グリーンセンスセラさんの競馬日記

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20年経っても「後継馬なし」!“マイルの怪物”タイキシャトルが残した壮絶記録と、その可能性
日刊サイゾー / 2015年11月21日 23時30分 http://www.cyzo.com/2015/11/post_25033.html

 今週末に中央競馬で開催されるマイルチャンピオンシップ(G1)。中央G1の中でも特に波乱が多い印象のある、京都競馬場のマイル(1600m)競走だ。

 過去5年で1番人気を背負って勝利した馬はなし。過去10年で見ても3度(ダイワメジャーの2連覇)と、人気どおりにはなかなか収まってくれない同レース。

 ダイワメジャー以外にも、デュランダルが2003,04年と連覇しているように、マイル戦を何より得意として強さを発揮する馬がいないわけではない。ただ、近年のスピード主体の日本競馬の構造上、マイルという“速さ”を競う部類のレースで圧倒的な強さを保持するのはなかなか難しい。上記の2頭も、絶対的な信頼を置かれたわけではないのだ。

 1984年のグレード制導入に合わせて新設以降、絶対的ともいえる信頼を置かれた馬は、たった2頭しかいない。1頭は、日本がスピード競馬に突入する前の1980年代を代表する「マイルの皇帝」ニホンピロウイナー。そして、90年代に現れたマイルチャンピオンであり、いまだ「史上最強のマイラー」としての呼び声が高い外国産馬、タイキシャトルである。

 栗毛というよりは“金色”の馬体とタテ髪を身にまとったタイキシャトルは、外国産馬らしく筋肉隆々で、いかにも短距離向きな体格だった。デビュー前は3回もゲート試験に落ち、デビューは97年、3歳の4月と最後のほうだったが、デビューすると芝とダートを3戦ずつして6戦5勝2着1回。大差こそつけないが、危なげないレース振りを続けて、初のG1であるマイルチャンピオンシップに挑んだ。

 当日は2番人気だったものの、レースでは中団前目から逃げるキョウエイマーチをあっさりと捕らえ、2馬身半差の完勝。あまりにもあっさりとG1馬の地位についてしまった。このレースを見た誰もが「マイルは引退までタイキシャトル」と思っただろう。完全にエンジンが違う走りであった。その後、当時年末に開催されていたスプリンターズS(G1)も楽々圧勝。その年のJRA賞最優秀短距離馬に選出された。

 海外遠征も視野に入れた明けて4歳になってからもその強さに変わりはなく、前哨戦をレコード勝ちした後、超不良馬場での開催となったマイルG1・安田記念も外から力強く抜け出して完勝。実況はゴールの瞬間、「夢は世界へ飛び立つか」と叫んでいる。競馬ファンの誰もが、この馬なら海外でも通用すると確信していた。

 陣営は海外遠征を決断。選ばれたレースは、フランスの古馬マイルG1の最高峰であるジャック・ル・マロワ賞。欧州の強豪の中でも圧倒的1番人気に推されたタイキシャトルは、並み入るライバルをクビ差抑え込んで勝利。騎乗した岡部幸雄は涙し、前週のシーキングザパールに続く2週連続での日本馬のフランスG1制覇を達成したことも合わせて、日本競馬史上初めて、世界を驚かせた立役者となる。

 帰国後のマイルチャンピオンシップでは、他馬が白熱の「2着争い」をする中で、5馬身というマイル戦らしからぬとんでもない着差で圧勝。まさに、開いた口が塞がらない強さだった。

 最後のレースとなったスプリンターズSは、明らかな調整不足で3着に敗れたものの、同年の鬼神のごとき活躍が評価され、短距離馬としては史上初のJRA年度代表馬に輝き、日本馬としては史上初のフランスエルメス賞の最優秀古馬にも選出。さらに、1999年には史上25頭目となる顕彰馬に選出されて「殿堂入り」を果たすなど、日本の競馬界にとてつもなく大きな功績を残した。

 とにかく、これだけの成績を残しても「もっともっとすごい記録を作れる」と思わずにはいられない、底知れぬ可能性を感じさせる馬だった。血統的にはアメリカのダートでも活躍が可能だったのではないか……。マイル以上の距離でも十分に勝負になったのではないか……。

 タイキシャトルを超えるマイラーは、20年近く経ってもいまだに出ていない。その評価は上がる一方である。今年のマイルチャンピオンシップ、新たなスター誕生となるのか。

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