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帚木 蓬生 (著) 「閉鎖病棟」 (新潮文庫)
<内容紹介>
とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある事件だった……。彼を犯行へと駆り立てたものは何か? その理由を知る者たちは――。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。
☆ ☆ ☆
そもそも、この作家のこの小説にたどり着いたのは、直前に読んだ新潮文庫の新刊「悲素(上・下)」。
この作家の著書をそれ以前に読んだことがなかったし、この作家の名前を正確に読めなかったくらいでしたから。
で、「悲素(上・下)」が読み応えがあり、その余韻が冷めないまま手にしたのがこの「閉鎖病棟」。
出版界も不況で、書店でも売り急ぎたいのか、内容が軽く読みやすい、映画やドラマとタイアップしたような目立ちやすい作品ばかり押し出したり、それらに売り場のスペースを割いていますが、本当に素晴らしい、だからこそ生き残り、読み続けられる本物の作品を冷遇しないでほしいですね(売る側の事情は理解しますが)。
やっぱり、良い本と巡り会うには、自分で考え、選ぶ時間と労力を惜しみ、横着してネットで、他人の評価、ランキングだけで「点」で購入するというスタイルでは、味気ないですからね(それで良い、という方のいらっしゃるでしょうが)。
ということで、映画も本も、出逢いを求めて寄り道することの楽しみ、醍醐味を忘れずに、というのが私の考え方、そしてスタイル。その探す、出逢うまでのプロセスを経て、その結果、その出逢いに感謝できるような作品にたどり着く幸せな経験、感動を味わい続けたいですからね。
さて、次はどんな作品に出逢えるのかな?
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