの急上昇はちょっと考えにくいかなと。

ブラッティーキッド
地方を含めて現在8連勝と勢いに乗る当馬。中央戻り3走とも同じパターンで道中じっくり構えて3角から動いて直線で前を捕らえる形。コーナリングの加速の鈍さは少し気になりますが、直線を向いてからグングン加速していくのは特筆すべきもので、未勝利時のだらっと走っていたのとは大違いですね。今回、一気のメンバーアップになってどうなのかですが、先ほど挙げたコーナリングでの加速の鈍さ、ここが少し引っ掛かりますね。ロードレガリスにも言えるのですが、直線追い上げる脚がある馬にとってコーナリングは鬼門で、あそこで置いて行かれなければチャンスはあると思います。現時点では何とも悩ましい一頭ですね。当日まで考えます。

フルデプスリーダー
距離延長の2走前は出負けで競馬にならず。逆に前走マリーンSは枠を生かしての先行策。道中はインでじっと構えて最後ウェルドーンを差し切る強い競馬を見せました。2走前とは別馬のようなレースをしましたが、鞍上の100点満点騎乗と展開&馬場の恩恵があったこと、他には必ず最後に垂れるロードエクレール、ギアチェンジが効かないウェルドーンをかわしての1着という内容なので過大評価禁物です。外枠を引いて溜める形を取ると脚が鈍るので、とにかく内枠が欲しいところ。外枠を引いたら切りたいです。

ロードエクレール
自分の形になっても最後に垂れる。それが前走であり、前々走の内容でした。あれを見ると強いとは思えず、この馬に走られたらしょうがないという感じ。前走、前々走を見る限り、この馬が今回、逃げ切るイメージは持てませんでした。

ロードレガリス
前走プロキオンSは1年1ヵ月ぶりのレースで4着に好走。少し長めの距離に適性がある馬なので、小倉D1700mはどうかと思いましたが、しっかり脚を使ってきました。ただ上位陣の名前(ゲンパチルシファー、サクラアリュール、ヴェルテックス)を見ても分かる通り、東京D2100mに適性がある面々。そう考えると、当馬向きのレース質になったと見て良いでしょう。過去のレースを観ると分かるのですが、「気性の難しさ」を持っており、武騎手がまともに追えていないレースばかり。特にコーナリングでの加速に難があって、前走も加速して回ってきたというより、なんとかごまかして回ってきた感じでした。4走前のアルデバランSでは向正面で加速して先団に取りついて直線を迎える形を取っていましたが、札幌D1700mだとどうしてもコーナーでの加速が求められるだけにそこは難点。一方で、メンバー最上位のポテンシャルを持った馬という見方もしており、まさに「諸刃の剣」状態。人気がないなら一発狙いたいですし、人気なら少し嫌う方に、という感じですね。

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