2日に行われた春の天皇賞は3番人気の
ワールドプレミアが勝利。
菊花賞以来2度目のGI制覇を決めました。
コース形態や高速馬場を意識したのか、スタート直後から積極的な展開となり序盤はかなり速い流れ。前半1600m1分35秒6→後半1600m1分39秒1という数字だけを見ても、非常にタフな競馬だったことが分かります。それでも追い込み決着にはならず、上位を占めたのはほとんどが中団より前で進めた馬でした。ついていけない馬はふるい落とされ、強い馬が残った形。まるでマラソンのような、伝統の一戦にふさわしい素晴らしいレースだったと思います。
勝った
ワールドプレミアは、脚部不安で昨年ほぼ丸一年を休養にあてることになりましたが、これが復帰4戦目。近走は徐々にパフォーマンスを上げていましたし、当然といえば当然の結果です。今回は改めて持久力を見せつける内容でしたが、3歳時の
神戸新聞杯で上がり32秒3をマークするなど、スピード能力も十分すぎるほどに示しています。次走以降も距離に関わらず期待していいでしょう。
今週の日曜(9日)は東京競馬場でGI・
NHKマイルカップが行われます。
本命は
ルークズネストの予定。まだまだ奥がある競走馬だと思っています。
重賞初挑戦だった2走前の
シンザン記念は、後方で折り合いにかなり苦労しながら2着まで差し込んできました。スムーズに逃げた
ピクシーナイトを捕らえ切れなかったものの、負けて強しの内容です。
そして、前走の
ファルコンSは一転してハイペースで逃げる形に。ラップが示す通りラストはかなり苦しかったようですが、いったん前に出た
グレナディアガーズを差し返しての勝利。相手は前哨戦の仕上げだったかも知れませんが、こちらもプラス10キロと似たような状態です。まぎれもなくGI馬と互角以上にやれる力を示しました。
沈み込んでうなるようなフォームは父
モーリスにそっくり。全身をうまく使って推進力を生み出しています。単に能力が高いだけではなく、根性やセンスなどサラブレッドに求められる要素はほとんどを備えているように思います。気性面の成長がくわわれば中距離でも通用しそうな印象。今回のみならず先々まで注目したい一頭です。(サンケイスポーツ・岡本)
※画像は
ルークズネストの前走(Deepの特大馬柱より)