グリーンセンスセラさんの競馬日記

マイルCSの「疑惑」決着

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「やったもん勝ち」SNS上に批判渦巻くマイルCSの「疑惑」決着は「浜中俊騎手の右ムチ連打」だけが原因じゃない!?━ Gambling Journal ギャンブルジャーナル/ 2016年11月21日 11時58分 http://biz-journal.jp/gj/2016/11/post_1863.html

 レースを観戦した多くの人々が目を覆ったことだろう。京都11RのマイルCSは、競馬ファンのみならず関係者含め競馬にかかわる全ての人が首を傾げる疑惑の決着となった。

 問題のアクシデントが発生したのは、今にもレースが決しようというラスト100m付近。先手を奪ったミッキーアイルとネオリアリズムが前で壮絶な叩き合いを演じるところに、後続の差し・追込勢が猛然と襲いかかる。外からはイスラボニータが少し内に切れ込みながら脚を伸ばし、ラチ沿いで脚を溜めたサトノアラジン、ディサイファ、ダノンシャークも併せ馬の形で一気に追い上げる。まだ勝負の決着は誰にもわからない。どの馬が秋マイル王の栄光に輝くのか...スタンドのファン、テレビの前の視聴者、競馬関係者など多くが結末を目に焼き付けようと息を飲んだ。

 前2頭と3番手以下の差がほとんどなくなった瞬間に、事件は起こった。ミッキーアイルとネオリアリズムの2頭が揃って左側に斜行。サトノアラジン、ディサイファ、ダノンシャークの進路が急激に狭くなった。最も大きな被害を被ったのは3頭の真ん中にいたディサイファ。2頭の間に挟まれて立ち上がってしまい、鞍上の武豊騎手があわや落馬寸前という事態に。当然上位争いは不可能になり、ズルズルと後退してしまった。

 サトノアラジンもディサイファほどではなかったが、ネオリアリズムに完全に進路をカットされて万事休す。その後もよく追い込んだものの、馬券圏内を確保することはできなかった。ダノンシャークは最も被害の程度は少なかったと思われるが、それでも影響があったことにかわりはない。

 レースは案の定審議となり、ターフビジョンの右上に真っ青なランプが点灯。ミッキーアイルが降着、あるいは失格になるのか、もしくはネオリアリズムが...そんな想像が頭をよぎる。だが...結果的に着順は入線どおり確定。1ミッキーアイル2イスラボニータ3ネオリアリズムで決定となり、配当の払い戻しが整然と行われた。

 競馬場やTVの中継スタジオにも、なにやら不穏な空気が流れたが、ファンの不満が爆発したのは当然ながらSNS上だ。「あんなの浜中のヤリ得」「不利がなかったらサトノとディサイファは馬券になっていた」といった批判コメントがTwitter上に噴出。タイムライン上は一時騒然となった。

 事態を冷静に把握するために、もう一度レースのパトロール映像をおさらいする。残り100mの地点で先頭にいるのはミッキーアイルとネオリアリズムの2頭。外からイスラボニータが追い込み、同時にサトノ、ディサイファ、ダノンの3頭が間から並んで追い込んでいる。はじめに動いたのは、ムーア騎乗のネオリアリズムだ。明らかに一杯という手応えで、少し右に(騎手目線では左に)馬体がふらついている。だが、最初の動きはまだ審議になるほどではない。問題は、ネオの動きを察知して、浜中俊騎手が馬体を合わせに右ムチを連打したことだ。もちろん併せ馬の形に持ち込むのは、騎乗方法としてなんら間違いではない。競走馬の闘争本能を引き出すために、他馬と並んで走らせることは騎手にとって必要な技術だ。

 ただ、ミッキーアイルが馬体を合わせた瞬間に、ネオリアリズムの馬体はさらに右に流れてしまった。この動きのせいで後ろのサトノが押され、つられてディサイファ、ダノンも被害をこうむり、なんともモヤモヤ感の残る結末を演出してしまったというわけだ。

 現在の競馬の降着に関するルールでは、「『その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた』と判断した場合、加害馬は被害馬の後ろに降着となります。」とJRAのホームページに記載されている。だが、競走馬は繊細で神経質な生き物。ほんのわずかな有利不利が着順に大きく影響することを考えると、今回の決着には正直首をかしげざるを得ない点もある。ディサイファほどの不利を受けてしまえば、もう一度馬体を立て直して競馬に参加することは不可能。不利がなければどうだったかということは、もはや誰にもわからない。

 折角の大一番がしこりの残る結果となってしまったのは残念だが、あえて前向きに捉えるならば、今回の事件は降着・失格制度の運用について改めて考える機会とするべきではないか。サトノアラジン、ディサイファの馬主、厩舎、騎手など関係者、そして何より被害を受けた馬の馬券を買っていた競馬ファンが不憫である。JRAには競馬にかかわる全てのステークホルダーが納得できる運営を行ってもらいたいものだ。

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