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逃げ馬バビットは〔1〕枠(1)番。重賞初勝利を挙げたGIII・ラジオN賞も最内枠だった。内田騎手は「スタートがいいので、コースロスなくいけるのは本当に有利だと思います」と声を弾ませた。浜田調教師は「言うことないですね。もともと内枠が欲しくて、残っている枠((1)(11)(12))では一番良かった」とうなずいた。
一昨年の覇者ブラストワンピースの枠順は〔1〕枠(2)番に決まった。大竹調教師は「スタートがそんなに速くないし、もう少し外でもよかった。勝ったとき(一昨年〔4〕枠(8)番)は外から早めのスパートだったけど、ここでは競馬の仕方は変わるのかな」と、内枠からどう進めていくかを思案している様子だ。父の典弘騎手とともに枠順抽選をテレビ観戦していた横山武騎手は「内がいいと思っていました。こういう舞台に立てて感謝していますし、その期待に応えなきゃいけないと思っています」と、やる気を見せた。
ミッキースワローの回避により、繰り上がりで出走にこぎつけたクレッシェンドラヴが、歴代最多の10勝を数える“最強枠”〔2〕枠(3)番をゲットした。GP初参戦の坂井騎手は「(抽選役をつとめた)岡部さん、ありがとうございます!」と第一声で感謝の思いを伝え、続けて「なるべく内が良かったので。上位にこられるように頑張りたい」と気合十分。賞金不足で除外となった昨年から、2年越しの夢をかなえた林調教師は「ジョッキーが希望する枠が一番だと思っています。好きなように乗ってもらいたいですね」と鞍上に思いを託す。枠順確定した24日は、厩舎周辺の引き運動だけだったが「引き続き毛づやはいいし、馬体の張りも申し分ない。今の中山の馬場状態も合っているし、(GI初挑戦だった)前走の経験も生かしてくれたら」と、上げ潮ムードに乗って一発を狙う構えだ。
ラヴズオンリーユーは〔2〕枠(4)番を引き、「最高。とてもうれしいです」とM・デムーロ騎手。矢作調教師も「言うことないです。(昨年リスグラシューで勝った)(6)番の予感がしていたけど、さらに内の偶数。ゲートも速く、ロスなくいい位置が取れるし、チャンスが出てきたと思います」と喜んだ。
ワールドプレミアは昨年の菊花賞を勝ったときと同じ〔3〕枠(5)番に決まった。武豊騎手は「菊花賞を勝ったときと同じ番号で、(抽選役の)葵わかなさんの赤いドレスを見たときに〔3〕枠がいいんじゃないかなと思っていました」とジョークを交えて歓迎。友道調教師は「器用に競馬ができるタイプ。レースをしやすそうな枠に入ったと思います」とうなずいた。
3年連続参戦となるキセキは〔3〕枠(6)番。一昨年は(14)番、昨年は(11)番と外めの枠でともに5着だったが、ついに内めの偶数枠を引き当てた。しかも、2013年のオルフェーヴル、昨年のリスグラシューなど歴代2位の7勝をマークしている絶好枠だ。「いい枠。スタートを出てみないと分からない部分はあるけど、角居先生といろいろ相談して考えたい」と浜中騎手。前走のジャパンCではハイペースで逃げたが、角居調教師は「ハナに行きたい馬(バビット)が内に入ったので、それを見ながら競馬ができれば」と控える作戦を示唆している。
エリザベス女王杯に続くGI連覇を狙うラッキーライラックは、6番目の抽選で真ん中よりやや内めの〔4〕枠(7)番となった。「真ん中くらいがいいと思っていたから、ちょうどいい。ここならいいポジションで競馬ができると思う。硬くならず馬の調子はいい。ペースが流れてほしいですね」と松永幹調教師はハイペースを希望。福永騎手は「“ラッキー”セブンということでいい枠じゃないですか」と馬名にかけた。さらに、公開枠順抽選会のスペシャルゲストとして、俳優の中川大志が出席していることに触れ、「中川さんがプレゼンターをされたときは2回(昨年の高松宮記念=ミスターメロディ、安田記念=インディチャンプ)とも勝っていますからね」と声を弾ませた。
ペルシアンナイトは〔4〕枠(8)番。1991年にダイユウサクが前走マイル戦から勝っている。「極端な外じゃなければいいなと思っていたので、ホッとしています」と大野騎手。池江調教師は「真ん中より内の偶数枠が欲しかったので希望通りです。状態はずっといいので、ペースが流れてくれれば」と力を込めた。
