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米三冠馬アメリカンファラオの「全妹」がデビュー戦を圧勝!その名も兄が「ファラオ」とくれば当然の......?━Gambling Journal ギャンブルジャーナル /2016.08.21
http://biz-journal.jp/gj/2016/08/post_1111.html
昨年、1978年のアファームド以来、37年ぶり史上12頭目となるアメリカクラシック三冠を達成したアメリカンファラオ。現在カリフォルニアクロームがアメリカ競馬を牽引で来ているのも、この"モンスター"が3歳一杯で現役を引退したからだ。
5着に敗れたデビュー戦から、2走目で衝撃のG1制覇。未勝利のアメリカンファラオが4馬身以上後続を突き放して初勝利をG1で飾ると、そこからは破竹の8連勝。「8戦合計37馬身」という圧倒的な強さでアメリカ三冠を達成している。
そこから"真夏のダービー"トラヴァーズS(G1)でまさかの敗戦(2着)を喫した際は引退まで囁かれた。だが、ラストランとなったブリーダーズCクラシック(G1)では、その鬱憤を晴らすように6馬身半差を付けてレコード勝ち。有終の美を飾り、アメリカの競馬史にその名を残した。
実は、そのアメリカンファラオの全妹が先月の31日にデビューしている。
その名もアメリカンクレオパトラ。もちろん「全兄が古代エジプトの君主『ファラオ』なのだから、妹は『クレオパトラ』でしょ」という、なんとも安易な発想だ。「オンファイア」などと洒落た名前を付けられた日本の三冠馬ディープインパクトの全弟とは大違いだが、どうやらこの"クレオパトラ姫"、今のところ兄を彷彿とさせる化物らしい。
31日に行なわれたデビュー戦。調教の動きがあまり良くないアメリカンクレオパトラは、三冠馬直近の全妹にもかかわらず、単勝オッズは8.3倍の3番人気に甘んじた。日本ではあまり考えられないことだが、ダート競馬が主流のアメリカでは追い切りの動きが日本よりも重要に扱われているのだ。
しかし、三冠馬の全妹は、そんなアメリカの競馬ファンをあざ笑うかのように3コーナーすぎで先頭に立つと、最後は楽に流して後続に2馬身差をつける完勝。レースが1106mのスプリント戦であったことを考慮すれば、流しての2馬身差は「圧勝」と述べて良いだろう。
さすがにこの時点で兄と比べるのは酷かもしれないが、アメリカンファラオがデビュー戦で5着に躓いたことを考えれば、上々のキャリアスタートといえる。
今年も一時は2歳女王ソングバードがケンタッキーダービー(G1)に参戦する噂が流れるなど、近年のアメリカ三冠レースは決して牡馬だけのものではない様相だ。だからこそ、アメリカンクレオパトラが来年のクラシックに向けて、どのような走りを見せてくれるのか今から楽しみだ。
ちなみにアメリカンファラオの一つ前のアメリカ三冠馬は、冒頭で触れた1978年のアファームド。
次のページ▶▶▶ 前三冠馬の妹は……
こちらの全兄弟もシーウォントテル、サイレントフォックスという2頭の妹がデビューしたが、どちらも大きな勝利を挙げることはできていない。後にシーウォントテルからG1馬が排出されるなど、むしろ繁殖としての活躍の方がクローズアップされている。
アファームドの三冠レースといえば、すべての競走でワン・ツーゴールした悲運の名馬アリダーの存在なくしては語れないが、実はここにもアメリカ競馬ならではのロマンあふれる逸話がある。
なんとアファームドの母ウォントテルユーの最後の仔が、アリダーの産駒なのだ。
アファームドとアリダー。まるで2頭のライバル関係を記念するかのように名付けられた牝馬インメモリーは、引退後日本に輸入されている。残念ながら目立った活躍馬は出ていないが、現代もその血は脈々と引き継がれている。
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