TERAMAGAZINEさんの競馬日記

「ダート界の世代交代」はあるのか?「カレンブラックヒルは買いか?消しか?」

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【第30回フェブラリーS】G1東京ダート1600m定量










今年のフェブラリーSには、考えなければならないテーマが2つあります。




1つは「ダート界の世代交代」はあるのか




もう1つは「カレンブラックヒル」の扱い




です。










【ダート界の世代交代】

全23勝を挙げ、G1を6勝含む9連勝で「砂のサイレンススズカ」と呼ばれた最強ダート馬スマートファルコンは引退。JCダート連覇、フェブラリーSなどG1を4勝したトランセンド、JBCクラシック3連覇含むG1・9勝ヴァーミリアン、JCダート2連覇のG1・7勝馬カネヒキリは引退しました。







しかしJCダート、フェブラリーS(10年)などG1・7勝で8歳エスポワールシチー。昨年のフェブラリーS優勝で1昨年2着の7歳テスタマッタ、昨年2着の7歳シルクフォーチュン、昨年3着でJBCクラシックを圧勝した7歳ワンダーアキュート、東京ダートマイルは武蔵野Sを勝ち【3・1・0・1】の7歳ナムラタイタン、ダート重賞7勝の7歳セイクリムズンの旧勢力に、4歳、5歳馬が対抗出来るのか?です。



東京大賞典優勝の5歳ローマンレジェンド、JCダート圧勝の6歳ニホンピロアワーズが回避した今は、




8戦5勝3着2回で一度も掲示板を外したことがなく、連勝でG3武蔵野Sを勝ち(2着がガンジス)、ダート界の新星となるはずだったイジゲンはJCダートで15着惨敗から巻き返しなるか。




