藤沢雄二さんの競馬日記

フランジヴェントが未勝利戦を突破!~POG第25節~

 公開

169

5頭が出走した先週のPOG戦線はフランジヴェントが未勝利戦を勝ち上がってくれました。


【出走結果】
・11月16日 東京11R 東京スポーツ杯2歳S
☆ラインベック 3着 1.46.0・良(1着馬とのタイム差+1.5)
単勝オッズ 4.6倍(3番人気)
【採点:5.5】
《ラップタイム》12.9-11.0-11.4-11.8-11.7-11.8-11.7-10.8-11.4

東京スポーツ杯2歳Sに出走したラインベックは3着でした。

《ウィリアム・ビュイック騎手》
先生からは「スタートが速いし、馬の後ろに入れれば折り合いはつく」と聞いていました。
ただ「切れるタイプではない」とも聞いていたし、実際にそう感じましたね。
流れに乗れたので、いい勝負になると思ったんですが、勝ち馬にあの勢いのまま突き抜けられてはどうしようもありませんでした。
馬場が堅いので、その適性の差が出ました。
1800mの時計勝負では分が悪いですが、ギアが少しずつ上がるので距離は長い方がいいし、2400mは向くと思います。
前から離されても諦めることなく3着を確保したのは偉いですよ。


まあ、ぐうの音も出ない完敗ではあるのだけど、だからといってラインベックが弱いとかそういう話でもないわけで。
とりあえず勝ったコントレイルが強かったのは認める。あんな急仕上げでも1番人気に支持したファンの眼力にもビックリだけど、大きな差がついたのはムーアが乗っていたこともあるだろう。
最後まで気を抜かせなかったのは将来的な種牡馬価値を見据えてという部分もあると推測できるわけで、高いレイティングを得ること、1.44.5というレコードを記録できたのは絶対能力の証とも言えるわけで、そうすることはおそらくライダーの本能という感覚もあったのではないかと。

たださ、このレコードって結構、究極の領域までいっている気もするのよね。
レコードはスゴいけど、更なる伸びシロがあるとは考えにくいわけで。

机上論でいえばこのレコードでもタイムランクは10段階評価の「8」に過ぎないらしい。
なんでもサイレンススズカであれば、この週の馬場コンディションなら2000mで1分55秒台で走ることが可能だという。
だからその理屈でいけばコントレイルにももっと伸びシロがあることになるが、生き物の馬はダービースタリオンやウイニングポストのグラフィックとは違うわけで。

「もっと速く」を追究するのは古馬だけでいいんじゃないの?
単純に2歳馬が芝1800mを1分46秒台前半で走れば十分に速いだろう。それは馬場差にかかわらず。
同じ芝1800mの17日の牝馬限定の未勝利戦が1.47.4で決着しているので、それを考えるともし東京スポーツ杯2歳Sがその1分46秒台前半で決着していたら「時計は平凡」と評価されていただろう。でもイスラボニータが記録した従来のレコードは1.45.9である。レコードとそんなに差のない時計を酷評したら馬場造園課のやる気を刺激することにはならないか?
そんな“タイムランク至上主義”が今年のジャパンカップでの外国馬不参戦の一因になっている気がしてならない。

そして若駒が速過ぎる時計を出す弊害としては、海外の2歳馬のトレーニングセールで高値での取引を狙うあまりファステストラップを叩き出した馬を日本人バイヤーが買って輸入してみたらサッパリだった話は一つや二つじゃない。

人間でも10代のスポーツ選手で「オリンピックでメダル有望」と期待された選手が身体の成長過程で体幹のバランスが崩れて伸び悩むケースはあるけど、馬にだってその可能性は当然あるわけで。
コントレイルが来春を見据えて放牧に出て、いざ帰ってきたら…ということも可能性はゼロではないだろう。

そうでも考えないと“9馬身”という決定的な差を埋めるのは容易ではない。
そうやってモチベーションを保とうとしているのに日刊スポーツごときに
『ラインベックは3着確保が精一杯』
そんな見出しを書かれるのは非常に腹が立った。

コントレイル陣営が他馬の心を折りにくるなら話はわかるが、マスコミという傍観者に心は折られたくない。
精一杯だったことは見ればわかるんだよ。
それをわざわざ書く必要はない。
ファン心理を逆なでする気なのか?

記者とデスクを体育館の裏に………いや、場外乱闘で赤い鉄柱にぶつけたいわ!

まあ暴力はいけないのでw
理詰めで説得してみよう。

3着という結果は、今回のように延べ9馬身差をつけられてもハナ+ハナで競り負けても変わらないし貰えるポイントも同じである。
さらに言えばレコード勝ちボーナスや大差勝ちボーナスが設定されているわけでもない。
なので3番人気での3着は最低限の結果であると言える。
そして完全に展開の向いた牝馬に3着の座を食われなかった価値は実は大きい。それこそビュイックの言葉を借りて「偉い!」と言える内容なのだ。

もちろん見た目には大敗である。
でもそれはコントレイルが単純に良かっただけのこと。
折しも24日はACL決勝の2nd.レグが行われるのだが、ホーム&アウェイ形式の試合で「敵地で一矢報いる」のは大事なことなんです。

サッカーで3失点というのは守備崩壊と言っていいレベルで、打ち合いにでもならない限りは大敗という言葉がついて回る。
日本のスポーツマスコミは野球がベースなので、サッカーの3失点を野球に変換すると9失点になると思っていい。
というのも野球で没収試合が起きた場合の記録上のスコアは9-0だが、サッカーで没収試合が起きた場合は3-0である。乱暴な物言いだがサッカーの1点は野球の3点に相当することになる。余談だが先日のキリンチャレンジカップでの日本代表の4失点なんてボロ負けもいいところで、それも前半だけで喫したものだからアマチュア野球ならコールドゲームものである。

