古馬マイル女王決定戦のＧＩ、第１５回ヴィクトリアマイル（芝１６００メートル）が１７日、東京競馬場で行われる。１着馬には米ＧＩ・ＢＣフィリー＆メアターフ（１１月７日、キーンランド、芝１９００メートル）の優先出走権が与えられる。

　注目はようやく今年の初戦を迎えるアーモンドアイ（美浦・国枝栄厩舎、５歳）だ。出走予定だったドバイターフが中止となったため、昨年の有馬記念（９着）以来の出走となるが、国枝師が「ドバイに行ったけど、体調は気にすることはないね」と話すように、問題はなさそうだ。その言葉通り１週前追い切りではＷコースで５ハロン６５秒１－１２秒３をマーク。３頭併せの馬なりで１馬身先着し、文句なしの動きを見せた。昨年の安田記念はスタートで受けた不利が大きく影響し、上がり最速の脚を繰り出すも届かず３着に敗れた。本来の力を出せれば、史上最多タイの芝ＧＩ７勝目を手にできるはずだ。

　逆転候補の一番手は今年に入って重賞３連勝と充実一途のサウンドキアラ（栗東・安達昭夫厩舎、５歳）になるか。重賞初挑戦だった昨年のこのレースでは７着に敗れたが、１年かけて力をつけてきた。悲願のＧＩ初制覇へ機は熟した。

　昨年のオークス馬ラヴズオンリーユー（栗東・矢作芳人厩舎、４歳）もドバイシーマクラシックが中止となり、当レースが今年の始動戦となる。前走のエリザベス女王杯（３着）で初黒星を喫したが、東京はオークスを勝った競馬場。自慢の末脚を生かせる直線が長いコースで改めて見直したい。

　ノームコア（美浦・萩原清厩舎、５歳）は昨年のこのレースで芝１６００メートル１分３０秒５のレコードを樹立し、ＧＩ初勝利を挙げた。１週前追い切りはＷコースで５ハロン６７秒７－１２秒３をマーク。直線で一杯に追われて２馬身先着と仕上がりは順調のようだ。前走の高松宮記念１５着は、香港からの遠征帰りで、初めての１２００メートル戦、重馬場と条件がよくなかった。調整は順調。適性が高い東京コースで見直したい。

　昨年の２着馬プリモシーン（美浦・木村哲也厩舎、５歳）も怖い存在だ。２走前に牡馬相手の東京新聞杯で約１年半ぶりの勝利を挙げている。前走のダービー卿ＣＴは緩い馬場に泣き５着に終わったが、東京へのコース替わりはプラスになる。昨年と同じ臨戦過程で、今年こそＧＩ勝利をつかみたい。

　ターコイズＳ勝ち馬のコントラチェック（美浦・藤沢和雄厩舎、４歳）は武豊騎手と新コンビを組む。前走の中山牝馬Ｓは降雪の影響があり、参考外。オークス以来２度目の府中となるが、この距離なら上位争いをしても不思議ではない。

　サンスポ杯阪神牝馬Ｓ参戦組も虎視眈々と戴冠を狙う。２着のスカーレットカラー（栗東・高橋亮厩舎、５歳）はメンバー最速の上がり３ハロン３３秒４をマークした。ゲートを上手に出れば勝機はある。

　０秒４差で４着のビーチサンバ（栗東・友道康夫厩舎、４歳）は１０戦して掲示板を外したのはオークス（１５着）の１度のみと安定感がある。今回はそのオークスと同じ東京コースだが、ＧＩＩＩのアルテミスＳとクイーンＣは２着とマイルでは結果を出している。立ち回りひとつで上位に食い込む可能性は十分だ。

　ダノンファンタジー（栗東・中内田充正厩舎、４歳）は１８年の阪神ＪＦ以来の勝利を狙う。前走は約半年の休み明けで馬体重がプラス２２キロながらも５着と健闘した。一度たたかれた効果に期待したい。

　シャドウディーヴァ（美浦・斎藤誠厩舎、４歳）は５番人気で１２着と奮わなかったが、２走前の東京新聞杯では０秒１差の２着と初のマイル戦で適性を見せた。東京コースは【１・４・１・１】と勝ちきれないものの、好走を続ける得意舞台。ＧＩ初勝利に意欲を燃やす。

　１６着と案外だったシゲルピンクダイヤ（栗東・渡辺薫彦厩舎、４歳）も和田騎手との再コンビで巻き返しを図る。



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