1番人気の根岸Sを勝ち切れず2着だったガンジス。前走東海Sを圧勝した5歳グレープブランデーが勢いそのままG1戴冠なるか、です。










【カレンブラックヒルの扱い】

初ダートでG1に挑戦した馬は【0・0・1・20】




しかも、16頭が2ケタ着順、掲示板に入った馬すら3着のトゥザヴィクトリー1頭だけ。







しかも挑戦馬にはG1実績馬は多いです。




カレンブラックヒルと同じくG1NHKマイルCを勝って臨んだシンボリインディ→9着。




G1皐月賞2着で、翌年、G1高松宮記念を勝つキングヘイローは1番人気で→13着。




次走のG1ドバイワールドカップ2着、G1エリ女勝ち、G1有馬記念3着のトゥザヴィクトリーだけが唯一3着と馬券圏内。




G1高松宮記念馬オレハマッテルゼ→16着。




新馬戦からG3を3連勝して皐月賞3着でG1ダービー1番人気のフサイチホウオー→11着。




G1皐月賞馬ヴィクトリー→15着。




高松宮記念、スプリンターズSとG1・2勝のローレルゲレイロ→7着。




G1ダービー2着で菊花賞1番人気で5着のリーチザクラウン→10着。




朝日杯FS、NHKマイルCとG1・2勝で臨んだグランプリボス→12着。




有馬記念2年連続3着、重賞5勝のトゥザグローリー→12着。













結論として、

カレンブラックヒルは「消し」です。




ダイワメジャー産駒でダート重賞勝ち馬はいません。







カレンブラックヒルと同じNHKマイルCを勝って臨んだシンボリインディ14着、グランプリボス12着の結果が全てを物語っています。







皐月賞馬ヴィクトリー15着、ダービー2着馬リーチザクラウン10着とクラシックの実績馬も2ケタ惨敗ですから。
















東京新聞杯は、過去9年(注03年は中山開催)で、





牝馬【0・0・0・10】







データ通り1番人気ドナウブルーは惨敗しました。




データは過去の蓄積です。










カレンブラックヒルも同じです。



















【結論】

「ダート界の世代交代は完全には起こらず7歳、8歳馬が好走」




「カレンブラックヒルは無印」













4歳イジゲンは勝つのは無理だが、2着、3着はアリ。

7歳テスタマッタ、7歳ワンダーアキュート、7歳ナムラタイタン、8歳エスポワールシチーも2着、3着はアリ。

勝つのは5歳グレープブランデーと見ています。













◎グレープブランデー

○テスタマッタ

▲ワンダーアキュート

注ナムラタイタン

△エスポワールシチー

△イジゲン















【追記】

「競馬に絶対はない」



という言葉があります。





ウサイン・ボルトもオリンピックの大舞台をフライングで失格になりました。

ましてや、人の言葉や思惑や希望、願いを完全に理解出来ない動物であるサラブレッドが走るのが競馬です。







どんなアクシデントが起こるか分からない。











87年有馬記念。出走直後落馬したダービー馬メリーナイス。3コーナーで故障発生した皐月賞、菊花賞の2冠馬サクラスターオー。











96年は、3歳で有馬記念を勝った3冠馬ナリタブライアンが3200mの天皇賞春2着後、まさかの1200mのG1高松宮杯に出走。






大久保調教師は「宝塚記念の前に一度レースに出走させる方針」を立て(なぜか)芝スプリント戦のG1高松宮杯に出走させることを決定。











この参戦は当時大きな論議を読んだが、いくら「シャドーロールの怪物」であっても全く適距離でない1200mのG1を勝てるはずも無く、(それでもナリタブライアンの底力と陣営の自信あふれるコメントで)2番人気に支持されたが、0、8秒差の4着に破れました。









98年。サイレンススズカは、G1宝塚記念を含む6連勝(全て1番人気で逃げ切り圧勝、レコード2回)、特にG2毎日王冠は59キロの斤量で1000m通過57秒7という並みの逃げ馬なら玉砕覚悟の超ハイラップで逃げ切り、エルコンドルパサーを2馬身半破った。グラスワンダーは5着。





そして迎えた天皇賞秋。単勝1、2倍の圧倒的人気。


レース前、多くのTVや競馬紙は、サイレンススズカが負ける要素を探したものの、「アクシデントがない限り」サイレンススズカは負けない、という意見が大勢を占めた。



さらに、武豊、担当厩務員が口を揃えてデビュー以来最高の状態と明言したサイレンススズカは、前走を上回る1000m57秒4の超ハイペースで大逃げを打つ。他の馬は競りかけることすら出来ず、3コーナー手前では2番手に10馬身、さらに3番手までが5馬身と後続を大きく引き離し快調に飛ばしていた。しかし、3コーナーを過ぎたところで突然の失速。左前脚手根骨粉砕骨折発症により、競走を中止。





まさかの「アクシデントが起こって」しまったのだ。





大川慶次郎氏は「無事に走り切れていたならば8、9馬身は前で走っていたと解説し、同時に「コレだから競馬に絶対はない」と発言した。












05年無敗で3冠馬になったディープインパクトは、単勝1,3倍でハーツクライに破れました。









皇帝7冠馬シンボリルドルフは、84年初の古馬対戦となったJCでカツラギエース、ベッドタイムの3着に破れ初の敗戦。





85年の天皇賞秋は、単勝1,4倍ながら「あっと驚くギャロップダイナ」に大外急襲され、まさかの2着に敗退。









86年、2000ギニーを楽勝し、後に凱旋門賞、キングジョージを勝つ「ヨーロッパ史上最強馬」と呼ばれて、先日『不可解なレーティング見直し』で評価を下げられ、フランケルに抜かれるまでは141ポンドで歴代1位だったダンシングブレーヴは英ダービーを単勝1,5倍でシャーラスタニ(その後、愛ダービーも優勝)に破れた。