なのでラインベックがつけられた9馬身はサッカーの3失点ぐらいのショックはあるんですよ。
でも懸命に踏ん張って3着を確保したのは「敵地で1点返した」価値はあると思えるのね。
この“アウェイゴール”というのは結構大事で、現に2017年のACL準々決勝で浦和レッズは等々力での1st.レグを1-3で敗れたのだが、埼玉スタジアムでの2nd.レグは4-1での大逆転勝利を飾ってその勢いのまま2度目のアジア制覇を果たしたことがある。この時に0-3の劣勢から挙げたアウェイゴールがどれだけ勇気を与えたことか。

なのでラインベックとて今回の敗戦で心が折れている場合ではないし、来春のGⅠでの逆転劇だって十分に可能性はあるわけだ。


・11月17日 東京1R
△フランジヴェント 1着 1.21.8・良(2着馬とのタイム差-0.0)
単勝オッズ 3.8倍(2番人気)
【採点:7.0】
《ラップタイム》12.2-10.8-11.3-12.0-11.8-11.6-12.1

東京の未勝利戦に出走したフランジヴェントが見事に勝ち上がりました♪

《丸山元気騎手》
並びかけられてももうひと伸びしたように、力のある馬です。
課題はゲートだけだと思っていたのでクリアできたのが大きいですね。
昇級しても楽しみですが、距離はもう少し短い方がいいかもしれません。


やはりゲートを五分に出たのが勝因でしょうね。
直線を向いて2着馬に並びかけられた時はヒヤッとしましたけど、ゲートをちゃんと出た分、余力が残っていました。
丸山騎手のコメントによれば「短い方がいいかも」とのことですけど、コース形態を考えるとどの場でも1200mは少し不安ですね。せっかく1400mで勝ったのだから1400mまではこなしてほしいし、その方がレース選択にも幅が出ますから。


・11月17日 東京5R
△テルヌーラ 5着 2.05.0・良(1着馬とのタイム差+0.5)
単勝オッズ 3.1倍(1番人気)
【採点:5.0】
☆イグニタス 13着 2.06.3・良(1着馬とのタイム差+0.8)
単勝オッズ 30.7倍(9番人気)
【採点:3.0】
《ラップタイム》13.3-12.8-12.9-13.1-13.0-12.7-12.6-11.6-11.1-11.4

東京の同じ新馬戦で2頭がデビューしましたが、1番人気のテルヌーラは5着に敗れ、関西馬のイグニタスは13着と奮いませんでした

《テルヌーラ・丸山元気騎手》
スタートが速かったし、他に行く馬もいなかったので押し出されるようにハナへ行きました。
ただ、何かを目標に置いて運んだ方が良さそうですね。
いい馬ですよ。


結果論になってしまいますけど、この日の馬場でテルヌーラはハナに行ってはいけませんでしたね。
なんかフワフワしていて幼い印象。実戦を一度使って変わり身があればいいのですが。

一方のイグニタスは時間がかかりそう。一歩ずつ前進をしてくれれば。


・11月17日 京都9R 秋明菊賞
△ジュビリーヘッド 2着 1.23.0・良(1着馬とのタイム差+0.1)
単勝オッズ 5.9倍(3番人気)
【採点:6.0】
《ラップタイム》12.5-11.3-12.0-12.0-11.4-11.6-12.1

京都の秋明菊賞に出走したジュビリーヘッドは収穫のある2着でした。

《ライアン・ムーア騎手》
ゲートを出なくて後ろからに。
モタれる面があるので外に出さざるを得なかったけど、ラストはいい脚で伸びてくれた。
すぐに勝てると思うよ。


新馬戦とは打って変わって後方からの競馬に。
どうなることやらと見ていたら、馬群の中に突っ込んでから外に持ち出して追い比べに加わって2着を確保。勝ち馬は今回に限ってはレースが上手かったですが、ジュビリーヘッドも一瞬、勝つかと思ったほど見せ場はありました。
リップサービスはあるにしても、ムーアに「すぐに勝てる」と言われたらその気になりますw
放牧に出ましたが年内にもう一戦とのことなので勝って来春に繋げたいですね。

第25節終了
7-8-2-26/43
《指名馬の騎手成績》
福永祐一:2-1-0-1
北村友一:2-0-0-1
川田将雅:1-0-0-2
菅原明良:1-0-0-1
クリストフ・ルメール:0-2-0-2
斎藤新:0-2-0-0
武藤雅:0-1-0-0
田辺裕信:0-1-0-0
ライアン・ムーア:0-1-0-0
岩田望来:0-0-1-0
ウィリアム・ビュイック:0-0-1-0
松若風馬:0-0-0-4
浜中俊:0-0-0-2
ミルコ・デムーロ:0-0-0-2
丸山元気:1-0-0-3
藤岡佑介:0-0-0-1
松岡正海:0-0-0-1
岩田康誠:0-0-0-1
菱田裕二:0-0-0-1
クリストフ・スミヨン:0-0-0-1
オイシン・マーフィー:0-0-0-1
北村宏司:0-0-0-1
石橋脩:0-0-0-1

《人気度数》
1番人気:5-5-0-5
2番人気:1-1-1-6
3番人気:0-1-1-3
4番人気:0-1-0-2
5番人気:0-0-0-3
6番人気:1-0-0-3
7番人気:0-0-0-1
8番人気:0-0-0-1
9番人気:0-0-0-2

やはり出走機会が増えないと順位も上がっていかないですね。
とにもかくにも未勝利戦or新馬戦を突破する馬が1頭でも増えて、高いレベルでコツコツとやっていきたいところです。

この日記へのコメント

コメントはありません。

関連競馬日記

新着競馬日記

人気競馬日記