Mr.11さんの競馬日記

第97回箱根駅伝を終えて

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駒澤大の大逆転優勝で幕を閉じた第97回箱根駅伝。全日本大学駅伝を制したことで、戦前から駒澤大を優勝校に予想していた人は数多くいたに違いないが、まさかあんな形で優勝すると予想していた人は少なかった、いや、ほとんどいなかっただろう。前回が区間新記録続出の「記録」に魅了された大会だったとすれば、今回は往路で度重なる首位交代、復路で最終区大逆転という「展開」に魅了された大会だったと言えるだろう。野球で例えるなら、まさに9回裏逆転サヨナラの展開だった。

■区間賞の数≠駅伝力
今回も区間賞を獲得した学校が多岐に渡った。
1区法政大☆   6区駒澤大
2区東京国際大☆ 7区東京国際大②☆
3区東海大☆   8区明治大
4区山梨学院大☆ 9区創価大
5区帝京大    10区駒澤大②☆

10区間で実に8校である。創価大は、8区まで区間賞が一人もいない中で首位を走り続けたことにも特徴が表れているように、やはり近年個人の力は各校で拮抗しており、より「駅伝力」が重要となる。区間賞を多く出すことよりも、ブレーキ(失敗区間)をなくすことが勝利への近道となることを痛感した。
なお、☆がついている区間は当日エントリー変更で走った選手が区間賞を獲得した区間である。全区間のうち6区間と半分以上になる。攻めの気持ちが高まるのか、当日入った選手が区間賞を獲ることが多いのも覚えておきたい。


■各大学にとっての今大会と来季に向けて
[1位]駒澤大
13年も優勝から遠ざかっていたのは意外だった。田澤が決して快走とは言えない中で総合優勝したのは大きな収穫。今回のメンバーが9人も残り、現1年生もスター揃いであることから再び常勝軍団となるか。
[2位]創価大
戦前の予想をはるかに上回る準優勝は見事。悔しい準優勝に見えるが、ここまで戦えたことを大きな自信にして今後常連校になることを期待。
[3位]東洋大
前回、10年連続3位以内が途切れたがすぐに返り咲いたのはさすが。最終区で一度交わされた青学大を抜き返しての3位は価値がある。松山、宮下を軸にさらに強いチームへ。
[4位]青山学院大
まさかの往路での出遅れやベストメンバーが組めなかったことが響き、持ち前の駅伝力が発揮できなかった。それでも復路優勝はさすが。悔しい翌年の青学大はきっと強いはず。
[5位]東海大
優勝候補として存在感はアピールしたが、いま一つ波に乗りきれなかった。4年生3本柱が抜け、新しいチーム作りとなり勝負の年に。
[6位]早稲田大
中谷、太田のWエースをはじめ10人中9人が残るのは明るい材料。鬼門の山上り専門家を育てることが急務課題。
[7位]順天堂大
唯一予選会からシード権を獲得。今回、苦い箱根デビューとなった三浦を筆頭に下級生の成長が楽しみ。
[8位]帝京大
往路が終わった時点で総合優勝も視野だったはずが、山下りが誤算。今回、1・2年生を一人も起用していないことから下級生の成長がカギ。
[9位]國學院大
強い4年生が抜けた翌年のシード権獲得は価値がある。主力は3年生だけに、来季は安定感が増しそう。
[10位]東京国際大
留学生だけでなく、日本人で区間賞を獲れたのはチームにとって非常に大きく、シード権獲得の後押しとなった。4年生6人が残してくれた置き土産に感謝してチーム再建を。
[11位]明治大
優勝候補がまさかのシード落ち。序盤の出遅れが最後まで響いた。トラックレースの成績は申し分ないだけに、一年間悔しさを忘れず駅伝力強化を。
[12位]中央大
悔しい2年連続の12位。ただ、復路一斉スタートから復路3位は立派。来年こそは前々でレースを進めたい。
[13位]神奈川大
往路8位など、見せ場は作った。1年生も3人経験できたことは、必ずや来季につながるはず。
[14位]日本体育大
大エース池田が抜けることからも、まずはエースの育成からチーム力を高めたい。
[15位]拓殖大
10人中9人が残る若いチーム。ラジニ頼みにならない日本人エースを育てたい。
[16位]城西大
山上り1年生山本の台頭は心強い。砂岡をエース区間で使えるよう底上げを図りたい。
[17位]法政大
1区鎌田の区間賞で久々にオレンジ旋風を起こした。鎌田に続く選手が出てくるかがカギ。
[18位]国士舘大
襷は確実に繫いでいるが、上位でレースを進めるためには1区で出遅れない選手を育てたい。
[19位]山梨学院大
復活出場となったが無念の繰り上げスタート。この悔しさをバネにまた箱根路に戻ってリベンジしたい。
[20位]専修大
久々の出場も2区以降最下位と低迷。まずは連続出場を目指す。


今大会は、どの選手も口を揃えて「まず開催していただいたことに感謝」と表現するが、我々ファンもその気持ちは強く抱いたに違いない。「箱根駅伝開催」という太い襷はつながれた。まだ先の見えない日が続くが、全国民で体調を管理して来年の大会へとつなげることを願いたい。

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