6月の宝塚記念を6馬身差で圧勝し、ドリームレース連勝を狙うクロノジェネシスは、〔5〕枠(9)番に入った。斉藤崇調教師は「できれば偶数番の方がよかったのですが、周囲の出方を見ながら運べる枠順で、前に行きたい馬も内に入っているので、並びとしても良かったように思います」と話した。24日は運動のみの調整で「いい追い切りができて馬の雰囲気もいい。馬場が荒れても問題ないことは分かっていますし、あとは当日のテンション。折り合いさえつけば」とポイントを挙げた。今回が有馬記念初参戦の北村友騎手は「ファン投票1位は光栄なことですし、ファンのみなさんの期待に応えられるように頑張りたい」と、気を引き締めた。
悲願のGI取りを狙うカレンブーケドールは〔5〕枠(10)番に決まった。有馬記念最多4勝の池添騎手は「もう少し内め、8番から内が欲しかった」とやや残念そうだが、実は歴代3位タイの6勝を挙げるラッキー枠。国枝調教師も「できたら6番より内が欲しかったけど、偶数だしいいんじゃないの。カレンチャンがGIを取ったのが10番(2011年スプリンターズS、12年高松宮記念)だって(鈴木隆司)オーナーが言っていたし、ラッキーナンバー」とゲンのいい数字として受け止めていた。
最後の抽選になったモズベッロは〔6〕枠(11)番。田辺騎手が「去年も(枠順抽選で)最後だったんですけど、じらされましたね。(初コンビも)いいイメージはあります」と話せば、森田調教師は「枠順は気にしていなかった。短距離ならば気にするが、中長距離ではどこでもいいと思っていた」と語った。
オーソリティは最後から2番目の抽選で〔6〕枠(12)番。2003年のシンボリクリスエス以降、優勝馬は出ていないが、「せめて偶数がいいなと思っていました。重賞連勝でここまで来ているし、この勢いを強いメンバーで出せれば」と川田騎手。木村調教師は「毛づやはいいし、上向いて臨めると思います」と話した。
24日のフィエールマンは茨城・美浦トレセンで調整。馬場入りはせず、厩舎地区で運動を消化した。午後5時から行われた公開枠順抽選会では〔7〕枠(13)番に決定。2012年に同じ菊花賞馬のゴールドシップが勝った枠からGI4勝目を目指す。ルメール騎手は「ちょっと外ですけど、距離も長いし、後ろの方を走るからフィエールマンにはいい枠です。大きなチャンス。自信あります」と納得の口ぶり。手塚調教師も「偶数が理想でしたが、大外枠じゃなければいいでしょう。途中から動く競馬をイメージしていたし、内で包まれるよりいい」と受け止めた。
最初に選ばれたサラキアは〔7〕枠(14)番に決まった。松山騎手が「比較的後ろからになるので、枠はあまり気にしていなかったので、問題ないかなと思います」とうなずけば、池添学調教師は「スタートは安定しているので、(戦法は)ジョッキーにお任せします」と語った。
横山典騎手とともに挑むオセアグレイトは外の〔8〕枠(15)番。横山典騎手は「岡部さん、何て枠引いてんのよ。赤い帽子をかぶりたいなと思ったけど…。頑張ります」と苦笑い。菊川調教師は「決まったものは仕方がない。ジョッキーにうまく対処してもらうしかないです」と気を取り直して前を向く。
ユーキャンスマイルは〔8〕枠(16)番。これまで4着が最高着順の大外枠に、岩田康騎手は「もう一回、引いてもらえませんか? もう一回、引いてください」と再抽選を求めた。友道調教師は「後ろから行く馬なんでいいんじゃないですか。そこまで深刻には考えていません。前が流れてほしいですね」と願った。
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★有馬DATA…例年、公開枠順抽選会では外枠が当たった陣営ががっかりすることが多い。有馬記念が行われる中山の芝2500mはスタートしてすぐに3コーナーのカーブを迎えるため、外枠の馬は序盤に外を回さられるロスがあるためで、内枠が有利とされている。また、偶数枠を喜ぶ陣営が多いのはゲートに後から入れるためで、一般的には枠内で待たされる時間が少ないほうが有利となる。実際に、有馬記念では内の偶数枠が強いデータがあり、(2)、(4)、(6)、(8)番枠の馬が過去10年で5勝している。
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TERAMAGAZINE
枠順は関係ない、
突出した能力と強い天運を持つ競走馬が勝つのが
有馬記念だ(キッパリ)
2020年12月26日 18:33