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阪神競馬場で行われた第67回大阪杯は、2番人気のジャックドールがハナ差で逃げ切って、国内外合わせて4度目の挑戦でGⅠ初勝利を挙げた。勝ち時計の1分57秒4はレースレコード。今後は天皇賞・秋(10月29日、東京、GⅠ、芝2000メートル)が最大目標だ。2着に1番人気のスターズオンアースが入り、3着は10番人気のダノンザキッドだった。
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敗戦を糧に待望のタイトルをつかみ取った。ジャックドールが、昨年5着のリベンジを果たしてGⅠ初制覇。藤岡調教師は胸をなでおろした。
「やっと勝てたという感じです。やっぱりGⅠなので、2、3着馬は強かった。最後はひやひやしましたが、勝てて良かったです」
自慢の快足を存分に生かして先手を奪い、よどみないペースを刻む。最後は昨年の2冠牝馬スターズオンアースの猛追をハナ差でしのぎ、GⅠウイナー5頭を負かしての初戴冠だ。
昨年は破竹の5連勝で前哨戦の金鯱賞を制して臨んだが、落鉄などもあって5着。その後も天皇賞・秋4着、香港C7着とGⅠの壁にはね返されていた。今春は休み明けでも力を発揮できる特徴を考慮して、ここに照準を合わせてきた。1週前追い切り後は太め残りで状態が上がってこなかったが、微調整を重ねて仕上げた。
2016年の桜花賞(ジュエラー)以来のGⅠ3勝目となるトレーナーは、父が元厩務員で幼少時は阪神競馬場で育った。「阪神は僕の地元。大阪杯を勝てて良かった」と笑みを浮かべ、「5歳になれば完成されてくるので、もう1段階(上が)あってくれれば」と先を見据えた。
今後は宝塚記念(6月25日、阪神、GⅠ、芝2200メートル)を視野に入れつつ、天皇賞・秋が最大目標になる。昨年のJRA賞年度代表馬でドバイシーマクラシックを制したイクイノックスを筆頭に、タレントぞろいの芝中距離路線。充実期を迎えたジャックドールが、主役の座を奪いに行く。(山口大輝)
■ジャックドール 父モーリス、母ラヴァリーノ、母の父アンブライドルズソング。栗毛の牡5歳。栗東・藤岡健一厩舎所属。北海道日高町・クラウン日高牧場の生産馬。馬主は前原敏行氏。戦績14戦8勝(うち海外1戦0勝)。獲得賞金4億7204万2000円(すべてJRA)。重賞は2022年GⅡ金鯱賞、GⅡ札幌記念に次いで3勝目。大阪杯は藤岡健一調教師が初勝利。武豊騎手は1988年フレッシュボイス、90年スーパークリーク、93年メジロマックイーン、97年マーベラスサンデー、98年エアグルーヴ、2014年キズナ、17年キタサンブラックに次いで8勝目。馬名は「人名より+黄金(仏)」。
【アラカルト】
◆逃げ切り 21年(レイパパレ)以来2回目。
◆藤岡健一調教師 2頭目の出走で初勝利。前回は昨年(ジャックドール)の5着。GⅠは16年の桜花賞(ジュエラー)以来で通算3勝目。重賞は昨年の札幌記念(ジャックドール)以来で通算16勝目。
◆モーリス産駒 今年の4頭を含む延べ5頭の出走で初勝利。GⅠは昨年のエリザベス女王杯(ジェラルディーナ)以来で通算3勝目。重賞はAJCC(ノースブリッジ)以来の今年3勝目で通算13勝目。
◆馬主・前原敏行氏 延べ2頭目の出走で初勝利。GⅠは延べ3頭目の出走で初勝利。重賞は昨年の札幌記念以来で通算3勝目。
◆生産者・クラウン日高牧場 延べ2頭目の出走で初勝利。GⅠは延べ4頭目の出走で初勝利。
◆関西馬の勝利 17年(キタサンブラック)以降7年連続7勝目。
◆単勝2番人気の勝利 20年(ラッキーライラック)以来の2回目。
◆5歳馬の勝利 昨年(ポタジェ)に続く5回目。
◆牡馬の勝利 昨年(ポタジェ)に続く5回目。
◆最低払戻金額 枠連❺❻740円。馬連⑨⑪830円、馬単⑨→⑪1580円は、当レースの式別ごとの最低払戻金額を更新。
【売り上げ、入場者数】
大阪杯の売り上げは185億823万6900円で前年比99・0%。入場者数は2万5699人(うち有料入場2万5070人)だった。