「競馬に絶対はない」





ことを示すエピソードです。







しかし、この歴史的事実が表しているのは「絶対的最強馬も負ける」ということです。







そして、

「まぐれで優勝出来るほど、古馬牡牝混合G1レース(定量)は甘くない」ということも表しています。











カレンブラックヒル陣営は「大目標は安田記念でそのステップレースとして出走」と明言しています。









そんな甘い考えで勝てるほどG1は軽いものではない。











大久保調教師は、「ナリタブライアンなら1200mでも楽勝だろ」と安易に考えていたとしか思えません。出走すれば必ず「ファンの人気を背負う」名馬は出るレースをしっかり吟味してほしいと思います。カレンブラックヒルも同じです。

出走するからには、勝てると思って出走して欲しい。









東京ダートマイルは特殊形態で、スタートが芝です。

ココでダッシュを付け、他馬を一気に引き離し、砂をかぶることなく逃げれば勝機はあるかもしれません。







それでも僕は、直線でダートでキレる馬テスタマッタ、グレープブランデー、シルクフォーチュンに差されると思っていますが。





4コーナー手前で、エスポワールシチー、ナムラタイタン、ワンダーアキュートに交わされてしまうのでは。





でもダートG1初挑戦でも、トゥザヴィクトリーの3着の例があるので、3着になら粘れる可能性(21頭中1頭なので、データだと0、047%)はあるかもしれませんが、勝つのは無理でしょう。









もし勝ったら、サイレンススズカを上回る名馬ということになります。









武豊は、「もし豊さんの身体がもう一つあり、武豊&ディープインパクトと対戦できるとしたら、これまで数多く乗ってきた優駿の中で、打倒ディープとしてどの騎乗馬を選びますか?」という質問に対して、武はサイレンススズカを選択した。



武はサイレンススズカに対して「本当にこんな馬がいるんだ」という馬に初めて出会ったとインタビューで語っている。



「この馬ならG1馬相手にものすごい勝ち方ができると思っていたのに、その夢が一瞬にして消えてしまった」と答えている。



また、「Number」誌上で「あんなことになっていなかったらなぁ、って今でも不意に思い出すときがあります。天皇賞は間違いなく勝っていただろうとか、その後のジャパンカップとか、ブリーダーズカップにも行っていたかとか」述べている。





宝塚記念で騎乗した南井は自身が主戦騎手をつとめた3冠馬のナリタブライアンを引き合いに「サイレンススズカの能力はナリタブライアンに匹敵する」と語っている。











天皇賞秋を自分のペースで2番手先行したのに、エイシンフラッシュの5着に負けたカレンブラックヒルが、そんなサイレンススズカに匹敵すると思いますか?



















尚、公平を期すために、一つの逆の例を挙げます。





ダイワスカーレットは、4歳時、ドバイワールドカップ出走前のステップレースとして、フェブラリーSに登録しましたが、調教中に怪我でフェブラリーSを回避し、併せてドバイ遠征も白紙となりました。







5歳時もドバイワールドカップを目標に、前年同様にステップレースとしてフェブラリーSに登録しましたが、追い切り直後に脚部不安を発症したために出走を回避、翌日には浅屈腱炎であることが判明、ドバイワールドカップも回避し、引退しました。

引退式は無し…( ;∀;) カナシイナー







松田国調教師は「ダイワスカーレットはフェブラリーSに出走していたらブッちぎりで圧勝していたと思う」とコメントしています。







もちろん、無事ならその後、大目標のドバイワールドカップも勝って、年度代表馬に選出されていたでしょう、…と僕は思っています。









カレンブラックヒルの父ダイワメジャーは、ダイワスカーレットの兄です。コレも縁なのでしょうか。







カレンブラックヒルがダイワスカーレットクラスの馬なら、ステップレースとはいえ、ココも勝てるかもしれません。









…というカレンブラックヒルが勝つロジックを展開してみました。









あとは、ココまで僕のブログを読んで下さった皆さまがご自分で判断してください。







最後にもう一つ、追記すれば、もしかしたら…ですが…、清水成駿氏は「東スポの馬単三国志」で、「カレンブラックヒルに◎を打つかもしれません」。





ちょっとコワイですね…。

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