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[GⅠ天皇賞・春=2022年5月1日(日曜)4歳上、阪神競馬場・芝外→内3200メートル]
上田 終わってみれば7馬身差の圧勝劇か。普通ならタイトルホルダーの強さだけが際立ったレース、ということになるんだろうが…
明石 妙に歯切れが悪いですね。何か不満なところでもあるんですか?
上田 別に不満というわけじゃないが、これでタイトルホルダーのキャラが浮き彫りになったなとは思ってる。
明石 どういうことでしょう?
上田 前後半5ハロンラップが60秒5→60秒3。落差がほとんどないから馬柱のペース表記としては「M」になるわけだが、7~11ハロン目の中間ラップの合計が63秒5。これは見逃せないポイントだよ。
明石 道中にしっかりと息を入れる地点を作ったことで、後半の5ハロンを前半と同じ水準に収めたということですね。
上田 その通り。後続を5馬身置き去りにした昨年の菊花賞も5ハロンごとの分割ラップは60秒0→65秒4→59秒2。昔、大逃げを打った馬のいたレースのラップを〝偽りのハイペース〟と表現したことがあったけど、タイトルホルダーの場合は言うなれば〝偽りのMペース〟だな。
明石 一貫ペースに強いと見せかけて、実はスローペースでこそ持ち味が生きるタイプの逃げ馬だと。
上田 そう。だからこそ今後のレース選択が難しくなると思うぞ。今回みたいな手が使えるのは3000メートル以上のマラソンレースだけ。最近の秋の天皇賞やジャパンCの道中でハロン13秒台なんてほとんど見たことないだろう?
明石 よほど馬場が悪くならない限りはまずないでしょうね。時計のかかる阪神内回りの宝塚記念や中山の有馬記念でも良馬場だと微妙なところで。
上田 つまりは今のままのキャラだと中距離のGⅠでは厳しいと言わざるを得ないってことだ。まぁ、まだ4歳の春だし、これからガラッと〝イメチェン〟する可能性もなくはないけどな。
ゴンザレス権蔵も、上田さんの理論&回顧に共感した。しかし、パンサラッサの様な大逃げを打てば、他馬の破壊力を削ぐ事ができるかも知れないが、同型タイプのジャックドール&パンサラッサがいる現日本競馬では、難しいかもしれません。
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