洋一郎日記2025年1月22日
【洋一郎日記⑪】馬と酒の日々 The Days of Wine and Horse
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執筆者:佐藤洋一郎
ウマニティ公認・殿堂プロ予想家。競馬予想歴50年超、ハンチング帽がトレードマーク。
5日の金杯から19日の京成杯までの15日間に、なんと7日間もの競馬が開催された。2週間に7日、2日に1回。息つぐひまもない過密・過酷スケジュールなのになぜか、先週の中京新馬2鞍は33頭、44頭?というシーズンオフらしからぬ出馬投票・除外ラッシュに沸きました。たいへんだったでしょう。

 優先順位なしの完全抽選やで、サイコロを振るような予想にもなるわ。荒れて当然、3連単45万円?それもわかる。有力候補が皆、除外されたら、ワケわからんやろが。


 なるほど。寒中競馬だというのに、小春日和なみの穏やかな陽気だから、よけいなストレスもかからずに、なんとかしのげたという面もありますか。中京の京都競馬は荒れてナンボって感じでした。だけど、中山じゃ千載一遇、二遇、いや三遇の見逃し、見落とし大空振りを食らって、酒も喉を通らんほどにへたりこんでいます。

 満月だ、寒中競馬だって気張りすぎた報いかもしれませんが、ホトケの顔も三度、女神の微笑どころか、サタン(悪魔)のツラを3度も拝まされて、マジ落ち込んどります。


 それが旧知の知人、偉人の生産馬や愛(所有)馬が躍動してのものだったからです。せっかちなダンゴ打ちになっちまったなあと嘆きながら、早とちりの見習い記者に叩き込まれた金言をあらためてかみしめました。

 「拙速を无ねとすべし」

 締め切り時間に間に合わなければ、どんな名文、玉稿も消滅する。拙くても、整わなくても、必要最低条件(5W1H)を満たしていれば使える。懲りすぎてジタバタするような記事は書くな!

 競馬の予想、ダンゴ打ちは「拙速」よりも緻密、周到でなければならないと心得てはいました。けれども、長い蓄積、発酵から発する直感、ヒラメキが大魚をフックすることだってあるのです。そうした刹那いダンゴの、どこに非があったのか、大物が蠢いているのに見逃したのはなぜか。せっかちな性格や習い覚えた予想スキルを一変させることはできませんが、ヒラメキの確度を高め、見逃しの頻度を削減するための自戒メモリーとして、冷静沈着クールに、千載三遇を逸した経緯を記録しておこうと思いました。


 その一。本来なら⦿で祝杯を挙げていたはずの中山5R新馬⑥ミサトダイヤ(2着)を、痛恨のヌケにしてしまいました。オーナーは同じ町内のトベさんで、先代からミサト冠名でなじみのあった家族同様の馬友です。(競馬日記)

 トベさんは幼児期から父親(馬主)に連れられて中山や浦和に通いつめていた、血統、馬名、レースなどの記憶にかけては吉田善哉なみの才能を隠し持った、埼玉のエル・ニーニョ(神童)だった。亡父の後を継ぐかどうか迷っていたとき、浦和の野口孝調教師とも親しかった明大の寺島善一教授とともに、「ダービーを獲りましょう!」と激励した。「この血筋だけは残したい」というペニーアップ(SSの全妹)の血を頼りに、JRAの馬主登録(即時通過)をして…父の威光もあってか数年で中山馬主会の理事に推薦された。

   サンデーサイレンスの全妹の血はなかなか開花しなかったが、2017年6月25日の東京芝2400の稲城特別をサンデームーティエ(タニノギムレット・ミサトペニー)が快勝した。このときときオーナーは体調を崩して不在で、お祝いを言いに検量室に駆け付けると、「サトさん、トベさんの代わりに口取り写真に入ってよ」と谷原義明調教師に腕を引かれた。谷やんとは騎手時代からの飲み友達で、長男が受験をひかえてあせっていたときに家庭教師(英語)を頼まれて、土浦の自宅にまで何度も出向いたこともある。トベ父子が谷原厩舎に預託していたのも何かの縁と、吉田豊騎手の隣にならんで口取り写真の代用品にさせていただいた。(続く)

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